平成ドラマの王者『半沢直樹』はなぜ人気?令和版も快進撃を続ける理由
「やられたらやり返す、倍返しだ!」強烈なキャッチコピーが流行語になった『半沢直樹』は、2013年に平成の民放ドラマ1位の視聴率を記録した大ヒット作品です。2020年にスタートした続編も変わらず絶好調。恋愛シーン0、出演者はおじさんばかり…とヒットの法則からは大きく外れていたにも関わらず、なぜ人気なのでしょうか?
検索ボリュームの推移やSNSの動向を踏まえつつ、半沢直樹が大ヒットコンテンツとなった5つの理由を考察します。
半沢直樹とは
――やられたらやり返す、倍返しだ!!
強烈なキャッチコピーが流行になった『半沢直樹』は、池井戸潤の小説「半沢直樹シリーズ」が原作のテレビドラマで、TBS系「日曜劇場」で2013年と2020年に放送されています。
舞台は銀行、テーマは不正。正義漢の半沢直樹が理不尽にあらがって内部不正を暴く経済ドラマで、恋愛シーンはなく出演者はおじさんばかり……とヒットの法則からは大きく外れていたにも関わらず、2013年の最終回は42.2%と驚異的な平均視聴率に。ドラマの視聴率が40%台になったのは2011年に放送された日本テレビ系の 『家政婦のミタ』以来で、平成の民放ドラマ1位の視聴率です。
2013年も2020年も小説2冊分の2部構成。2013年は小説『オレたちバブル入行組』と『オレたち花のバブル組』を、2020年は『ロスジェネの逆襲』と『銀翼のイカロス』をベースにしたストーリーです。1クールで2回のクライマックスを作れるので、ハイテンポで中だるみしない展開が視聴者を魅了しています。
初回から高視聴率。異例の人気を貫く
2013年の平成版『半沢直樹』は、第1話から視聴率19.4%と好調な滑り出しでした。ドラマは初回の視聴率が高い傾向があるのですが、第2話から第6話までは20%台、第7話から第9話は30%台と右肩上がりに視聴率を伸ばし続け、最終話は42.2%と驚異的な視聴率を叩き出したのです。半沢直樹の名台詞でもある「倍返し」は2013年の流行語大賞になり、社会現象を巻き起こしました。
2020年の令和版『半沢直樹』も「大ヒット作品の7年ぶりの続編」として注目を集め、第1話の視聴率は22.0%、その後も20%台をキープし、第8話に至るまでの平均視聴率は23.8%。2020年の他ドラマは初回の視聴率が10%前後、第2話以降は10%未満の視聴率を推移しているものがほとんどなので、かなりの快挙だと言えるでしょう。第8話の視聴率は2020年の同シリーズ最高となる25.6%をマークし、最終回に向けてさらなる盛り上がりを見せています。
2013年、2020年ともに検索ボリュームはドラマの放送日に上がる傾向があり、初回からコンスタントに検索されています。
2013年、同時期に放送していた『名もなき毒』(赤線)と比較すると注目度が圧倒的に高く、最終回放送後の検索数は爆発的に伸びました。その際は「出向」というキーワードが急上昇しています。ラストで半沢直樹に出向命令が下ったことから、多くの人がその意味や意図を調べたのでしょう。
2020年は最初の2回が2013年の特別総集編、3回目から続編がスタートしたため、3回目にして続編第1話が放送された7月19日に検索ボリュームが大きく伸びています。同時期に放送している『アンサンブル・シンデレラ』(赤線※)と比較しても、やはり注目度の高さがうかがえます。
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- キャッチコピーとは、商品などの宣伝の際に使用される文章のことです。 宣伝をする対象のイメージや特徴を簡潔にまとめつつ、見た人の印象に残る必要があります。一言で完結するものから数行になる文章など、実際の長さはバラつきがあります。 キャッチコピーの制作を職業とする人のことを、「コピーライター」と言います。
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