デザイナーの皆さん、こんにちは。
突然ですが、デザイナーの皆さんはGitGitHubを使っていますか?

GitやGitHubは、プログラマーやエンジニアには非常に人気のあるバージョン管理プラットフォームです。
公開されているソースコードを閲覧したりSNSの機能も備えているので便利なのですが、やはり一番便利なのは、複数人でコーディングを行うときに同じファイルのたくさんのバージョンがあれば、差分を検知してマージ(統合)することができる点です。

GitやGithubはグラフィックファイルをアップロードして管理することもできます。
ところが、プログラミングで使用する基本的に文字の羅列であるバイナリーファイルとは違い、グラフィックファイルは随分と勝手が違います。
テキストと違って差分を検知してマージすることが難しく、3つ以上のバージョンがあるときにはなおさら大変になります。

今回は、デザインに特化したバージョン管理システム「Abstract」をご紹介します。
UI/UXデザイナーやイラストレーター、フォントデザイナーなど、デザインに関わる仕事をしている方であれば、Abstractについて知っておいて損はないでしょう。

デザイン版バージョン管理システム「Abstract」とは?

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Abstractは米国 Elastic Projects, Inc. が提供しているWebサービスです。
このサービスはいわば「デザイナー向けのGitHub」といったところで、Gitの仕組みを利用して、デザインデータ(現在は.sketchのみ対応/.psdや.aiも今後対応予定)に対してブランチを切ったり変更をコミットしたり差分をマージすることができるようになります。
アプリケーションは現在Mac版のみリリースされていますが、今後別のプラットフォームでも使えるようになる可能性もあります。

参考:
Photoshopに迫る勢い!デジタルデザインツールSketchが海外で人気になっている7つの理由

2017年4月1日現在、まだ正式リリースはされておらず、Private Alphaに登録して順次招待されたユーザーから利用することができます。
招待状ウィッシュリストから毎週決められた人数に送られてきますので、まずはウィッシュリストに登録しておきましょう。

AbstractとGitの共通点と相違点

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AbstractはGitと同じようにどんなブランチのステータスであっても操作することができ、コメントを残したりファイルを開いたり、編集してマージを行うことができます。
また、Abstractを使えば、プロジェクトのタイムライン全体で行われた変更を、コミットの履歴を通してアートボードやシンボルで確認することができます。
そして、他のバージョン管理ソフトと同じように、コミットされた古いファイルを開いたりして、過去の変更まで遡ることができます。

またGitと同様に、Abstractでも全てのデータがローカルに保存され、プッシュしてクラウドに保存します。
Abstractでは、ブランチを切ったり、ファイルを編集したり、コミットやマージをするのはオフラインでもできるようにサポートされています。

AbstractとGitの大きな違いのひとつは、Abstract上ではコマンドラインを触ることはないという点です(デザイナーにとっては分かりやすいメリットになるかもしれませんが、Gitコマンドに慣れている人にとってはデメリットに感じるかもしれません)。
いずれにしても、AbstractはデザイナーがGitを使うことのデメリットを排除して、チームでの作業を行いやすくなっています。

チーム戦でこそ役立つAbstract

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もしSketchをチームで使っているのであれば、ぜひAbstractを今からでも取り入れてみましょう。
理由を箇条書きで挙げるだけでも、これだけのメリットがあります。

  • 同じファイルを同時に編集することができます。
  • 差分を確認して、どちらのファイルを使うかを後から決めることができます。
  • マスターファイルのたくさんのブランチをマージすることができます。
  • チームでの作業中にコメントを残したり提案したりして協業することができます。
  • ファイルを開いたり、デザインを編集したり、上書きしたりしたときに、タイムライン全体でバージョン履歴を残すことができます。
  • 安定した最新のマスターファイルを保持することができます。
  • 作業中にチケットを切ることでお互いの作業のステータスを知ることができます。

Bitbucketのようなツールを使ってもバージョン管理を行うことはできますが、チケットを切ることができずここまで効果的にグラフィックのバージョン管理を行うことは難しいでしょう。
Abstractは、こうした特徴によって、チームで行なっていたデザインワークフローの課題の解決策となります。

その反面、「どの粒度でブランチを切るか」「ブランチの命名ルールはどのように運用するか」「コミットメッセージの記載ルールはどうするか」といった運用に関する課題が生まれるかもしれません。
事前にある程度の運用ルールをデザイナー側で考えておくとよいでしょう。

まとめ

以前から「エンジニアのようにデザインデータもGitHubのようなところで管理したい」と感じていた人には、Abstractはまさに使いやすいツールになり得るのではないでしょうか。
Private Alpha版のリリースからまもなく半年が経とうとしていますが、正式リリースが待ち遠しいですね。

Abstractは、こちらでサインアップすることができます。
https://www.abstractapp.com/