アクセス解析のデータを活用したいものの、具体的にどうすればよいかわからないというマーケティング初級者の方も多いのではないでしょうか。滞在時間や離脱ページなどのアクセス解析データを単に眺めているだけでは、BtoBマーケティングにおける有益なヒントを得ることができません。

アクセス解析から意味を読み取るためには、異なるデータ同士の差分に注目する必要があります。
特に、時間的な変化を表す「トレンド」と、ユーザー属性や流入経路などの違いを表す「セグメント」という2つの視点からデータの差分を見ることが重要です。

今回は、アクセス解析データの差分に注目して、BtoBマーケティングツール『ferret One』のレポート画面を交えながら、ユーザーインサイトを読み解く方法を紹介します。データに基づくWebサイトの改善やマーケティング施策の最適化に取り組みたい方は、ぜひ参考にしてください。

基礎からわかる BtoBマーケティング実践ガイド【2024年最新版】

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トレンドの視点からの差分を見る

Webサイトの内容が同じであっても、時期によってユーザー行動に違いが見られる場合があります。そのため、トレンドの変化をふまえて、アクセス解析データを分析することが大切です。

トレンドの視点からデータの差分を見る具体的な方法として、以下の3つが挙げられます。

1年間の大きなトレンドで比較

1年間を通じた大きなトレンドに注目すると、ユーザーインサイトの変化を読み取ることが可能です。毎年決まった時期にアクセス数が増えているページが見つかった場合、季節性の高いニーズがあると考えられます。

例えばferretの場合、新しい職場や部署への異動が起こりやすい4月に、新人マーケター向けの記事がヒットしました。
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アクセス解析のデータから1年間のトレンドを読み取りたい場合、過去のデータを月単位にまとめた上でチェックしてみましょう。特定の月だけ他との差分が大きければ、時期的な要因が考えられます。

また、1年間の大きなトレンドが毎年繰り返されているなら、ニーズの変化を先読みして最適なコンテンツを出していくことも可能です。

前月との比較

前月と当月のデータを比較し、差分をチェックすると有用な情報が読み取れます。

例えば、ページ滞在時間が前月比で低下している場合について考えてみましょう。もし、ページ内容に何らかの変更を加えていた場合、その変更内容が原因の可能性があります。

変更をしていないにもかかわらずページ滞在時間が低下しているなら、ページ流入者の属性の変化が原因かもしれません。広告のメッセージ内容や配信先を変えると、ページ流入者の属性も変わるケースがあります。広告のメッセージや配信先がページの内容と合っているか検証しましょう。

Webサイトだけを単体で見るのではなく、流入のきっかけとなるポイントまで含めて、前月との違いを比較することが重要です。

変更を行った前後の比較

Webサイトに何らかの変更を行った場合、その前後におけるデータの差分を見ることで、施策の良し悪しを判断できます。

例えば、資料請求ページへ誘導するバナー画像を作り直した時は、その前後でのバナーのクリック率を比較します。資料請求数の変化だけを見てしまうと、バナー画像が良かったのか、それともWebサイトへの流入数自体が増えたのかがわかりません。

また、Webサイトの内容や流入経路を変更していないのにコンバージョン率(CVR)が前月比で低下している場合、季節性の影響も考えられます。その場合は、前年同月のデータを見て、その時期のCVRがどのようになっているか確認しましょう。年度の変わり目には担当者や目標が変わるため、CVRなどの数値もぶれやすい傾向があります。

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(ferret Oneでのページ別・期間比較レポート)

セグメントの視点から差分を見る

セグメントとは、何らかの条件で対象を区別することです。Webサイトへの流入経路や購入履歴の有無、使用しているデバイスの種類など、様々な条件でセグメントが作れます。

アクセス解析のデータを読み取る上では、時間軸の変化に加えて、セグメントに注目することも大切です。ここでは、セグメントの視点からデータの差分について考える方法を紹介します。

ランディングページや流入経路ごとの分析

セグメントに分ける対象は、ユーザーだけではありません。ランディングページなど、Webサイト側の要素でセグメントして分析することもできます。

例えば、Webサイト全体の直帰率が高い場合、どのランディングページの直帰率が高いのかチェックすると課題の発見が可能です。特に直帰率の高いランディングページが見つかれば、そのページを改善することでWebサイト全体の直帰率も改善できます。

また、同じランディングページであっても、流入経路ごとに直帰率が異なっているかもしれません。自然検索経由の直帰率が高い場合、ページタイトルと本文の内容がマッチしていない可能性があります。広告経由の直帰率が高い場合は、クリエイティブや配信先の見直しが必要です。

このように、セグメントごとにデータの差分をチェックすることで、改善のヒントが得られます。

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(ferret Oneでのランディングページ別・アクセスレポート)
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(ferret Oneでのチャネル別・アクセスレポート)

CVしたユーザーの分析

アクセス解析ツールの機能を用いると、CVに至ったユーザーとそれ以外のセグメントに分けて、データを比較することが可能です。CVに至ったユーザーに何らかの傾向が見つかれば、Webサイトの改善広告戦略のブラッシュアップにつながります。

例えば、資料請求に至ったユーザーの多くが料金詳細のページに繰り返しアクセスしているなら、料金詳細のページから資料請求ページへの導線を改善するといった施策が考えられます。

また、流入数は少ないものの高確率でCVにつながっているランディングページがあれば、そのページへの流入数を増やすことでCV数も増える可能性が高いです。

CVの有無でセグメントを作り、アクセス解析のデータを分析してみましょう。

アクセス解析データの「読解力」を高めよう。

アクセス解析データは、個々の数値を単体として見ているだけでは、有益な情報を読み取れません。トレンドやセグメントごとにデータの差分をチェックすることで、Webサイト課題改善の方向性が見えてきます。

日々のマーケティング施策に役立てるために、データを読み取る適切な視点を身に付け、アクセス解析データの「読解力」を高めましょう。

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