転職市場が盛り上がっている中、慢性的な人材不足が叫ばれているマーケター。宣伝会議が2019年2月にデジタルマーケティング部門の担当者を対象にとったアンケート調査では、「知識・スキル不足」や「予算が足りない」などの項目を圧倒して「実施したいことを実現するための人手が足りない」という課題を抱える企業が多いことが浮き彫りになりました。

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出典:宣伝会議デジタルマガジン

「転職顕在層」向けのアプローチには構造的な限界が

絶対数としてのマーケターが少ないことに加え、優秀なマーケターは直接の引き抜きが多く転職市場に出てこないことが多いため、募集をかけてもなかなか求める人材の採用までたどり着かないというのが実状です。転職エージェントを使った「顕在層」向けのアプローチの構造的課題の解決のためには、現在広告代理店や企業の事業部で活躍中のマーケターを狙った*「潜在層」向けのアプローチが必要*です。

現状に不満があって転職モードになっている転職顕在層ではなく、日々充実感を持ってバリバリ仕事をこなしている「現場」のマーケターにアプローチするには、業務で「使う」情報源を接点とするのが一番の方法。忙しい業務の合間に何気なく触れた情報に「こんなことをしている場合ではない!」と心を動かされ、挑戦の場として飛び込む。そんな新しい企業とマーケターのベストマッチを実現すべく生まれた手法が「job ferret」です。

job ferret活用例:差別化しにくい「広告代理店」の魅力づけ

究極の無形サービスともいえる「広告代理店」の仕事は、その仕事を一言で説明することはできません。ということは当然、その会社自体の魅力の言語化も非常に難しい作業です。優秀な広告クリエイターを抱える大手広告代理店が自社のTVCFを打たない理由はBtoBビジネスだからである、という話がありますが、本当の理由はこの打ち出しの難しさにも一因があります。

job ferretは数多くのマーケターを読者として日々向き合う編集部による「翻訳」によって、言語化しづらい広告代理店の「働く場」としての魅力を浮き彫りにし、幅広い読者に気づきや示唆に溢れるコンテンツとして見せることでこれまでの手法ではできなかったマッチングを狙えます。今回はいち早くjob ferretを実施し、狙った層から10件以上の求人応募を獲得した株式会社ネットフロンティアのケースを通して、job ferretならではの魅力の打ち出し方についてご紹介します。

意外性のあるタイトルで幅広い層を、鋭く突く。

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記事の入り口であるタイトルは、一般には「PVをとるためのもの」という捉えられ方をしています。しかし、それだけでは「釣りタイトル=良いタイトル」ということになってしまいます。実はタイトルには他にも「記事本文への期待値を高める」という役割や、「読後の回遊読者に対するリマインド」という役割があります。

たとえば同じ記事内容でも、記事タイトルをいくつか差し替えた場合、その期間の流入数(=PV数)だけではなく、記事本文内での振舞い(記事内クリックや読了率)も大きく変わります。読者は記事タイトルをクリックするアクションの中で、タイトルに応じて様々な期待感を前提意識として持つのです。だからなるべく記事の主題に近いテーマで、好奇心をかきたてるようなタイトルにすると記事内アクションも多くなります。また、記事のキーワードがタイトルに含まれていると、一読した後も度々メディア上でタイトルに触れることでリマインド効果が現れ、記憶の歩留まりがアップします。

ネットフロンティアの場合、「目指すは、"全社員アフィリエイター"」というフレーズは記事のメインテーマでもあり、適度な意外性を持ち合わせているので幅広い読者層を高い期待値を持って記事本文へ誘引させることができました。結果、PVは通常の40%増し、記事内アクションは通常の3-5倍を獲得しました。