文書主義の日本では、文章を作成せずに進められる業務は少ないのではないでしょうか。社会人に限らず、学生にとっても就活やアルバイト応募時の履歴書作成など、「文章を書く」ことはだれもが日々、行っている作業かもしれません。

しかし、どれだけ良い文章で自己PRをしても、「私自身」が「私自信」などの誤字・脱字をしてしまうと、それだけで文章内容が伝わる前に読み手が離脱してしまいます。

今回は、新社会人の皆様に向けて、誤字・脱字を減らす10のポイントを、文章入力時と作成後、最終確認の3つにパターン分けてお伝えします。

文章入力時の3つの留意点

1.熟語ごとに変換をする

パソコンで文章を作成している際に誤字・脱字が生まれてしまう大きな要因は、スペースキーで行う「変換」です。変換機能は、文章作成をよりスムーズに行うために欠かせない機能ですが、その手軽さゆえに、意図した文字と異なる漢字をうっかり表記してしまうことがあります。うっかり変換による誤字を防ぐためには、熟語ごとの変換を意識してみてください。

例えば「きょうはあめがふった」の場合は、「きょう」「あめ」「ふった」の3つの熟語に分けて変換することを心がけましょう。

2.人名は一字ずつ打ち込む

ビジネスシーンにおいて、決して間違えてはならないのが人名です。人名を間違えるだけで信頼関係に傷が付きかねない場合も多く、会議資料に使用する人名に間違いがあると、それだけで先方に不快な思いを与えてしまいます。

人名を記入する際は、一発変換を行わないようにしましょう。該当する漢字を含む熟語を打ち込み、それらを組み合わせることで、人名を入力するようにしましょう。

例えば、右京さんの名前を入力する場合は、読み方の「うきょう」で変換するのではなく、「みぎ」で「右」、「きょうと」で「京都」を打ち込んだあとに「京」を選ぶようにしましょう。

3.細かく句読点を打つ

誤字を確認する際に最も見落としやすいものは、助詞の間違いです。日本語は少しやっかないな言語なので、「て・に・を・は」などの助詞を取り違えてしまうと、文章で伝えたい内容が逆転しまう可能性もあります。

例えシンプルな一文だったとしても、主語と述語、目的語ごとに句読点を打ってみましょう。文中に視覚的な空間を与えることで、助詞の間違いに気が付きやすくなります。

文章作成後の4つの留意点

1.文末は統一されているか

日本語の文末には、常体と呼ばれる「だ・である」、そして敬体と呼ばれる「です・ます」の2パターンがあります。ひとつの文章で常体と敬体が入り混じると、読み手が読みにくさを感じてしまいます。
体言止めでまとめた文章を除いて、すべての文末が統一されているかをしっかり確認しましょう。

2.表記は統一されているか

「文章内で同じ言葉を多用してはいけない」と耳にしたことはありませんか。作文や小論文を記述する場合は創意工夫を求められますが、社内業務で文章を作成する際は、表記の統一が求められます。
安易な言葉遊びで表記を変えてしまうと、読み手の内容理解を阻害しかねません。文章中で使われている同意義の言葉は、表記が統一されているかを確認しましょう。

3.数字、英単語は正確に入力されているか

誤字・脱字において、人名の次に間違えてはいけない項目は、数字と英単語といえるでしょう。一つひとつに意味を持たない数字は、意識的に確認作業を行わなければ、誤字・脱字の事実にも気付きにくいものです。作成した文章の文末と表記、人名を確認したあとは、手持ちの資料としっかりと照らし合わせて、正確に入力されているかを確認しましょう。

4.よどみなく音読できるか

助詞の打ち間違いや文脈の乱れを見直すときに最も効果的な対策は、声に出して文章を読み上げることです。視認していた文章内容を、実際に自分自身の口から音にして読み上げて、耳で拾って聞くことで、誤字・脱字を見つけやすくなります。
重要資料を扱う際などは、一方が文章を読み上げ、他方が読み上げられている文章を目で確認する作業の「読み合わせ」がおすすめです。