"北京で銅"と"リオで銀" なぜメダルを獲得できたのか?「陸上競技4×100mリレー」から見るチームビルディングのヒント【スポーツ×ビジネス】
突然ですが、皆さんは職場で実力を発揮できていますか。自分らしく振る舞えていますか。楽しめていますか。
「思うことがあったとしても、我慢することが立派なチームワークだ」「チームが平和であるためには、黙って足並みを揃えておくべきだ」「あまり目立ち過ぎない方が身のためだ」など、様々な理由で本音を隠していませんか。
自分らしさを出せず、チームに対して違和感を持っていませんか。
長年の社会人生活の中で、いつしかその違和感すらも常態化してしまい、割り切った諦めの気持ちで仕事をしていませんか。
ひと息つく暇もなく、次から次へと新しい目標やノルマが提示され、どれだけ頑張っても終わりの見えない働き方に対し、あれこれと考え出すと複雑でやり切れない気持ちになってしまうこともあるはずです。
そんな中、感情を無にすることが唯一長続きする方法だと思い、毎日淡々と働いていませんか。
冒頭から、たくさんの質問をしてしまいましたが、これらに当てはまる方々に、ぜひとも読んでいただきたいのが本記事です。
今回は、北京、リオデジャネイロオリンピックでメダルを獲得するという偉業を成し遂げた"陸上 男子4×100mリレー"日本代表がチームワークをどのように構築したのか、という点から、ビジネスにおける組織づくりのヒントを探っていきます。
ぜひ、皆さんの普段の業務をよりスムーズに、効率よくするためにお役立てください。
世界を驚かせた陸上 男子4×100mリレー日本代表チーム!そこから見えたチームビルディングのヒントとは
「十人十色」の言葉どおり、人は皆、生まれも、育ちも、発想も、価値観も、興味も、特徴も、好みも、クセも違います。
果たして、人と違うことは良くないことでしょうか。隠すべきことでしょうか。
私は、1人ひとりの「違い」こそがチームの強みであると考えています。チームのメンバーが違いを認め合い、個性を尊重することによって、チームに多様性が生まれます。
多様性は、適応力を高めてくれます。どんな相手であっても、どんな状況に置かれても、多様性によって活路を見出だし、乗り越えることができます。
多様性を認め合いながらも、メンバー全員が同じ目標に向かうことができたら、業種を問わずライバルに差をつけることができるはずです。また、それを持続させることができたら、そのチームには永続的に学びと発展があると思います。
快挙を成し遂げた陸上 男子リレーチーム。なぜ実現できたのか
さて、ここからは個々の「違い」を武器にして、世界を驚かせたスポーツ事例をご紹介します。
今回、例として取り上げるのは世界最高峰のアスリートを決める祭典「オリンピック」という大舞台で躍動した、陸上競技 男子4×100mリレーです。
日本は、2008年の北京オリンピック男子トラック種目史上初の銅メダルを獲得しました(※)。さらに、記憶に新しい2016年のリオデジャネイロオリンピックでは、北京のさらに上をいく銀メダルを獲得しました。
※国際オリンピック委員会は2017年1月25日、2008年の北京オリンピックでジャマイカが獲得した男子4×100mリレーの金メダル剥奪を発表。そのため、同種目において銅メダルを獲得していた日本の銀メダルへの繰上げが確定
あの時の感動と興奮を、今でも多くの方が覚えているのではないでしょうか。
では、なぜ日本は100m走でメダルが獲れない集団なのに、そんな人が4人集まるとメダルが獲れてしまうのか……。その謎を解くべく、調べていくと興味深いことがわかってきました。
北京、リオデジャネイロでメダルを獲得できた要因
実は全員が均等に100mを走っているわけではなかったのです。陸上競技経験者なら当たり前の事実なのかも知れませんが、一般的に第1走者~第4走者ではそれぞれ走行距離が違い、短い人は約80m、長い人は約120mも走っているようです。
この距離の差は、バトンの受け渡しが可能なテイクオーバーゾーンの有効活用によって生まれるものです。つまり、第1走者~第4走者ではそれぞれ走行距離が異なるため、特徴が異なる選手が適材適所で活躍していたということです。
むしろ、多様性を生かして、特徴が違う選手を4人組み合わせる方が良かったということでしょう。皆さんの中には、自分と似通った価値観の人を周囲に固めて仕事をすることもあるかもしれませんが、あえて特徴や考え方の異なる人を身近に置く勇気も必要だとわかります。
ご存知のとおり、日本人で歴史上(公式タイムとしては)10秒を切った選手はいまだかつて存在しません。それなのにメダルを手にすることができたことは奇跡に近い偉業です。
つまり、個人では到底成し得ない大きなことも、チームでなら成し遂げることは可能だということを示してくれました。
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