SNSを活用してリアル店舗への誘導やセミナーへの参加募集など、特にFacebookの口コミ効果を狙った飲食店や企業、団体の姿をよく目にします。

例えば、ブログのフォロワーが数十万人クラスの有名ブロガーに商品を「自分で購入した体」で使ってもらい、その写真や感想などをクローズアップしてユーザーへ訴求する、という手法がその一つです。
しかし、気を付けなければならないのが、こうした中にユーザーを騙すような、悪質な企業、団体が存在することです。

最近ではユーザーも知識を付けて賢くなり、そういった類の手法を見破って、コアなファンなど一定の層の購買欲しか駆り立てられなくなっているようです。しかし、そうした手口・手法からきちんと知識を付けて騙されないように自らも注意しなければなりません。

そこで今回は、横行する悪質な手法を用いて「いいね!」数を獲得するからくりについて学び、きちんと本質を見抜ける力の習得を目指します。そして、その上で「いいね!」数を増やす正しい手法を解説します。自らを守る意味でもSNS運用を担当される方は、ぜひ一読ください。
  

Facebookの実情と注意すべき事象

Facebookのアクティブユーザー層は実名制かつリアルな友人関係が特徴です。
しかしながら、すでに若年層がFacebookから離れつつあり、2020年頃にはメインユーザー層が中高年になる、と予想されています。

現在のグローバルユーザー数

・ 17億1,000万人(2016年6月30日時点)
・ 国内ユーザー数
・ 国内:2,400万人(2015年3月時点)
・ メインとなる属性は
・ 20代~40代の男女

Facebookの最大な特徴は、ほとんどのユーザーはリアルな実名や経歴を基本データとして登録し、友達申請や仲間づくりもリアルな関係で成り立っていることです。

したがって、そのリアルな友人が使っているものや話していることが信用できる情報として認識され、口コミの効果は相当な影響力を持ち、そのため、情報の確かさや人気の高さのバロメーターが「いいね!」数で判断される傾向があります。

そこで投稿する側としても、情報を受け取る側としても注意しなければならないのが、こうした点をついた悪質な企業や団体の存在です。事実、この「いいね!数」というマジックナンバーを悪用し、怪しげな会員ビジネスが最近増えてきています。

そこで下記より、友達が増えるとか集客できて自分のお店が儲かるなどという巧みな言葉で「いいね数」をエサに、会員に勧誘して法外な会費を集めている悪徳業者について紹介します。
  

事例|要注意!「いいね!」数を売り文句にしたビジネス

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友人から某団体主催のイベントに誘われた方の話

こちらは、あるユーザーが社団法人、NPO法人などと一見きちんとした組織が運営しているかのように謳い、安心感や信頼感を抱かせて身近な友人からセミナーや表彰式へ誘われた、という話です。

そのイベントでは、「1,000いいね!」獲得を達成したメンバーの表彰式の模様を招待した「未来のユーザー候補の方」に対してリアルに見せることで安心感、期待感を与え、「みんなが真剣にやっていて、こんなに儲かるのか」という思いを芽生えさせるそうです。事実、この方もそうした思いが脳裏をかすめたそうです。

さらにイベント内では、プロジェクターに映し出されたFacebookにその場で投稿し、わずか数分間で、200いいね!、コメント5、シェア5件を獲得したことを見せて、来場者に強烈な印象を与えていたといいます。

そして、表彰式後に行われて懇親会に無料で招待され、その場で受賞者から直接話を聞くことでに完全に信じてしまい、会場内のフレンドリーな雰囲気にも背中を押される形で「会員になってもいいかな」……という流れで最終的に会員になってしまったと言います。
  

「1,000いいね!」をエサに人々を囲い込むカラクリについて

ここからは、一体どのようなカラクリで「1,000いいね!」を囲い込んでいたのか、について解説します。

「1,000いいね!」ビジネスの人々を囲い込むカラクリ

1. 数十人いるチームのキーパーソンに友達申請して友達になる。
※このキーパーソンは講師で、ネタの拡散力や影響力のある人

2. 次に友達になったキーパーソンの名前を出して「◎◎さんのFacebook友達の▲▲です」とメッセージを送り、友達を増やす
※ もちろん誰でも良いわけではなく、毎日大量の「いいね!」を押してくれるアクティブユーザーのいるグループの人達を中心に選ぶ

3. 通報やアカウントを剥奪・停止されないように、同じ時間帯に花や猫など当たり障りのない写真を添えて「おはようございます」で始まる投稿をしている人は要注意

4. Facebookには友達申請に関して上限数があります。1日平均「100いいね!」を獲得するユーザーは1日100人程申請しても問題ない、というように「いいね数」に比例

5. キーパーソンは友達の総数を隠し、共通の友達だけ表示できるように設定している。5,000人など、あまり多過ぎる友達数では業者っぽく見られてしまうので気を付けたい

以上のような内容をイベント時に説明しているようです。

ただし、このような手法を用いて実現できた「1,000いいね!」に何の価値があるのでしょうか。
もちろん、何も価値がありません。これは全くマーケティングとは無縁のものです。

そして、こうしたイベント(主催する団体)の目的というのは、純粋に「いいね!」を獲得するノウハウを教えるのではなく、単なる会員を集める金儲け商法なのです。
要するに、セミナー代の80%はセミナーに1人連れてきた紹介者報酬で残りが講師が受け取ることになっていて、100人ぐらい集まられれば講師には1,000万円近い報酬が手に入るので、熱心に勧誘活動することになります。

そして自分が受講者から講師になるために「1,000いいね!」を獲得し、さらに階層の上位になる……という仕組みとなっています。

ぜひ皆様には下記にあるような手法を参考に、本来あるべき正当なやり方で確実にFacebookの「いいね!数」を増やしてみてください。