13日、14日の2日間にわたり、フィンランド発のスタートアップイベント「slush asia」が幕張メッセにて開催されました。
世界を牽引するIT企業らによるトークセッションやピッチコンテストが行われるほか、企業ブースも多数出展し、熱気に包まれた2日間でした。

今回は、「slush asia」キーノートセッションの1つである、DeNA南場氏とiemo村田氏による「Staying Entrepreneurial」をテーマとしたトークセッションの様子とお届けします。

登壇者紹介

株式会社ディー・エヌ・エー 取締役 会長 南場 智子氏

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1986年、津田塾大学卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。1990年、ハーバード・ビジネス・スクールにてMBAを取得し、1996年、マッキンゼーでパートナー(役員)に就任。1999年に同社を退社して株式会社ディー・エヌ・エーを設立、代表取締役社長に就任。2011年に代表取締役社長を退任。取締役を経て、2015年6月、取締役会長に就任(現任)。
引用:http://dena.com/jp/company/officer.html

株式会社iemo 村田マリ氏

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早稲田大学卒業後、創業期のサイバーエージェントに入社。
2005年、コントロールプラス株式会社設立、代表取締役に就任。
以後9年間、受託制作事業・CGM事業・ソーシャルゲーム事業を展開。
うち2事業をソーシャルゲーム最大手gumi社などへ売却。
2013年12月、iemo株式会社を設立。代表取締役に就任。
引用:https://iemo.jp/

メディアに集中したいから DeNAにジョインした(村田氏)

南場氏:iemoがDeNAに買収されたのはいつでしたっけ?

村田氏:1年半前ですね。

南場氏:そうそう。そしてDeNAにジョインしたんだよね。私が彼女をとても好きな理由の一つに、彼女が簡単にIPOしなかったというのがあります。なぜ売却という意思決定をしたのですか?

村田氏:ペーパーワークをしたくなかったからです(笑)私はメディアに集中したかったので。
逆に南場さんにお聞きしたいのですが、IPOした企業でのCEO業務は楽しいですか?

南場氏:私は楽しんでますよ。ただ、その楽しみは同じでペーパーワークからではなくビジネスの創造から来ています。

DeNAを選んだ決め手は「意思決定の早さ」

南場氏:多くの企業からアプローチがあったと思いますがなぜDeNAを選んだのですか。

村田氏:DeNAは意思決定が早いからです。そして、私はそんなDeNAのスタートアップカルチャーが好きです。
また、DeNAはFacebookのようにハンズオフな経営スタイルなので、そこも惹かれたところの一つですね。

専業主婦になったことがきっかけでiemoが誕生

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南場氏:学校の頃の生活を教えてくれますか。いい子だったのでしょうか。

村田氏:いや、学校には行っていませんでした。高校も中退したので。家にいて本を読んでいました。

南場氏:そうなんですね。学校に行けても本は読めたと思うのですが、なんで行かなかったのですか。

村田氏:私は歴史的な著者になりたかった。

南場氏:大学はどうだった?

村田氏:大学も行かなかったですね(笑)。PCを買ってWebサイトを作っていました。

南場氏:大学に行った後は?

村田氏:サイバーエージェントに入りました。

南場氏:そこで何をしたの?

村田氏:新規事業を6つやりました。

南場氏:何年いたの?

村田氏:3年です。

南場氏:そのあとは?

村田氏:コントロールプラスをつくりました。

南場氏:どんな企業なの?

村田氏:最終的にはゲーム制作会社になりました。ゲーム事業はgumiに売却し、そのタイミングで母になりました。

南場氏:なるほど。そこで一度専業主婦になったの?

村田氏:はい。2年間なりました。ずっと毎日あかちゃんと喋っていたのですが、次第に孤独感を感じてきました。そして、その孤独感からできたのがiemoです。
iemoはお母さんの孤独感に対する解決策なのです。チェックして、家事のノウハウをシェアできるようにしたのです。それにより、お母さん同士が繋がるかなと。

南場氏:なるほど。一度キャリアが途絶えたことによりビジネスが生まれたのですね。
私も夫が病に伏したことにより同じように家庭に入り孤独を感じました。その際、日本の医療に問題意識を感じ、ヘルスケア事業を立ち上げたのです。キャリアの非連続制は必ずしも悪いことではなく、今まで見えてこなかった新しいことがわかるきっかけにもなると思うのです。