プロのWeb解析コンサルタントに教わる これからのデータ分析と情報収集のヒント
これからの分析のスタンダード
ferret:
実は、分析ツールといえばGAくらいしか触ったことがないのですが...。
木田氏:
GAは分析に必要な項目が全て入ったオールインワンパッケージなので、初めて分析をする人も使いやすいツールですよね。ただ、ユーザーIDやイベントを取得したり、ちょっとカスタマイズして使いたいとなると、物足りなくなってくる一面があります。そこで必要になってくるのが「Tableau(タブロー)」です。
山田氏:
GAのデータ蓄積力は非常に優秀ですけど、UIの柔軟性が乏しいのが弱点です。最適なグラフやチャートを作り上げるなど明確な目的のあるビジュアル分析なら、Tableauのほうが柔軟です。最近だと、クライアントの商談データをビッグクエリにいれて、Tableauでわかりやすく可視化させることもあります。
ferret:
データの「蓄積」と「可視化」、分析ツールには2つの役割があるんですか?
山田氏:
はい。Googleも今はGAの他にデータポータルというデータの可視化に特化したツールを提供していたり、蓄積と可視化でツールの役割を明確に分別し始めています。
木田氏:
複数人で多様な情報を共有する場合には、収集・蓄積だけでなくいかにして共有するかが重要になってきます。最近弊社でも行なっているんですが、帳簿を全社にオープン化する「オープンブック経営」(※社員に売上、粗利などの経営状況を開示、共有し、同じ経営状況を把握した上で社員の自主的、自律的なアクションを創出する経営)といわれる取り組みも、Tableauのようなビジュアライズに強い分析ツールなら、柔軟に表現できます。
弊社では、会社全体の売上とサービスの関連性、販管費と営業利益の関係、予算に対する実績などあらゆる数値を誰でも読み解ける状態を分析ツールを使って作っています。例えば、私たち営業の実績は1時間おきに常に更新されているので、誰かが実績をあげたら、すぐに社員みんなに公開されます。ビジュアライズされたデータによる情報共有は、プレッシャーでもあり励みでもあり、仲間同士の信頼にも繋がっています。
ferret:
今後はWebマーケターもTableauを使う場面が増えてくると感じていますか?
木田氏:
これから使う場面は増えていくと思いますね。ビジュアライズに特化した分析ツール全般、注目されていますが、そもそもこれらの分析ツールには大きく2種類あるんですね。ひとつはダッシュボーディングといって、グラフ類を図化して網羅的に並べられるタイプ。もうひとつはデータ探索型といって、フィルタをかけてデータを深掘りできるタイプ。Tableauは両方の側面を持っていますが、特に強いのが後者です。目的のためにオーダーメイドでデータを再編集したいとき、データ探索型の分析ツールは非常に優秀だと思います。
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- UIとは、ユーザーインターフェイス(User Interface)の略で、ユーザー(使い手)とデバイスとのインターフェイス(接点)のことを意味します。
- Googleとは、世界最大の検索エンジンであるGoogleを展開する米国の企業です。1998年に創業され急激に成長しました。その検索エンジンであるGoogleは、現在日本でも展開していて、日本のYahoo!Japanにも検索結果のデータを提供するなど、検索市場において圧倒的な地位を築いています。
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