「イングレス」と「ポケモン」が融合し「ポケモンGO」に

野村氏がポケモンチャレンジを進めている同時期に、Googleアースの前身サービスであり、Googleが買収した「Keyhole」の共同設立者であるジョン・ハンケが、Google社内ベンチャーとしてNiantic(ナイアンティック。当時はNiantic Labs)を創立しました。

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「Nianticは「adventures on foot with others」人を外に連れ出したいという理念を掲げています。この理念を実現するためにNianticは作られました。

「人を外に連れ出す方法は色々あると思うんですが、ジョンが考え出したのはゲームでした。
子供が家から離れずゲームばかりやっているのを見て、外でできるゲームを作ればいいんじゃないかと思い立ったんです。」

そこからイングレスがリリースされ、ただ外に出るだけでなく、ポータルに集った人たちがコミュニケーションを取れる仕組みを作りました。

2つのチームに分かれて、現実世界に点在しているポータルを取り合うというシンプルなルールで進めすイングレスは、ローンチして3年経過し、現在までに15ミリオン以上ダウンロードされています。

「僕がポケモンチャレンジをやっているときNianticCEOのジョンがこれはおもしろいと思ったみたいで。
ポケモンとイングレスがコラボしたらもっとおもしろいんじゃないかと。
僕の世代はポケモンをやりながら育ったと思うんですが、皆さんも妄想しますよね。
自分をサトシにたとえて、カスミと一緒にポケモンをゲットしてくという。
ジョンからの提案を聞いた時、まさしく子供の頃の自分が欲しがっていたものだと感じました。

株式会社ポケモンにもお話したら、CEOがイングレスレベルの最高値にあっという間に到達するほど楽しんでくれた。
ジョンからもポケモンからも是非一緒にということで、Nianticに移りました。」

ポケモンGOは現実世界にいるポケモンを捕まえるという世界をARで表現したゲームです。
水辺には水ポケモン、芝生には草ポケモンというように、ポケモンの属性が似た場所に出現するようになっています。

自分で「この場所にはこのタイプのポケモンが出るかな」と推測しながら進めることができます。

ポケモンGOで「41.4日寿命がのびる」という調査データも

現状500万ダウンロードを突破しているポケモンGOは、通常のアプリとは違う指標を持っています。

アプリの指標は様々ありますが、私たちの場合、独自の指標があります。

"46億km"

これはポケモンGOのユーザーが歩いた距離です。
地球から冥王星ぐらいまでですね。
それだけの距離をポケモントレーナーが歩いています。」

スタンフォード大学と Microsoftの調査では、ポケモンGOを続けていると、41.4日寿命が延びるというデータが出ています。
また、あるユーザーはポケモンGOをプレイ開始して数週間で約10ポンド(約3~4kg)痩せました。

外に出るだけでなく他ユーザーとの交流を生み出す

Nianticは、ポケモンGOやイングレスのように人を外に出すゲームを「Real world game」と定義し、内にこもるのではなく、リアルな場に出向き、他ユーザーとの交流を生み出すきっかけを生み出しています。

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「ポケモンGOをリリース直後、ユーザーが自発的にイベントを開きました。
オーストラリアで3,000~4,000名ほど集まりました。

サンフランシスコでも1万人が集まるイベントがありました。
知らない人が見たらデモに見えるかもしれない規模です。
ただ、デモと違うのはみんなが笑顔だということです。
みんなで歩いてポケモンを捕まえるという体験はとても楽しくて特別なものでした。」