ソーシャルビジネスの事例

1.グラミン銀行

1983年、バングラデシュに創設されたグラミン銀行は「マイクロクレジット」という、農村部の貧困層を対象にした無担保融資システムを導入しました。

貧困層を対象にしながらも2%という極めて低い貸し倒れ率により、事業としての継続性も高いのが特徴でしょう。

「マイクロクレジット」では女性のみで構成された5人グループに対して、融資を行っているのがポイントです。これにより連帯責任が生じ、相互互助が促進されることで返済が進みました。

この功績が高く評価され、グラミン銀行創始者ムハマド・ユヌスは2006年にノーベル平和賞を受賞しています。

参考:
[グラミン銀行はなぜ貧困を減らせたのか?|日経ビジネスONLINE]
(http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20080924/171523/?rt=nocnt)

2.まごの店

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http://trendy.nikkeibp.co.jp/atcl/pickup/15/1008498/030400188/?rt=nocnt

「まごの店」は三重県立相可高校食物調理科が運営しているレストランです。
農産物直売所「おばあちゃんの店」の前に出店した調理実習施設が始まりであり、『高校生レストラン』というドラマのモデルにもなりました。

このソーシャルビジネスが注目される理由は、高校生の経営するレストランから地域や行政・企業をも巻き込む大きな影響をもたらしたところでしょう。

「まごの店」の卒業生が中心となって運営している(株)相可フードネット「せんぱいの店」では、大手スーパーマーケット店内で惣菜を提供するビジネスを展開しています。
また、同校の生産経済科では、地元企業の万協製薬とコラボして「まごころteaハンドジェル(まごジェル)」を開発、「せんぱいの店」で販売を行いました。

この「まごころteaハンドジェル(まごジェル)」を含むシリーズは、毎年1品ずつ製品化され、5年で1億円もの売り上げをあげています。

高校生のレストランから、(株)相可フードネットを通した若年層に対する雇用創出地元コラボによる地域商品の販売知名度の向上による観光客の増加など、複数の社会的価値が生まれている好事例と言えるでしょう。

参考:
ソーシャルビジネス・ケースブック|経済産業省

3.株式会マイファーム

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http://myfarm.co.jp/

株式会社マイファームは耕作放棄地を利用した貸し農園事業などの農業関連ビジネスを展開している企業です。

耕作放棄地とは「以前耕作していた土地で、過去1年以上作物を作付け(栽培)せず、この数年の間に再び作付け(栽培)する考えのない土地」を指し、平成22年には、埼玉県の面積にも相当する39.6万ヘクタールが確認されています。

耕作放棄地は病害虫・鳥獣被害の発生、雑草の繁茂など様々な問題を引き起こしているだけでなく、土地が一度荒れてしまうと元の農業用地に回復するまでには大きな手間がかかるでしょう。

株式会社マイファームでは都市近郊の耕作放棄地を農家から借り、都市部の住民への貸し出しを行っています。
野菜の作り方をインストラクターに教えてもらえるので、庭付き物件の少ない都市部の住民でも手軽に農業を始めることができるでしょう。

耕作放棄地の有効活用につながるだけでなく、地産地消よりもさらに進んだ「自産自消」の仕組み作りに貢献しています。

参考:
耕作放棄地とは|千葉県