自身が営業をしている時は成果が出たのに、部下の営業成績が上がらないという悩みを抱えている指導者は少なくないのではないでしょうか。自身が培った営業スキルを伝えたにもかかわらず、部下が思うように動いてくれないということは往々にしてあるものです。

今回は、営業経験が全くない人々にトレーニングを実施し、数年で会社を1000人規模になるまでに育てたジョーダン・ベルフォートが考案した「ストレートライン・システム」をご紹介します。

彼は、自身が無意識に行っていた営業テクニックを言語化し、部下に伝え会社を大きく成長させました。是非自身の営業活動や部下の営業活動の参考にしてみてください。

ストレートライン・システムとは

ストレートライン・システムはジョーダン・ベルフォートが考案した営業テクニックで、彼の半生が描かれた映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート』でも披露されています。

ジョーダン・ベルフォートは、*「トナリティー(声の調子)」と「ボディ・ランゲージ」*が営業において大変重要であると明言し、そのテクニックを「ストレートラインシステム」と命名しました。

参考:ウォール街の狼が明かす ヤバすぎる成功法則
参考:ウルフ・オブ・ウォールストリート

第一印象は言葉・トナリティー・ボディランゲージで決まる

コミュニケーションは、「言葉」「トナリティー(声の調子)」「ボディ・ランゲージ」の3つの要素から構成されています。ジョーダンはそれぞれの重要度を以下のように定義しました。

【コミュニケーションに影響を与える3要素の重要度】
・言葉 9%
・トナリティー(声の調子) 50%
・ボディ・ランゲージ 41%

もちろん例外もありますが、多くの場合においてトナリティーとボディ・ランゲージは大きな影響力を持ちます。例えば、「ご丁寧に対応いただきありがとうございます」という言葉一つとってみても、言い方によっては嫌味を含んだ言い方になっている場合があります。

今一度「言葉」「トナリティー」「ボディ・ランゲージ」の3つの要素全てに気を配れているか意識してみましょう。

トナリティーをコントロールするなら、自分の声色の変化を自覚

人間は、誰しも日常的にトナリティーを無意識に使い分けています。話す内容によって声の調子が変わる経験は、誰しもあるのではないでしょうか。

人間のトナリティーは、少なく見積もっても29種類の音節が確認されています。それらを全て理解する必要はなく、普段無自覚で使っている声の調子を自覚し、意識的に使いこなせるようになれば良いのです。

もし自覚がなければ、自身の好きなものについて語るロープレをするのもオススメです。お気に入りのお店・好きなアーティスト・自身の得意分野について話している時どのような口調になっているか、録画をして一度客観的に見てみましょう。声には力が入り、笑顔で、熱意の込もった話し方をしているのではないでしょうか。

自社商品についてそのように話せるようになれば、お客様にもその良さが伝わりやすくなります。

トナリティーの効果を倍増させるボディ・ランゲージ

言葉づかいやトナリティーを意識していても、ボディ・ランゲージまで意識していなかったという方は多いのではないでしょうか。ボディ・ランゲージとは、「立ち居振舞いやジェスチャー、空間の使い方」を指します。商談中に気をつけたいものとしては、以下のものが挙げられます。

・姿勢
・笑顔
・アイコンタクト
・相槌
・ジェスチャー

参考:ボディランゲージで失敗しない18のコツ 足は組まずに少しだけ開く Livedoor* NEWS

たとえ電話でやりとりをしている時も、どう身体を動かすかは声色に出てしまいます。対面・電話関係なく、顧客と会話する時は意識するようにしましょう。

「台本」を作ってストレートライン・システムを最大限活用する

営業において、台本を用意することは非常に重要です。テレアポであれ、対面であれ、あらかじめ台本を作っておくことで全体の流れを予測しやすくなります。

たとえどのように商談が進んだとしても、何を伝えれば良いか自身で自覚できるため、確信を持って発言をすることができるようになるでしょう。

また、台本があれば商談中「言葉」について考える時間を減らせます。コミュニケーションの大半を占める「トナリティー(声の調子)」と「ボディ・ランゲージ」に注力できるため、より相手に自身の思いを伝えやすくなります。商談に行く際は台本を作り、あらかじめロープレをしてトナリティーとボディ・ランゲージの練習をして行きましょう。

自身はもちろん、部下の育成にも役立つ

営業を行うのであれば、商品知識を身につけることは大前提です。しかし商品知識があるのにも関わらず、成約になかなか結びつかないということもよくあります。

今回ご紹介したストレートライン・システムは、日頃の練習を重ねることで誰でもできるようになります。
自身の営業活動や、部下の商談練習の際に是非取り入れてみてください。