ボードゲームといえば、「友人や家族などで楽しむもの」というイメージがありますが、企業研修やインターンなど、学習用に利用されるものもあります。

今回は株式会社NEXERA(ネクセラ)が提供している、マーケティングの基礎を体感できる学習用次世代ボードゲーム「Marketing Town」を、実際にferret編集部で体験した様子をゲーム開発者のインタビューも交えてお伝えします。

Marketing Townとは

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Marketing Townとは、株式会社NEXERAが提供する、ゲームを通じて経営戦略の基礎となる「マーケティング」「財務」「経営戦略」を学べるボードゲームです。

2019年の2月より提供を開始し、企業研修やインターン、教育コンテンツとして様々な企業で利用されています。

プレイヤーは経営者となって、「市場調査」「出店」「広告」「仕入」「販売」「資金調達」の意思決定を1ターンに1つ行いながら、3年間での営業利益を競います。1ターンが1ヶ月の扱いとなるため、慎重な判断が求められます。

実際にプレイしてみた

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今回は株式会社NEXERAのCEO飛田恭兵氏と、CBO山本龍之介氏にお越し頂き、実際にferret編集部でMarketing Townを体験させてもらいました。

その後の判断を左右する「市場調査」

Marketing Townでは、お金を支払って街の1区画にどのような人が住んでいるかを調査できます。街の住人は所得階層やイノベーター理論に基づいて5つのタイプに分かれており、そのタイプによって販売できる商品の価格や、個数が決まっています。

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きちんと市場調査をしてから出店するのか、また他のプレイヤーはどのエリアを調査し、何を販売したのかなど、市場の情報1つでその後の意思決定は大きく変化します

戦略が決まる「出店」

Marketing Townでは、商品を販売するために「出店」という意思決定をしなければなりません。市場の調査や、競合となる他プレイヤーの動向もチェックしながら意思決定をする必要があります。

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出店する場所によって売れる商品も異なることに加え、同じエリアに競合が出店しているかどうかで、商品をどう売るかも変わっていきます。

実際に編集部でも、競合と同一エリアに出店して、価格を熟考しながら販売するプレイヤーや、誰も出店していないエリアでブルーオーシャン戦略をとるプレイヤーなど、それぞれの目指す戦略が色濃く反映されていました。

購買心理に関わる「影響力」

Marketing Townには「影響力」と呼ばれる概念があります。この「影響力」とは、「このエリアにはこの店がある」という認知のような概念であり、店舗の周辺エリアに設置できるほか「広告」を打つことでも設置できます。

この「影響力」は商品の「販売」にも関連するため、非常に重要な意思決定になります。

場合によっては減収にもつながる「仕入」

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Marketing Townでは販売する商品の「仕入」も行わなければなりません。仕入れ価格の異なる3種類の商品は、販売できる市場や個数、販売価格上限が決まっています。そのため、自分が出店したエリアに適した商品を仕入れなければ、その商品は販売できません。また、「在庫」の概念もあるため、買いすぎて余らせてしまえば減収にもつながってしまいます。

1番の盛り上がり「販売」

実際に編集部で体験していて、1番の盛り上がりを見せたのが「販売」です。プレイヤーは仕入れた商品を、販売価格の上限を超えない範囲で価格を決めて、出店した店舗の範囲で販売できます。

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また、販売するエリアに他プレイヤーも出店していた場合には、オークション形式でより安い販売価格を提示したプレイヤーのみが、商品を販売し売上を獲得できます。このオークションは、プレイヤー同士の駆け引きが生じるため、非常に盛り上がるタイミングでもあります

財務シートの記入

4月から3月までの1年間のプレイを終えたら、財務シートを用いて決算をします。

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市場調査や出店、仕入れなどにかかった費用や販売によって得た売上に加え、期末には固定費なども含めて、最終的なゲームの勝ち負けを決める営業利益を算出します。固定費などの動きはゲーム中には計算をしないため、この決算処理はドキドキの瞬間です。

ゲーム終了

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ゲーム終了後は、プレイを踏まえてマーケティングの基礎についておさらいをします。4Pや3Cなどのマーケティングの基礎を、今回のゲーム内容に当てはめて学ぶことでマーケティングを知識だけでなく、体験としても身につけられます。