3月24日(木)、LINE株式会社主催の「LINE CONFERENCE TOKYO 2016」が開催されました。

LINEは今後5年のミッションとして「 closing the distance(人とあらゆることの距離を短くする)」を掲げ、MVNO事業への参入やLINEビジネスアカウントの新機能リリースなど、今後のモバイルマーケティングを変える可能性のあるサービスを多数発表しました。

今回は、カンファレンスで発表された新サービス関連情報をダイジェスト形式でお送りします。

LINE初のMVNO事業「LINE MOBILE」を発表。月額500円~、LINE、Facebook、Twitterの通信料は無料

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LINE5周年記念プロジェクトとして、MVNO事業への参入を発表しました。「LINE MOBILE」というサービス名で、2016年夏にローンチされる予定です。
「LINE MOBILE」の特長として以下の3点が紹介されました。

1.通信の広さ×安定性

LINE MOBILEはNTTドコモの回線を利用するため、安定性や網羅性など通信の品質は担保されています。

2.価格は最適化

月額500円からの料金プランが用意されており、既存のMVNO事業者と比較しても安価です。

3.UNLIMITED LINE,COM,MUSIC

LINE、Twitter、Facebookの通信料が無料となります。LINE MUSICも無料で利用可能となる予定で、その他の音楽配信サービスも無料利用できるようになる可能性があるようです。

LINEビジネスアカウントリニューアル。3種の新機能追加(クーポンブック、ショップカードリスト、コマース)

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LINEビジネスアカウントも大幅にリニューアルされるようです。
今回、LINEビジネスアカウントで新たにリリースされる機能は3つです。

1.クーポンブック

LINE上で配布・利用できるクーポン機能です。ユーザー情報に合わせたクーポンが自動的にリコメンドされ、お気に入り登録&期限切れ前のリマインド機能も実装される予定です。
企業は自社アカウントのフレンド以外にもリーチできるため、新規顧客獲得にも有効な手段となりそうです。

2.ショップカードリスト

店舗で発行しているポイントカードをデジタル化できる機能です。ソフトローンチから10000件の企業が導入され、既に実績が出ています。場所や店名の検索も可能です。

3.コマース

LINEのTL上で紹介された商品がそのまま購入できる機能です。

広告機能も進化

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LINE内で配信できる広告も一新されます。もはやインフラとなりつつあるLINEならではのデータを活用したよりターゲティング精度の高い広告配信が実現できそうです。
「すべての広告が最適化され、中小でも日常的に使えること」をビジョンとし、以下の3点の方針を強化していくようです。

1.レレバンス

インタレスト×ソーシャルグラフを元に広告配信されます。
使用しているLINEスタンプ、友達、LINE上での番組視聴傾向などを元に配信内容が決定されます。

2.プログラマティック

LINE独自のの運用型広告が提供開始されるようです。
電話番号、メールアドレス、コンタクトインフォ、チャット内容、個人情報などはアルゴリズムの対象にならないとのことでした。

3.リーチ

TwitterやFacebookなどのSNSを使わないけど、LINEは使うというサイレントマジョリティ層に向けたアプローチを強化します。

スポンサードスタンプ(公式アカウントを持つ企業のみが配布できるプロモーション用の無料スタンプ)が中小企業向けにも解放され、クリエイターズマーケットのコミュニティを活用する。
店舗利用のインセンティブなどに有効でしょう。(2016年中にリリース予定)

その他

その他にも様々なサービスのリリースが発表されました。

  • デベロッパー向けのサービスもリリース(bot、Beacon、チャットAI)
  • LINEPaycard(LINEpayと連携。JCBと提携しており、オンライン、オフラインで利用可能。審査不要。LAWSONと提携し、6月目処に全店舗でチャージ可能に)
  • LINE POINT(LINEサービスを利用すると付与される。1ポイント=1円で、1000ポイント単位で現金化できる。amazonなど他社ポイントへの変換も可能。)

まとめ

今回の発表で最も注目されたのは間違いなく「MVNO事業への参入」でしたが、全体的にはLINEのビジネス活用を促進するための新サービスリリースが多い印象でした。
一部大手企業向けに提供されていた機能が一般企業にも開放、運用型広告の提供も開始され、中小企業や個人事業主にも気軽にLINEを活用してもらい、よりインフラ的な立ち位置を強化したいというLINE側の姿勢が見受けられます。

クーポン、ポイントカード、コマースも実装されれば、オンライン上での集客施策をLINEで一元管理できるかもしれません。
より普遍的なサービスへ進化していくと予想されるLINEの動向は今後も注目せざるを得ないでしょう。