個人や企業のSNSにて「バズる」投稿を目にする機会がありますが、「どうしてこんなにバズったのだろう?」と不思議に思ったことはありませんか。バズる背景には、「多くの人がその投稿をシェア(共有)する」という要因があります。実際に、多くの企業が「バズリやすい」内容で投稿をしています。このことからも、拡散力を高めるには「リツイート」や「シェア」が有効だということがわかるでしょう。

それでは、私たちはどんな基準や判断を持って投稿をシェアしているのでしょうか。そこには、私たちの「行動心理」が深く関わっています。ユーザーの行動心理をつかんだ投稿をすることで、より多くのシェアやリツイートが獲得できるのです。

なぜ人は「シェア」をしたがるのか?

SNSでよく行われている「シェア」という概念。そこにはどんな心理が働いているのでしょうか。大きく分けて2つあると考えられています。

自分を良く見せたい、と思う「自己承認欲求」によるもの

SNSを使う以上、誰もが持っている欲求と言ってもよいのが、この「自己承認欲求」です。具体的には、「自分を認めてもらいたい」「いろんなことを知っているすごい人と思われたい」といった自己をより良く見せたいという願望に基づいています。

普段の投稿でも、美味しい食事や海外旅行といった羨ましがられる投稿は、このような「自己承認欲求」によるものです。

「こんな良い情報を教えてくれた」と思ってもらうことで、人間関係を円満にする

自分にとって良い情報は、周りの友人や知人にとっても有益となる場合もあるでしょう。実際、有益な情報をシェアすることで、人から感謝される場面も多いようです。結果的に自分のブランドや価値を上げることにも繋がります。

人はどんな時にシェアをするのか?

人は、ただやみくもにシェアをしているわけではありません。シェアする種類や基準を自分のなかにそれぞれ持っています。

その種類は大きく分けて次の4つ。いずれも共通しているのは、「共感した」「後で必ず読みたい」といった強い「want」が隠されています。人の感情に訴えかける投稿が、シェアされやすいと言えるでしょう。

投稿に共感や応援をする時の「いいね!」の代わり

最も大きな理由が「共感」に伴うものでしょう。「自分もそう思っていた」という同じ価値観を見つけた時、シェアをしたくなりやすいです。

感動した話、面白い話、怒りの投稿などそのジャンルは問いません。投稿を見て「自分も同じ気持ちだ」「投稿に共感できる」という心理が働いた時、共有が起こるのです。こんな面白い情報を知っている自分を「より良く見せたい」という承認欲求の表れという見方もできるでしょう。

後で自分で読み返す「備忘録」

自分の価値観を周りに知らせるためだけに、共有が起こるわけではありません。長い文章の投稿や、ライフハックといった「知恵袋」のような投稿ではしばしば「後から読む」ために、共有化が起こる場合があります。

・有益な情報
・災害情報
・その他、実用的な情報

といった投稿は、共有化されやすいです。

「代弁」してくれている投稿を見つけた時

「自分の意見としてなかなか言いづらい」「周りの人間に言えない本音」も、共有されることの多い投稿です。自分と同様の気持ちを代弁している投稿のシェアは、「自分の考えを知ってほしい」「自分はこういう人間なんだ」という自己表現のひとつなのです。

怒りや不満といった「攻撃」したい時

数は多くありませんが、なかには「特定の個人を攻撃する」ためにシェアをする場合もあります。共感とは逆に強い拒否感や嫌悪感を示した際などに行われます。

シェアされやすい投稿とは?

それでは、具体的にどんな投稿であれば「シェアしたい」という気持ちが起きるのでしょうか。シェアされやすい内容は次の3つに大別できます。

有益な情報

最もシェアされやすいのが有益な情報にまつわる投稿です。自分の趣味・関心事にマッチングしており、かつ「自分が知らなかったこと」「実践してみたい」といった日常生活で役立つ投稿がこれに当たります。
例えば、

・在宅勤務で役立つライフハック
・ライティングする際に役立つサイト

といったようにカテゴライズされた分野で、なおかつ実生活に則した内容であればあるほど、シェアされやすいでしょう。「あまり知られていないけれど役に立つ」情報は、バズりやすいようです。

また、「プレゼントキャンペーン」といった懸賞をTwitterなどで行う企業も。このようにプレゼントや懸賞といった投稿は拡散されやすい傾向にあります。

災害などの緊急情報

今やSNSは、テレビやラジオに代わり緊急事態の情報を得られるツールでもあります。2011年の東日本大震災では、多くの企業や自治体が、SNSを活用し必要な情報をユーザーに届けたことは記憶にも新しいと思います。地震やニュースといった皆が知るべき緊急情報は、シェアされやすい情報であると言えるでしょう。

人の感情を動かすような情報

昨今では個人に限らず、企業までもが面白いユニークに富んだ投稿を行い、バズることも増えてきました。面白い、楽しい情報に限らず、日常生活で体験した感動する話、良い話などもSNSではシェアされることが多いようです。

また、人の感情に訴えかける投稿として、有名人の訃報、企業に対する怒りや不満といったものも同様にシェアされる傾向があります。喜怒哀楽の感情に訴えかけるような情報を投稿する際には、注意が必要だと言えるでしょう。

ユーザーの行動心理を踏まえた有益な情報の提供がポイント

「自分自身の価値を高めたい」という一種のブランディングとして、無意識的にシェアを行っている場合もあれば、面白い情報を気軽にリツイートする、などその行動心理はさまざま。自分の投稿ではない他人の投稿であることから、気軽にできる自己表現として使用しているユーザーも多く見られます。

企業にとって、上記に挙げたユーザーの行動心理を踏まえて「有益な情報を提供する」ことが、シェアされる一番の近道になるはずです。

参考:
なぜSNS拡散が発生するの?シェアする心理をわかりやすく解説!
人はなぜシェアをするのか?人間心理で紐解く「シェアの動機」
思わずシェアしたくなる“感情トリガー”、設計できてる?

世代別に異なるTwitterの活用傾向とは

ツールは1つ、使い方はさまざま。世代別Twitterの活用傾向

ツールは1つ、使い方はさまざま。世代別Twitterの活用傾向

Twitterはさまざまな世代が利用しているため、マーケティング施策においてターゲットの特徴を知らずに施策を実施してしまうと、思ったような結果が得られません。Twitterを利用しているユーザーの年齢層と年代別の利用傾向を知っておくことで、年代に合わせた的確なマーケティングが可能です。記事では、Twitterのユーザー傾向について解説します。