代替の読み方は「だいたい」?「だいがえ」? ビジネスシーンで間違えると恥ずかしい誤用漢字まとめ
政治家、アナウンサーといった人達が漢字を間違えて読むと大きな話題になりますが、身近なところでも知らず知らず漢字の読みを間違えて覚えてしまっていることも少なくありません。
それはビジネスシーンにおいても同様です。読み方を間違えてしまうと、恥ずかしいのはもちろん、誤解を招きかねません。指摘してもらえれば問題ありませんが、間違いに気づかずそのまま使っていたなんてことも少なくないはず。
そこで今回は、ビジネスシーンで間違いやすい誤用漢字をまとめました。全部正しく読めるかどうか、ぜひ一度確認してみましょう。
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間違えやすいビジネス向け漢字30選
1.代替(◯だいたい ✕だいがえ)
「代替案」「代替品」のような形でビジネスシーンでもよく登場する「代替」は、本来「だいたい」が正確な読み方です。「替」を「たい」と読む言葉が少ないこと、「大体(だいたい)」と区別がしやすいという理由から「だいがえ」という読み方が定着していきました。
現在はどちらを使っても間違いにはなりませんが、ビジネス上では指摘してくる人もときにはいるでしょう。使い勝手に支障を感じなければ「だいたい」と読むのが無難です。
2.凡例(◯はんれい ✕ぼんれい)
本の巻頭にある編集目的、使い方、方針を記している部分のことです。「凡例」の「凡」という字は「はん」「ぼん」と読みますが、凡才、平凡のように「ぼん」と読む言葉が多いため「ぼんれい」と読んでしまいがち。
口に出す機会が少ないからこそ、間違って覚えやすいのではないでしょうか。
3.相殺(◯そうさい ✕あいさつ)
差し引いて帳消しにするという意味で、「相殺関税」「相殺契約」のようにビジネスでもよく登場する言葉です。「相」の字は「あい」とも読むため「あいさつ」と覚えてしまいがちですが、正しくは「そうさい」です。
ちなみに「そうさつ」という読み方の言葉もありますが、「そうさい」とは用途が少し異なり「お互いに殺しあうこと」を意味しています。「殺」には大きく分けると「ころす」「へらす」の2つの意味がありますが、これらは古代中国語から発音が異なり、日本語でも「ころす・・・サツ」、「へらす・・・サイ」となっています。
普段使用する「相殺」はそうさいと覚えておきましょう。
4.遵守(◯じゅんしゅ ✕そんしゅ)
規則や法律を守り従うという意味の「遵守」は、社内規則で当たり前のように出てくる言葉です。「遵守」の「遵」は音読みで「じゅん」のため、「じゅんしゅ」と読みます。
しかし、尊敬、尊厳といった言葉でよく使う「尊」の字から「そんしゅ」と読み間違えてしまう方も多くいらっしゃいます。なお同じ意味の言葉に「順守」があり、変換時に間違えやすいので注意が必要です。
5.汎用(◯はんよう ✕ぼんよう)
先程ご紹介した「凡例」と少し似ていますが「汎用」も間違いやすい言葉です。「ぼん」と読む「凡」と「汎」がよく似ていることと、凡庸(ぼんよう)という言葉があることも間違えてしまう原因となっています。
「汎用性」「汎用機」というように口に出すことも多々ある言葉ですので、正しく覚えておきましょう。
6.貼付(◯ちょうふ ✕はりつけ)
平仮名と混じった「貼り付け」と同じように「貼付」を訓読みで「はりつけ」と読んでしまう方も少なくありません。「貼り付ける」という意味そのままですので「はりつけ」でも通じないことはないでしょうが、本来の読み方は「ちょうふ」です。
また「てんぷ」という読み方が一般化したため慣例読みになっています。こちらは添えるという意味の「添付(てんぷ)」と間違えやすいので要注意です。
7.早急(○さっきゅう ✕そうきゅう)
文章でも会話でも、ビジネスの幅広いシーンで使うことが多々あるのが「早急」という言葉です。本来の読み方は「さっきゅう」ですが「そうきゅう」と読んでいる人も多くいます。これは「早」を「そう」と読む人が多いためと言われています。
「早速」のように「さっ」と読む言葉も存在しますが、あまり使うことがないことから「そう」をイメージしてしまいがちです。現在は「そうきゅう」という読み方が慣例読みとなっているため間違いではありませんが「さっきゅう」が標準的な読み方です。
8.続柄(◯つづきがら ✕ぞくがら)
多くの人が「続柄」を「ぞくがら」と読んでいますが、正しい読みは「つづきがら」です。後者が正しい理由は「ぞくがら」は音読み・訓読みが混ざっているためで、両方が訓読みの「つづきがら」が正確な読みとなります。
現在「ぞくがら」は慣用読みとして定着しており変換も問題なくできますが、実は知らなかったという方も多いのではないでしょうか。
9.漸く(◯ようやく ✕しばらく)
「漸く」は「ようやく」が正しい読みですが、「暫く」と混同してしまい「しばらく」と読み間違える方がいます。どちらにも「斬」が入っていて字体が似ていますので、読み間違えないように気をつけましょう。
10.事由(◯じゆう ✕じゆ)
物事の理由・原因を指す「事由」を「じゆう」と読みますが、「う」を入れずに「じゆ」と読んでいる人も一部いるようです。正しくは「じゆう」です。
11.完遂(○かんすい ✕かんつい)
最後までやり遂げるという意味の「完遂」の正しい読みは「かんすい」ですが、「かんつい」と間違われることがあります。間違ってしまうのは「遂に」を「ついに」と読むこと、墜落(ついらく)の「墜」と似ているためです。
12.重複(○ちょうふく ✕じゅうふく)
ビジネスでもよく使うことが多い言葉で、読み方に悩んでしまうのが「重複」です。元々「ちょうふく」が正しい読み方ですが、「重」は「じゅう」と読む熟語が多く「じゅうふく」と読む人が増えたため、どちらでも間違いではなくなっています。
とはいえ、読み方が気になるという人も中にはいますので、ビジネスの現場ではどちらを意識するか気をつけたほうがいい言葉です。
13.役務(○えきむ ✕やくむ)
「役務」とは他人のために行う労務やサービスを意味しています。会話で登場することはあまりないものの、契約などでよく見かけます。
「役」は役割、役目というように「やく」と読むケースが多いため、「やくむ」と読んでしまいがちです。正しい読み方は「えきむ」です。
14.雰囲気(○ふんいき ✕ふいんき)
「雰囲気」は、漢字を分けて考えると「ふんいき」が正しい読み方ですが、話し言葉として「ふいんき」と発音する方が多くいらっしゃいます。
誤読の理由には様々な議論がありますが、その一つとして挙げられるのが単純に”発音しにくい”というものです。変換しても探せなかったという人が多い単語としても知られます。
15.年俸(○ねんぽう ✕ねんぼう)
面接などで耳にするのが、「年俸」です。正しい読み方は「ねんぽう」ですが、「俸」の字を「棒」と勘違いして「ねんぼう」と読んでしまうケースも少なくありません。
もちろん「年棒」という表記も誤りですので、読みはもちろんのこと書くときにも十分注意しましょう。
16.約定(○やくじょう ✕やくてい)
取り決めをかわすこと、約束を意味する「約定」は「やくじょう」と読みます。「定」の字を定時、定食と同じように「てい」と読んでしまいがちです。
17.既出(○きしゅつ ✕がいしゅつ)
既に出ているという意味の「既出」は読み間違えている人も多く、ネット上では誤った読みが一つの用語として定着しているほどです。正しい読み方は「きしゅつ」ですが「既」と「概」を勘違いしてか「がいしゅつ」と本気で間違う方もいるようです。
ビジネスでも遭遇する可能性のある言葉ですので、間違って覚えている方は注意が必要です。
18.更迭(○こうてつ ✕こうそう)
「更迭」とは、役職を解き他の人間を充てる人事処置の一つです。正しい読みは「こうてつ」ですが「迭」の字が「送」と似ていることから「こうそう」と誤読してしまうことがあります。漢字の字体も似ているので、書くときにも注意したい言葉です。
19.添付(○てんぷ ✕そうふ)
メールでファイルを送るときに使用する「添付」は普段よく耳にしたり聞くことも多い言葉ですが、中には「そうふ」と読み間違える人もいます。正しくは「添付」と読みます。
20.各々(○おのおの ✕かくかく)
ひとりひとり、めいめい、という意味の「各々」を「かくかく」と読む人がいます。確かに「各」は「かく」とも読む漢字ですが、「おのおの」が正しい読みで「かくかく」とは読みません。文書、口頭での説明で出てくる機会が多く、間違って読んでしまうと恥ずかしい言葉の一つです。
21.暫時(○ざんじ ✕ぜんじ)
しばらくの間、という意味の言葉で「暫時、休憩いたします」のように使います。「ざんじ」が正しい読み方ですが、「漸次(ぜんじ)」に読み方と漢字の字体が似ているため混同している方がいます。
「漸次」はだんだんという意味で、暫時とは意味が異なります。読み間違えて使うケースもありますので、正しく使用できているかどうかにも注意しましょう。
22.脆弱(○ぜいじゃく ✕きじゃく)
「脆弱」は「ぜいじゃく」が正しい読み方です。しかし意識せずに読んでいたり、正しく認識できていない方の多くは「きじゃく」という間違え方をします。これは「脆弱」の「脆」の字と「危(き)」が入っていることが要因の一つです。
23.何卒(○なにとぞ ✕なにそつ)
「何卒ご了承の程よろしくお願いいたします。」のように仕事上でよく出くわす言葉です。正しい読み方は「なにとぞ」ですが、「卒」を「そつ」と読んでしまい誤読してしまう方がいます。
口に出すよりもメールの文章で使用することが多いと案外間違いに気づきにくいため、スピーチなどでは注意しましょう。
24.割愛(○かつあい ✕わりあい)
「時間の都合により割愛いたします」のように、会議などで頻繁に登場する単語です。本来の読みは「かつあい」ですが、中には「わりあい」と誤読する方もいるようです。
「わりあい」と読む単語には「割合」があり、間違えてしまうと恥ずかしいだけでなく相手に意味が正確に伝わらなくなりますので気をつけましょう。
25.破綻(○はたん ✕はじょう)
「経営破綻」のように使う「破綻」は、ビジネスの場でよく出てくる単語です。「はたん」と読みますが、「綻」が「錠」と非常に似ているため「はじょう」と誤読しがちです。先程ご紹介した「補填」と同じく漢字が似ているので気をつけましょう。
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