マーケティングを行うときに役立つフレームワークに「マーケティングミックス」と呼ばれるものがあります。マーケティングミックスは4Pありましたが、最近は5つめのPが加わり「5P」になりました。

今回はマーケティングミックスの5Pの意味と、このフレームワークを使うべき場面やポイントを解説します。

マーケティングミックス4Pとは

マーケティングミックスとは、様々な要素を組み合わせて考えるマーケティング戦略のこと。その中でも特に具体的なアプローチを決める「実行戦略」のことを指します。

マーケティングミックスにはそれぞれの要素の頭文字を取った4つのPがあります。

製品（Product）：ターゲットに与えられる価値（＝製品コンセプト）を決め、それを実現するための生産技術やコンセプトに合ったパッケージデザイン、サービス内容を決定する。

価格（Price）：顧客層の価格相場やライバルとの比較、コスト、ブランド価値などから、どれくらいの価格で販売するのが適正かを考える。

流通（Place）：店舗か？通販か？またはどの地域か？限定的かまたは幅広く販売するのか？など、その製品を販売する流通チャネルを決める。

プロモーション（Promotion）：製品を売る、またはニーズを生み出すためには、顧客層に対しどのような訴求を行っていくのが最適かを考える。

マーケティングミックス4Pは、マーケティング戦略を考えるうえで基本かつ重要なことです。まずはこれらの意味をしっかりと押さえておきましょう。

参考：
【コラム】マーケティングミックスとは？マーケティング実行戦略の基本を学ぶ｜ProFuture

5つ目のPとは

従来のマーケティングミックス4Pに新たな1Pが加わったことで5Pとなりました。しかし5つ目のPは固定ではなく、提唱者や利用シーンによって異なります。ここでは、よく使われているものを3つ解説しましょう。

参考：マーケティングにおけるマーケティングミックス「5P（4P+1P）」とは｜リクナビNEXTジャーナル

People（人々）

人々とは製造や販売に関わる人、顧客、ステークホルダー（利害関係者）などを指します。

マーケティングプロセス（後に解説）の中で顧客についてしっかりと検討を重ねる段階があるものの、マーケティングミックスを考える中で改めて顧客以外の関係者についてしっかり見直す必要性があるとされ、5Pの中に加えられました。

当然コストの中には人件費もありますし、ステークホルダーも無視はできません。このような点を考慮しながら、実行戦略を考案します。

Popularity（大衆性・人気）

大衆性とは「多くの消費者が受け入れやすいかどうか」ということです。ニッチな市場を狙ってニッチな製品を販売するのもいいですが、長くヒットする製品ほど大衆性があると言えます。

顧客に長く愛用され続けること。それは顧客ごとのLTVを向上させて利益を出し続け、企業を長く存続させることでもあるのです。

そこでPopularityが5つめのPに加わり、Promotionと共に顧客への訴求方法について深く検討されるようになりました。

Process（業務プロセス）

2017年から2018年にかけて日本でクラフトブームが起きました。クラフトとは「手作り」を意味する言葉で、従来の製品にはない手作りの暖かみがヒットしたのです。

参考：
思わず手に取るクラフト感！クラフトブームが沸き起こった背景とは｜ferret

このクラフトブームが意味するのは、顧客は製品そのものだけでなく業務プロセスにも注目し始めているということ。国産にこだわる人が多いのも同様です。

クラフトブームは一例ですが、どの製品に対しても顧客は「質の高いもの」「より良い経験を得られるもの」を求めています。業務プロセスを改めて考えることで、製品に付加価値を付けられるのです。