自分自身の目標をどのように立てていますか?
1年の始まりに立てたその年の目標は、気付いたら忘れてしまっていた、というケースが多いです。
すぐ意識から消えてしまうような無駄な目標設定を避けたいのであれば、誰でも簡単に使える「マンダラチャート(マンダラート)」で目標達成を目指してみることがおすすめです。
今回は、マンダラチャートの概要から使い方、メリットなどを解説します。

目次

  1. マンダラチャート(マンダラート)とは
  2. マンダラチャートを活用する4つのメリット
  3. マンダラチャート(マンダラート)で計画を立てる方法
  4. マンダラチャート(マンダラート)使用例
  5. マンダラチャートを書く際のポイント
  6. マンダラチャート(マンダラート)の効果的な活用場面例
  7. マンダラチャート(マンダラート)で具体的な目標設定をしてみよう

マンダラチャート(マンダラート)とは

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マンダラチャートとは、3×3の9マスの枠で構成されるフレームワークのことです。「マンダラート」や「マンダラシート」とも呼ばれています。非常にシンプルなフレームワークになっているため、幅広い応用が可能です。実際に、事業計画やアイデア出し、勉強、スケジュール作成などあらゆるシーンに応用できます。そのため、多くのビジネスマンが目標達成やスケジュール管理で使っています。

マンダラチャートを活用する4つのメリット

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マンダラチャートを使うことで、主に以下のようなメリットがあります。

  • 導入しやすく1人でも可能
  • 目標達成方法の明確化が可能
  • 多数のアイディアの発見が可能
  • 進捗状況の把握が簡単

それぞれ詳しく見ていきましょう。

導入しやすく1人でも可能

マンダラチャートを使う1つ目のメリットは、導入しやすく1人でも使用可能な点です。

マンダラチャートには、細かなルールがなくフォーマットもインターネット上から無料でダウンロードできます。
また、マンダラチャートが使えるスマホアプリやExcelを使ったフォーマット作成、紙と筆記用具を使うなどの方法でも、簡単に作成可能です。

実践方法も、マスに目標達成のためのアイディアを埋めていくだけで、参加者を集めたりチームを構成したりする必要はありません。

目標達成方法の明確化が可能

マンダラチャートを使うことで、目標達成方法を明確化させることが可能です。

目標達成方法を明確化させるためには、最初に具体的なアクションプランや改善点などを書き出して整理する必要があります。
ただ、紙やExcelに達成方法を書き出しただけでは、そこから具体的なアクションプランを導き出すことは困難です。

マンダラチャートでは、思考を整理しながらマスに従いアイディアを書き出すことで、目標達成方法や具体的なアクションプランを明確化できます。

多数のアイディア発見が可能

マンダラチャートは、3×3の9マスが9つの合計81マスあり、その全てのマスを埋めていく必要があります。

マスを埋めていく過程で、頭の中にある思考が整理され今まで思い付かなかったアイディアを絞り出すことが可能です。
さらに、多数のアイディアをマスに埋めていくことで、書き出したアイディアからヒントを得て、新たなアイディアを生み出せる場合もあります。

マスを埋めていく過程で頭を整理しながらアイディアを出すためのヒントを得ることができるというポイントは、マンダラチャートの大きなメリットの1つです。

進捗状況の把握が簡単

進捗状況の把握が簡単になることも、マンダラチャートを使うメリットです。

頭の中にあったアイディアや思考をマンダラチャートに書き出すことで、具体的なアクションプランや課題の明確化ができます。

さらに、目標達成方法を細分化し、取るべき行動の順番をはっきりとさせることで、高品質な行動計画が作成可能です。
完成した行動計画を元に作業を進めていけば、簡単に進捗状況が把握できます。

また、第三者が見ても簡単に進捗状況を把握できるようになるため、プロジェクト管理や部下の業務管理などにも活用できます。

マンダラチャート(マンダラート)で計画を立てる方法

マンダラチャートの基本ルールは、とてもシンプルです。9つのマスの真ん中にテーマを入込み、周辺のマスに関連項目を入れていくだけです。

マンダラチャートのテンプレートを活用しよう

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上記はマンダラチャートのテンプレートです。
無料で使えるため、ダウンロードして利用できます。
こちらのテンプレートを埋めていく形でマンダラチャートの記入方法を説明していきます。

例えば、2024年の目標設定を例に記入してみます。
まず、真ん中に「2024年の自分の理想像」を一言で記入し、その理想を達成するために必要な要素(「仕事」「家庭」「趣味」など)を周囲のマスに入れていきます。

あとは各項目に詳細を記入していきましょう。
目標を立てる際は、後から振り返りやすいようにできるだけ具体的に、定量的に立てると良いでしょう。(売上を◯◯円アップする、月に5冊は読書するなど)全て記入すると、今年1年、自分の理想像がより具体的となり、日々どのような行動をしていけば理想の状態に近づけるのかがひと目でわかるようになります。

また、目標をマンダラチャートにまとめて書くことで、仕事・家庭・趣味など、一見無関係に思えるような要素でも、実はお互いが密接に繋がっていることに気付きます。

マンダラチャート(マンダラート)使用例

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こちらは、ferretメンバーのマンダラチャートです。作成する際に参考にしてみましょう。

マンダラチャート(マンダラート)では、全ての項目を必ず埋める必要はない

全ての項目が記入できなければ無理に埋める必要はありません。
あくまで中央に配置した大目標を達成することが目的なので、それを達成するために必要な要素がぴったり9つになるとは限らないからです。
マンダラチャートは目的を達成するための手段だということを前提に利用しましょう。

洗い出した要素のなかで特に重要なものを把握しておく

自分の中で必要な要素を洗い出したら、その中でも特に重要な要素は何かを考えます。
目標がいくつもあると、よほどストイックにならない限り全てを達成することは難しいものです。
最低限守らなければいけない部分はどこかを把握しておけば気持ちにも余裕が出るうえに、より大目標の内容も明確になります。

マンダラチャートを書く際のポイント

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マンダラチャートを書く際のポイントは、主に以下3つです。

  • マスを全て埋める
  • マスを埋めきれない時はテーマを変える
  • 目標と目的の違いを理解する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

マスを全て埋める

マンダラチャートを書く際の1つ目のポイントは、全てのマスを埋めることです。

マスが埋まればその分だけ目標達成に向けてアイデアやアクションプランが充実化していきます。
マスが全て埋まらない場合は、十分に思考を深められていない状態なため、中央に配置した目標を達成させることが難しくなります。

マンダラチャートは、マスを埋める過程で新たなアイディアを生み出すチャンスを増やす機会でもあるため、マスは全て埋めましょう。

マスを埋めきれない時はテーマを変える

マンダラチャートのマスを全て埋められない時は、テーマを変えることも考えましょう。

そもそも目標設定が深掘りしにくいテーマだった場合には、いくら考えても思考が深まらずに行き詰まってしまうケースもあります。

十分に頭の中で目標が整理されていない状態の可能性もあるため、テーマを変更してもマスを全て埋めることが難しいと感じる場合は、目標自体の文言や方向性を考え直してみることも大切です。

行き詰ったらマンダラチャートを一旦放置する

手順通り順番にマス目すら埋められなくなったときは、一旦そのマンダラートは放置するのもありです。

マンダラチャートの作成が進まない場合は、固定観念にとらわれすぎて自由な発想が浮かばず、思考停止状態に陥っている可能性もあります。

それでもだめなら、そのマンダラチャートは放棄して、次の新しいマンダラチャートを一から作成し直してみましょう。

その際、放棄したマンダラチャートは一切、見ないようにしてください。
行き詰まったマンダラチャートを見ても、同じような思考が浮かび、行き詰まりのループに陥ってしまう可能性が高いからです。

マンダラチャート(マンダラート)の効果的な活用場面例

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マンダラチャートの効果的な活用方法として代表的な事例は以下の3つです。

  • 経営課題の分析・改善
  • 営業活動の行動分析・改善
  • スケジュール管理

それぞれ詳しく見ていきましょう。

経営課題の分析・改善

マンダラチャートは、経営課題の分析・改善の際に効果的に活用できます。

経営課題を改善させるためには、企業が抱えている経営課題を正しく把握して分析することが大切です。
企業が抱えている最大の経営課題をマンダラチャートの中央のマスに配置して、経営課題の原因を周囲の8マスに配置しましょう。

そして、それぞれの原因を新たなマスの中央に配置し、周囲の8マスに解決策を配置することで、合計81マス全て埋めることが可能です。

書き出した経営課題とそれぞれの原因・改善策を社内で共有することで、社内全体で協力しながら解決できます。

営業活動の行動分析・改善

営業活動の行動分析・改善にも、マンダラチャートは効果的に活用できます。

例えば、営業活動で成果が上がっていない時、その原因をマンダラチャートを活用して分析し、改善策を洗い出します。
特に、課題点を導き出せている状態で改善策がわからない時には、マンダラチャートが有効です。

最初に「営業活動」という単語を中央のマスに配置し、周囲のマスに営業活動で必要なことをピックアップします。
そして、ピックアップした必要要素を達成するために、必要な要素をさらに周囲のマスに配置することで、営業活動の課題点や改善策を導き出すことが可能です。

スケジュール管理

マンダラチャートはスケジュール管理でも、効果的に活用できます。

中心に1週間の目標を配置し、周囲のマスに日や週ごとの業務を記入します。
余った1マスは、メモ欄として活用することで、振り返りやサポートとして活用可能です。

マンダラチャートに1週間のスケジュールを書き込むことで、曜日ごとの業務内容が可視化されるため、業務の優先順位や時間配分などを明確化できます。

さらに、1週間の終わりに見返して、今後のスケジュール作成時の参考にもできるため、カレンダーなどでスケジュール管理をするよりも活用可能です。

マンダラチャート(マンダラート)で具体的な目標設定をしてみよう

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「マンダラチャート」というネーミングは、仏教で使われる「曼荼羅(まんだら)」が由来となっています。
「曼荼羅」とは、仏教の聖域、仏の悟りの境地、世界観などを仏像、シンボル、文字、神々などを用いて視覚的・象徴的に表した絵画を指します。

曼荼羅を見たい方はこちらからどうぞ
絹本著色金剛界八十一尊大曼荼羅図 文化遺産オンライン

曼荼羅は、中心にメインとなる偶像が配置され、周囲に複数の偶像が配置される構成が一般的で、ある規則性を持って配置されているのが特徴です。
曼荼羅は仏教の世界を1枚の絵で表すものであり、全ての偶像がお互いに影響しあって1つの世界を形成していることを意味しています。

宗教的な考え方のように見えますが、構造的には非常に論理的です。
何かを作るためにはそれを構成する要素が必要であり、それらの要素は密接に通じている」ということをとてもシンプルな形でまとめたマンダラチャートは、目標設定や会議における議論の整理、事業計画立案などあらゆる分野で応用できます。

今年の計画がまだ曖昧にしか定まっていないと感じる方は、一度マンダラチャートを使って目標設定してみてはいかがでしょうか。