デザインの世界で現れるトレンドには波がありますが、一度過ぎ去ったトレンドが再びやってくることがあります

絵画における前衛芸術や、プロダクトデザインにおけるポスト・モダン作品などが挙げられますが、Webデザインの世界においてもフラットデザインと呼ばれる表現様式が再来したことがありました。

そして、もうひとつ盛り返しているトレンドがあります。
それがグラデーションを使ったデザインです。

画像全体にかけるオーバーレイ部分に大胆にグラデーションをかけることもあれば、UI要素にかすかにテクスチャーとして採用する場合もありますが、特定の2色をつかったグラデーションエフェクトは今もなお健在です。
しかし、Microsoft Wordでワードアートにかけるようなオーバーレイとは違った使い方もします。

今回は、グラデーションを取り入れるときに知っておきたいことをご紹介します。
グラデーションを取り入れる際には、単純に色を2色選択すればよいというわけではありません。
果たして、どのようなことに気をつけていけばよいのでしょうか。

グラデーションを利用するメリットとは?

グラデーションにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
大きく3つに分けて解説します。

1. 単色では表現に限界がある

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ボタンやパーツなどのUI要素だけでなく、ロゴなどのブランディング要素やイラスト、タイポグラフィーなど、さまざまな場所に、グラデーションが効果的に使われています。
実際の所、単色で表現するには限界があり、さまざまなブランドとも差別化を図りづらくなっています。

グラデーションは2色以上の異なる色っを使って、だんだんとフェードをかけていくように表現していきますが、単色で表現するのとは違った「新しい色」のように感じます。
組み合わせによっては新鮮に感じるので、インスタグラムのグラデーションロゴをはじめとして、さまざまなロゴがグラデーションを採用しています。

2. オリジナリティを出しやすい

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ブランドアイデンティティは重要です。
ブランド戦略を決める際は、ブランドカラーを決めるケースがほとんどです。
例えば、コカコーラであれば赤、スターバックスであれば緑、PayPalであれば青、といった具合です。

しかし、赤であればユニクロ、緑であればEvernote、青であればローソンのように、色からは別のブランドを連想する場合もあるかもしれません。
ブランドカラーやコーポレートカラーに単色を使うのはどうしても限界があると感じている企業も多いようです。

Facebookは、グラデーションこそ使っていませんが、複数の異なった青色を採用することで、その問題を解決しています。
同じように、Twitterも複数の水色を採用しています。

異なる2色以上の色を自由に組み合わせることで、さまざまな「色味」やブランドを表現することができます。

3. より実体を持った色に見える

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実生活で身の回りにある物質が「そこにある」と認識されているのは、その物質が光に当たっており、「明るい部分」と「暗い部分」が存在するからです。
空を見上げても、濃い青色部分と薄い水色部分が存在したり、花を見ても黄色い花であっても薄い部分・濃い部分が必ずあります。

グラデーションがあったほうがしっくりくるのは、そのほうがより自然に見えて、脳もロジカルに処理することができるからです。