経営統合とは

*経営統合とは、統合する会社同士で持株会社を新たに設立し、その持株会社の傘下に双方企業をおき、両社の全株式を管理するものです。*持株会社の傘下に置くことで、各社の法人格を引き続き残すことができます。
2018年に経営統合したVOYAGE GROUPとサイバー・コミュニケーションズ(電通の100%子会社)を例にとると、経営統合に伴い持株会社「株式会社CARTA HOLDINGS」を設立し、その傘下にVOYAGE GROUPとサイバー・コミュニケーションズが入りました。なお、電通がこの持株会社を子会社化したため、VOYAGE GROUPは電通グループとなりました。

参考:
サイバー・コミュニケーションズとVOYAGE GROUP、 持株会社名を「株式会社CARTA HOLDINGS」に決定

経営統合の事例

経営統合に関する基本合意書の締結について
2019年11月に業界を驚かせた、ヤフー親会社のZホールディングスとLINEの経営統合です。非常にややこしいのですが、図式は以下の通りです。
まず経営統合に向けて、ソフトバンクとNAVERが現LINEの全株式を取得し、現LINEの非公開化(上場廃止)を目的とした株式公開買い付け(TOB)を実施します。さらに、現LINEの株式を50%ずつになるように取引し、現LINEをソフトバンクの連結子会社とします。
続いてソフトバンクが保有しているZホールディングスの株式(44.6%)を現LINEに移管し、現LINEの子会社とします。そして、現LINEの子会社となったZホールディングスの傘下に、LINEの事業を継承する新会社とヤフーを傘下におきます。
ソフトバンクを親会社とすると、LINEが子会社、持株会社となるZホールディングスが孫会社、その傘下のヤフーとLINEの事業継承会社がひ孫会社となります。

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画像引用:
経営統合に関する基本合意書の締結について

合併とは

合併には「吸収合併」と「新設合併」の2種類がありますが、どちらも複数の会社をひとつの法人格に統合することを意味し、片方もしくはすべての企業の法人格が完全に消滅します。
「吸収合併」は、企業A(存続会社)が企業B(消滅会社)のすべてを吸収し承継する手法です。この場合、企業Bの法人格は完全になくなります。
「新設合併」は、企業A、企業B両方の法人格がなくなり、新しく設立した会社に両社の全てが引き継がれます。この場合、新設する新会社が事業を行うにあたる許可等を取り直す必要があり手続きの手間がかかるため、実際にはあまり行われる手法ではありません。

合併は企業が完全に一体化することで統合のメリットを早期に享受することができる一方、統合に伴う現場の業務負荷が大きく、また類似する事業を行っていた場合はユーザーや顧客が重複していることが多いため市場全体の取引が縮小する可能性も危惧されます。

参考:
合併と経営統合の違いとは | M&A・事業承継の理解を深める

合併の事例

完全子会社の吸収合併(簡易合併・略式合併)に関するお知らせ

小林製薬による、桐灰化学(小林製薬の完全子会社)の吸収合併の事例です。
小林制約は2001年に桐灰化学を子会社化し、カイロを中心とした温熱製品は小林製薬グループの大きな事業の柱のひとつとなりました。地球温暖化に伴うカイロ需要の低下や市場の競争激化の中で、より開発・販売を促進することを目的に合併に至りました。