「お世話になります」を連発してない?正しい使い方と上手な言い換え方
ビジネスの場面では日常的な「お世話になります」という挨拶。普段から対面やメールで使っている人も多いです。しかし便利さ故に、ついつい「お世話になります」ばかり言ってしまっていませんか?
どんな状況でも使いやすいビジネス挨拶ですが、シーンによっては他の挨拶の方が適していることもあります。ここでは「お世話になります」の正しい使い方や、上手な言い換え方を見ていきましょう。
「お世話になります」の本来の意味
「世話」という言葉は、使う場面によって意味が異なります。
「子供の世話をする」なら「面倒を見る」、「世話がかかる」なら「手間がかかる」、そしてビジネスでは*「間に入って関係を取り持つ」*という意味があります。
ビジネスは、自社と取引先/自社と顧客のやり取り。よって「お世話になります」には、相手方に対して「いつもビジネスの関係を取り持っていただきありがとうございます」という感謝の意味が込められているのです。
正しい使い方
「お世話になります」は基本的に、取引先や顧客とのやり取りで使われます。すでに取引が始まっているからこそ「いつもビジネスの関係を取り持っていただき〜」という意味が成立するのです。
ビジネスメールの場合、「お世話になります」と「よろしくお願いします」がセットで使われています。「よろしくお願いします」は、今後も相手との関わりが続く場合や、関わりができる可能性がある場合に使う言葉です。
「お世話になります」が初めの挨拶であれば「よろしくお願いします」は締めの挨拶ですので、あわせて使うと良いでしょう。
社内での挨拶には不適切
社内の上司や社員に対しての「お世話になります」は不適切です。いつも仕事をもらっている、上司に指導をしてもらっていると思うかもしれませんが、社内の人は言わば「身内」となるため、丁寧すぎる挨拶は不自然。
例えば、親が子供を世話するのは当たり前なので、親に「お世話になります」と言う人はいないように、社内の人=身内であり、仕事を与えるのも上司が部下を世話するのも当然だという考え方です。
会社の人に挨拶するなら、対面・メール問わず「お疲れ様です」、「おはようございます」、「こんにちは」を用い、常識の範囲内で敬語を使いましょう。
初めての相手には「初めて」らしい挨拶を
「お世話になります」は、一見どんなビジネスシーンでも使えそうな挨拶。しかし、初対面の相手への挨拶には適していません。
何もやり取りが始まっていなければ「ビジネスの関係を取り持っていただき〜」の意味が成立しないのです。初対面の相手には「初めまして」が正しいです。
ただ、まだビジネス(取引)が始まっていなくても、何度かやり取りがある相手であれば「お世話になります」を使っても問題ありません。
また、取引中に担当者が変わる場合でも、相手と取引している事実は変わらないため「お世話になります」を使えます。もちろん初めての担当者に向けて「初めまして」と挨拶するのも正しいので、言いやすい方を選ぶと良いでしょう。
ビジネスで「お世話様です」は使わない
「お世話になります」と「お世話様です」は似ているようでニュアンスが違う言葉です。
*「お世話様」は、お世話になった相手に対して感謝の気持ちを表す言葉ですが、敬意が軽くなるため目上の人に対しては使いません。*もし挨拶や電話対応で間違えて言ってしまった場合、相手に失礼な印象を与える可能性があるため、うっかり使わないように注意が必要です。
自分が上の立場だとしても、社内では「ご苦労様」が適切ですので、ビジネスシーンで使うことはほとんど無いでしょう。
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