ホームページ運営に携わっていると、よく「IPアドレス」という単語を見聞きするのではないでしょうか。
「ホームページにアクセスしたユーザーの情報がわかるらしいけれど、実際はどの様なものなのかよくわからない」というWeb担当者は少なくないでしょう。

今回は、IPアドレスの役割と混同しがちなURLとの違いを解説します。
よく使う単語なので、その分、意味を理解すれば様々な場面で使うことが可能です。
ネットワークの仕組み自体にも関わることなので、この機会にきちんとその意味と仕組み、混同しがちなURLとの違いを押さえておきましょう。

IPアドレスとは

IPアドレスとは、ネットワーク上の機器に割り当てられた識別のための番号を指します。
「123.456.7.89」 というように、数字を「.(ドット)」でつないだ形で表されます。
よく「ネットワーク上の住所」と説明されます。

「ネットワーク上の住所」であるIPアドレスは、情報の送信者と受信者の所在を明確にする役割を持ちます。

例えば、何か荷物を郵送しようとした時、「ご依頼主」と「お届け先」の項目は、ほぼ必ず伝票に記入します。
それと同じようにネットワークにおいても、情報を届ける時には依頼主と届け先の情報(IPアドレス)が必要となるのです。

パソコンなどの情報機器を購入した際は、ブラウザと契約した時点で自動的に付与されますし、サーバーが開設されるとサーバーにも付与されます。
そのためサーバーと接続しているホームページにもIPアドレスが存在します。

URLとの違い

「ホームページにもIPアドレスがあるなら、アクセスするためにあるURLは必要ないじゃないか」と感じた方もいるかもしれません。
確かにURLとIPアドレスはともに「ネットワーク上の住所」と説明されるため、わかりづらく感じます。

実際、URLとIPアドレスのどちらを入力しても特定のホームページを表示させることができます。

URLは人間向け、IPアドレスはコンピュータ向け

URLが「東京都千代田区一番町17-6」という住所の表示だとすれば、IPアドレスは「緯度: 35度41分10.532秒 経度: 139度44分25.647秒」という表示のようなものだと認識するといいでしょう。
共に同じ場所を指し示していますが、表記は全く別のものです。
URLは、人が操作しやすく、文字列として理解できるようになっています。IPアドレスは、パソコンが操作しやすいよう二進法というプログラミング言語で表されています。

URLは細かな「住所」まで指定できる

IPアドレスの場合、入力したらホームページトップページが表示されるのに対し、URLトップページだけでなく、それ以外の下層ページも表示させることが可能です。

ferretの場合、TOPページURLは「https://ferret-plus.com/ 」で、それ以外の下層ページも「 https://ferret-plus.com/news 」や「 https://ferret-plus.com/marketing_journeys 」と入力することで呼び出すことができます。

先に挙げた例でいうと、IPアドレスは「緯度: 35度41分10.532秒 経度: 139度44分25.647秒」と地理的な位置情報を示すのに対し、URLは「東京都千代田区一番町17-6 一番町MSビル1F」のように住所の細かい部分まで特定できます。

IPアドレスからユーザー情報を取得できる

一方、IPアドレスも活用する手段があります。
Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールでは、IPアドレスを元にホームページを訪れた利用者の情報を集めています。

IPアドレスには、「グローバルIPアドレス」と「プライベートIPアドレス(ローカルIPアドレス)」の2種類が存在します。
先ほどの例えで言うと、公にしている会社の住所がグローバルIPアドレスで、社内で郵便物をわける時に使う部署名がプライベートIPアドレスです。

IPアドレスで取得できる情報は?

ただし、プライベートIPアドレスは一般には公開されていないため、企業内でどの部署の誰が利用しているのかまでは特定できません。
個人情報を保護するため、利用者の位置情報、名前、年齢などは知ることができないので注意しましょう。

この機能を利用して自社のホームページにアクセスした企業を特定し、企業に直接アプローチをかけるためのツールもあります。
もし興味があるようなら検索するのもいいでしょう。

また、Googleアナリティクスを利用する際、自社のIPアドレスを除外することで、関係者のホームページの閲覧データを解析から除き、解析の精度を上げることもできます。