効果的なマーケティング、営業活動に欠かせない「セグメンテーション」。この記事では、ターゲティングやポジショニングとの違いとともに、セグメンテーション分類例活用場面を解説します。

また、セグメンテーション評価する4Rの原則セグメンテーション必要な理由も解説しているので、ぜひ参考にしてください。

この記事で分かること

セグメンテーションとターゲティング、ポジショニングとの違い
セグメンテーションの分類例
セグメンテーションの活用場面

目次

  1. セグメンテーションとは
  2. セグメンテーションが必要な理由
  3. セグメンテーションの分類例
  4. セグメンテーションを評価する4Rの原則とは
  5. セグメンテーションの活用場面
  6. セグメンテーションを実施して効果的な集客を狙おう

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セグメンテーションとは

セグメンテーションとは日本語で「区分」「区分け」を意味します。マーケティング分野においては「市場に存在する不特定多数の顧客をニーズ特性といった切り口で分類し、特定の属性ごとにグループセグメント)を形成する」と定義されています。

市場を細分化してグループ(セグメント)ごとに分類することにより、自社商品やサービスの効果的なアプローチ方法が掴みやすくなります。

セグメンテーションマーケティング戦略全体で捉えると、市場調査を行った後のマーケティング施策を打ち出す前の段階で行います。

セグメンテーション実施後はターゲティングやポジショニングへと進みます。その後、マーケティング施策を打ち出し、実施・分析へと進むのが基本の流れです。

マーケティングフレームワークについては、以下の記事で詳しく解説しています

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ターゲティング・ポジショニングとの違い

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セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニングは、それぞれ以下の役割を持っています。

  • セグメンテーション:市場を細分化する
  • ターゲティング:細分化した市場の中でどの市場を狙うか決める
  • ポジショニング:ターゲティングした市場での自社の立ち位置を決める

この3つの要素をまとめて「STP分析」と呼び、マーケティング戦略を立てる際のフレームワークとして用いています。STP分析については、ぜひ以下の記事も参考にしてください。

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セグメンテーションが必要な理由

マーケティング戦略において、セグメンテーションが必要な理由は以下の通りです。

  • 消費者のニーズの多様化
  • 急速なテクノロジーの進化

消費者のニーズの多様化

従来は消費者のニーズや販売チャネルなどが限定的だったため、対象をそこまで絞らなくても、メディアに不特定多数へアピールを行えば一定の効果が得られていました。

しかし昨今では、消費者のニーズが多様化し、販売チャネルや広告も幅広くなっています。そのため市場をセグメンテーションし、自社の商品やサービスに合うセグメントを絞り出した上で戦略を立てないと効果が見込めません。

セグメントごとに個別のアプローチをするためにも、セグメンテーションを行う必要があります。

急速なテクノロジーの進化

近年では急速にテクノロジーが進化しており、ターゲット層の興味・関心購買行動が簡単に手に入るようになりました。

特にInstagramやFacebookといったSNSは利用者が多く訴求力が高いのに加え、情報収集やデータ分析にも適しており多くの企業が取り入れています。分析したデータをもとに、最適な広告を配信したり、適切なアプローチをしたりすれば効率よくユーザー獲得が可能です。

また、高度なマーケティングを行う企業に対抗するためにも、セグメンテーションを行う必要があります。

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セグメンテーションの分類例

セグメンテーションの分類例は、以下の通りです。

変数の種類 概要 分類具体例
地理的変数
(ジオグラフィック変数)
国・都市・地域など地理的な条件に関する特性 ・千葉県在住
・勤め先が東京都
人口動態変数
(デモグラフィック変数)
性別・年齢・家族構成・職業・収入など、消費者を客観的な特性 ・30代で子2人の夫婦
・50代の独身女性
・年収1,000万円以上
心理的変数
(サイコグラフィック変数)
価値観・嗜好性・性格などパーソナリティに関する特性 ・映画鑑賞が趣味
・お酒を飲む
行動変数
(ビヘイビアル)
ユーザーの行動パターンに関する特性 ・毎月1回の購入が3年続いている
・関連商品の購入履歴あり

地理的変数(ジオグラフィック変数)

地理的変数(ジオグラフィック変数)とは、地理的な特性でセグメンテーションを実施する場合の変数を指します。地理的変数は食料品や電化製品、衣料品といった、気候や生活習慣などにより売上に差が生じやすい商品を扱う際に有効です。

地理的変数ジオグラフィック変数の項目例

  • 世界や日本の地域・地方
  • 気候
  • 都市の規模
  • 文化・生活習慣
  • 宗教

人口動態変数(デモグラフィック変数)

人口動態変数(デモグラフィック変数)とは、性別や年齢など、ユーザーを客観的な属性で分類する際に用いる変数です。ユーザーニーズと関係性が強く、測定が容易なことから、4変数の中では最も幅広いケースで採用されています。

地理的変数と組み合わせて「千葉県在住の年収1000万円以上、子2人の夫婦」などと分類することも可能です。

人口動態変数デモグラフィック変数の項目例

  • 性別
  • 年齢
  • 職業
  • 家族構成
  • 年収
  • 最終学歴

心理的変数(サイコグラフィック変数)

心理的変数(サイコグラフィック変数)とは、価値観・嗜好性・性格などパーソナリティに関する特性で分類する際の変数です。定性的であり絞りにくい変数ですが、SNSなどの普及により以前よりも精度高く分類しやすくなっています。

消費者一人に着目すると掴みどころがなくぼんやりしますが、セグメントで分類すると共通する特徴が浮かび上がりやすくなります。

心理的変数サイコグラフィック変数の項目例

  • 価値観
  • ライフスタイル(喫煙や飲酒の有無など)
  • 性格気質(外交的/内向的、協調的/野心的など)
  • 趣味

行動変数(ビヘイビアル)

行動変数(ビヘイビアル)は、商品・サービスに関するユーザーの行動パターンで分類する変数です。具体的には「1ヶ月以内に商品を購入した」「一定期間内に問い合わせがあった」などです。

SNSや分析ツールなどにより、以前よりも精度高く測定できるようになりました。行動変数を活用して新規顧客とロイヤルカスタマーを分類し、それぞれに合わせたプロモーションを行うなどの展開方法があります。

行動変数ビヘイビアルの項目例

  • 商品・サービスの購買歴
  • 商品・サービスの使用状況
  • 商品・サービスに関する知識

セグメンテーションを評価する4Rの原則とは

セグメンテーションを評価する4Rの原則とは、以下の4つを指します。

  • Rank(優先順位)
  • Realistic(規模の有効性)
  • Reach(到達可能性)
  • Response(測定可能性)

上記4つのポイントを意識し、適切なターゲティング・ポジショニングにつなげましょう。

Rank(優先順位)

Rank(優先順位)では、各セグメントの特徴と自社の経営戦略を照らし合わせ、重要度によって適切な優先順位を付けます。

Realistic(規模の有効性)

Realistic(規模の有効性)では、対象となるセグメントに対して十分な売上や利益を確保できる市場規模があるかを確認します。もし市場規模が小さい場合は売上アップが見込めにくいため、例え自社ユーザーのニーズに合っていても変える必要があります。

Reach(到達可能性)

Reach(到達可能性)は、対象となるセグメントに対して、商品やサービスを届けられるかどうかを確認します。商品・サービスを実際に届けるといった物理的な意味合い以外に、情報を届けるために必要な広告手段マーケティング施策も含みます。

Response(測定可能性)

Response(測定可能性)では、施策実施前は対象市場の規模や特徴など、施策実施後は反応などを測定できるかを確認します。より高い効果を得るためにも、セグメントの規模・購買力・特性などを明確に測定する必要があります。

セグメンテーションの活用場面

セグメンテーションの活用場面としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 商品開発
  • 販売戦略
  • 広告・宣伝活動

セグメンテーションを行えば、セグメントをもとに需要のある商品を開発したり、積極的なアプローチをしたりすることが可能です。ここでは、セグメンテーションの活用場面を詳しく見ていきましょう。

商品開発

セグメントのニーズや課題を把握することで、ニーズを捉えた商品が開発しやすくなります。例えば、購買履歴やアンケート調査などからセグメントのニーズを分析することで、より魅力的な商品を開発できるでしょう。

自社の商品・サービスが受け入れられている層に対して需要のある商品を開発できれば、クロスセルやアップセルも期待できます。

販売戦略

セグメントの購買行動や購買意欲を把握すると、より効果的な販売戦略を策定しやすくなります。その結果、低予算で効率よく売上アップが狙えます。

例えば、購入頻度や購入金額などに基づいてセグメントを行うと、ターゲットに合わせた販売促進策を実施することが可能です。

広告・宣伝活動

セグメントされた顧客層に絞り込んで広告・宣伝を行うことで、広告の費用対効果を高められます。例えば、性別・年齢・地域・興味関心などに基づいてセグメントを行えば、よりターゲットに合った広告を配信できるでしょう。

セグメンテーションを実施して効果的な集客を狙おう

セグメンテーションは企業のマーケティング施策立案において欠かせないもので、商品開発・販売戦略・広告・宣伝活動などに活用できます。自社商品やサービスの適切なターゲットを選定することで、より効果の出る施策を打ち出すことができます。

セグメンテーションの主な分類例は、以下の4つです。

  • 地理的変数(ジオグラフィック変数)
  • 人口動態変数(デモグラフィック変数)
  • 心理的変数(サイコグラフィック変数)
  • 行動変数(ビヘイビアル)

また、セグメンテーションは以下4つの要素から成る4Rの原則によって評価できます。

  • Rank(優先度)
  • Realistic(有効性)
  • Reach(到達可能性)
  • Response(測定可能性)

それぞれの要素で評価しながら、自社の商品やサービスに対して適切なセグメンテーションができているか確認しましょう。ぜひ本記事を参考に、セグメンテーションを実施して効果的な集客を狙いましょう。

▼STP分析の基礎知識も併せてチェック!

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STP分析の解説はもちろん、具体的な例と、STP分析をしてその後にどう繋げていくか?なども解説しています。