ビジネスと問題解決は、切っても切れない関係にあります。それは新しいサービスや企画、商品開発など、大小関わらず問題を解決するところにビジネスチャンスがあるからです。

しかし、いざ問題を解決しようとしても、その解決策を見つけることは容易ではありません。解決策を見つけるためのフレームワークは多々ありますので、フレームワークに沿って考えを深めていくことで解決の緒を見つけやすくなります。

今回は、問題解決を行う手段のひとつである、フィッシュボーンの使い方についてご紹介します。

頭の中で考えているだけよりも図を使用して問題の原因や解決策を視認することで、整理しやすくなり最適な解決策を見出しやすくなります。さまざまな場面で使用できる手法ですので、まずは本記事を参考に一度試してみてはいかがでしょうか。

フィッシュボーンとは

フィッシュボーンとは、1956年に化学工学者である石川 馨(いしかわ かおる)氏が考案した、問題解決を視覚的に行う手法です。作成後の図が魚の骨に似ていることから呼ばれます。

考案当初は製造業で起こりうる問題の、原因の特定と対策手法を検討するためのものとして活用されていましたが、現在では製造業に限らずさまざまな問題の解決策を探るために使用されています。

フィッシュボーンを使用すると、問題に対して影響を及ぼしている要因(原因)との関連性を整理することができるため、解決までの計画もたてやすくなります。

フィッシュボーン図のテンプレートのダウンロードはこちら

フィッシュボーンを使用するメリット

フィッシュボーンを使用すると、解決したい問題に対して、組織やチームの中で明確になっている原因はもちろん、まだ見えていない原因を明確にすることができます。

その他、主に以下の3つのメリットがあります。

  • 課題を洗い出し、先入観を捨てて解決
  • 問題解決の最適な方法を明確にできる
  • 原因、解決方を視認できるため、組織やチームで共有しやすい

解決したい問題については組織やチームで共有されていても、問題に対する原因や解決法については人によって捉え方が異なるケースもあります。
フィッシュボーンで原因・解決法を明確にして共有しておけば、あいまいなまま業務を進めることを防ぐことができます。

フィッシュボーンを作成する4段階

fishborn.png

フィッシュボーンは、大きく分けて4つの段階を経て作成します。流れに沿って図を作成することで問題解決につながります。

1.解決したい問題(背骨)

まずは、フィッシュボーンを使用して解決したい問題を1つ決定します。ここは、フィッシュボーンを作成する際の背骨となる要素です。

2.すぐに思いつく問題の原因(大骨)

1.で決定した問題に対する原因を書き出します。ブレインストーミングなどを活用して、現在表面化している、問題に対する主な原因を書き出すことがポイントです。
原因の細分化はこの後の作業で行いますので、時間をかけずに思いついたことを挙げてください。

大骨の要素を書き出す際は、4M(Man、Machine、Method、Material)をベースに検討することがポイントです。ここは、フィッシュボーンを作成する際の大骨となる要素です。

・Man=人
・Machine=設備など技術面でのツールや環境など
・Method=方法
・Material=CMSなどビジネス面でのツールや手段など

4Mを意識しながら要因を洗い出すと整理しやすくなりますが、言葉にとらわれずに、解決したい問題に合わせて柔軟に考えることが重要です。

3.問題の原因の分解(中骨・小骨)

次は、2.で洗い出した主な原因を深掘りしていきます。原因の解決策が具体的に思い浮かべられるレベルまで深掘りしましょう。

ここでオススメなのが「なぜなぜ分析」です。

なぜなぜ分析は、大手自動車メーカーのトヨタが実施している「1つの事象に対して5回の”なぜ”をぶつける」という発送方法です。なぜなぜ分析の詳しい行い方は、以下のferret内の記事にてご紹介していますので、参考にしてみてください。

参考:
使わないなんてもったいない!アイディア出しから思考の整理まで!最強フレームワーク8選|ferret

この分析方法を用いて、フィッシュボーンの中骨・小骨を作成していきます。

4.主要因を洗い出す

2、3で洗い出した問題の原因の中から、特に問題解決に直接影響を与えると考えられる要因を決めて赤など色を使って識別していきます。
どの原因に印をつけるのかを検討する際にも、ブレインストーミングを使用すると決めやすくなります。