ビジネスマンの使用頻度の高いツールのひとつに、マイクロソフト社が提供している「Microsoft Office」があります。
Word・Excel・PowerPointを使用すれば、記事や資料、データの作成を手軽に行うことが可能です。

今回は、Wordとの「差し込み印刷」機能を使用して、Excelで作成したリストから個別文章を作成する方法をご紹介します。
ちょっとした小技ではありますが、この方法をマスターしておくと複数人にあてたメールの文面を一度に作成することができます。
さらに、Windows版のみの機能ですが、作成した文章をメールで一斉送信することも可能です。
メーリングツールを導入していれば問題ありませんが、比較的値段が高いため、導入できないでいることもあるのではないでしょうか。
順を追って解説していますので、まずは手順どおりに試してみてはいかがでしょうか。

Wordの「差し込み印刷」機能を使用して、Excelで作成したリストから個別文章を作成する

どのような場面で使用できるのか

一斉メールを送信する際、それぞれに伝える情報は個々で違っても、文章のフォーマットは同じ、というケースがあります。
例えば、イベント事業を行っている場合に関係者にスケジュールを送信したいけれどグループやメンバーによって宿泊先が異なる、というケースです。

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上画像のように、到着・出発日が異なったり、宿泊先が異なる、という場合、表をそのまま送信できなかったり個別に文章を送信しなくてはいけなかったりすることもあります。
そのような場合に、以下でご紹介する手順を踏めば、コピー&ペーストをしなくても簡単にメールの作成が可能です。

なぜコピー&ペーストはよくないのか

一度文章を作成して、メールを送信する際に到着・出発日や宿泊先の部分のみ書き換えればよいように見えます。
しかしこの方法をとってしまうと、特にメールを送信する人数が増えてしまった場合にチェックが行き届かなくなり、誤った情報のメールを送信してしまうおそれがあります。

Excelで作成したリストから個別文章を作成する方法

step1.

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まずはExcelを起動し、データのリストを作成します。
データを作成する際は、行・列が正しく並んでいるか、情報が構造化されているかを確認します。
作成するExcelデータが、この後に作成する文章の基盤となります。
ここでミスがあると文章も誤った情報を記載したものになってしまうので、注意してください。

step2.

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リストの作成が完了したら、WordにExcelのデータを読み込ませます。
まずは宛名のレイアウトを作成しましょう。
Wordを起動し、画面上部に表示されているメニューから「ツール」を選択、プルダウンメニューが表示されますのでその中から「差し込み印刷マネージャー」をクリックしてください。

step3.

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「差し込み印刷マネージャー」のボックスが表示されるので、まず「1.文書の種類の選択」の「新規作成」をクリックし、表示されるリストの中から「定型書簡」を選択します。
なお、Mac版のWordでご説明していますが、Windows版であればここに「電子メールメッセージ」という項目が表示されますので、Outlookと連携させるとメールアドレスのリストに一斉送信することも可能です。

step4.

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続いて「2.宛先リストの選択」では「宛先リスト」を選択します。
リストが表示されるので「データ文書を開く」をクリックしてください。

step5.

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するとファイルを選択できる画面が表示されますので、step1で作成したExcelのリストを選択し、読み込ませます。

step6.

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「ブックを開く」というボックスが表示されますので、作成したリストがあるシートを選択し「OK」をクリックしてください。

step7.

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「2.宛先リストの選択」上にExcelのファイル名が表示されます。
また「3.プレースホルダーの挿入」に、リストの各項目が表示されます。
この2つの表示が確認できれば、Excelデータの読み込みは完了です。

step8.

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Excelデータの読み込みが完了したら、Wordで文章レイアウトの作成を行います。
まず、step7で表示された「プレースホルダーの挿入」のボックス内に表示されている項目を、Wordの新規作成画面上にドラッグ&ドロップして配置します。
各項目を配置したら、メール内に含める文章も同時に作成してください。

step9.

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文章の作成が完了したら、実際にどのように表示されるのかをプレビュー確認します。
「差し込み印刷マネージャー」ボックス内の「5.結果のプレビュー」に「ABC」というアイコンが表示されていますので、ここをクリックしてください。
すぐ横に表示されている左右の三角アイコンをクリックすると、リスト含まれたデータが反映された文章を順番に確認することが可能です。
これで、基本となるメールの文面の作成は完了です。

step10.

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例えばリストの中に1名だけ文面を変更したいという場合に、個別の編集も可能です。
まず「差し込み印刷マネージャー」内に表示されている「6.差し込みの完了」の左から2番目に表示されているアイコンをクリックします。

step11.

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すると、Wordの新規ファイルにstep1で作成したExcelデータが反映された文書が作成されます。
すでに所属や氏名など、Excelデータのリスト項目が差し込まれていることが確認できます。
これで、相手ごとに個別にメールの細かな編集が可能です。

step12.

ここまでで個別の文面の作成は完了です。
文面を郵便のダイレクトメッセージとして郵送したい場合はそのまま印刷、メールで送信したい場合は作成した文面をコピー&ペーストして送信してください。
なお、Windows版であれば、メールアドレスを含むExcelのリストをあらかじめ作成しておくことで一斉送信が可能です。