インタビューやイベント取材など、ライターや編集者にとって音声の「テープ起こし」は避けて通れない仕事の一つです。

近年、クラウドソーシングサービスの充実とともに、気軽にテープ起こしを外注できるようになりました。しかし、コストや納品スケジュールの兼ね合いで、外注せず自分自身でテープ起こししなければならない時もあるでしょう。

テープ起こしは、慣れていないと難しく感じるかもしれません。なぜなら、人が話すペースはおおよそ1分間で300文字程度になるためです。人は早口でなくとも意外なほど短時間で多くの文字数を話しているのです。

そのままの音声スピードで文章化するのはタイピングスピードを考えると厳しいと感じるかもしれません。そこで、オススメしたいのが音声のスピードやトーンを変更できるサービスです。iTunesなどの一般的な音楽再生プレーヤーと比べ、テープ起こしが快適かつ正確に行えるようになるのです。

今回、Windows・Mac・iPhoneそれぞれの端末で使える無料サービスを4つまとめました。また、より正確にテープ起こしをするポイントも合わせてまとめていますので参考にしてみてください。

▼オウンドメディアの基礎知識から、具体的ノウハウまで解説!

ゼロからわかる オウンドメディア 立ち上げガイド

ゼロからわかる オウンドメディア 立ち上げガイド

オウンドメディアの立ち上げに欠かせない基礎知識から、具体的なノウハウまでを解説した資料です

無料で使えるテープ起こしソフト&アプリ4選

1. テープ起こしプレーヤー

tapetyping_-_1.jpg

Windowsでテープ起こしをするなら絶対に入れておきたい無料ソフトが「テープ起こしプレーヤー」です。

その名の通り、ライターや編集者に向けて作られたテープ起こし特化の音声再生プレーヤーです。音声スピードの変更や声のトーン調整など「聞き取りやすさ」を向上させる機能が付いています。

また、再生/停止/早送り/巻き戻しを任意のキーに配置できるショートカット機能も付いているので、自分のタイピングの癖に合わせて設定できます。

テープ起こしプレーヤーは無料で利用できますが、ダウンロード前にアンケートに答える必要があります。

対応OS:Microsoft® Windows® 10/8.1/8/7

2. CasualTranscriber

tapetyping_-_2.jpg

CasualTranscriber

テープ起こしを行うPCがMacならば、「CasualTranscriber」というソフトがオススメです。Windows用のテープ起こしソフトと比較すると、まだまだMac用は少ないのが現状なのですが、このソフトは機能が充実しており使いやすいのです。

音声再生プレーヤーとテキストエディタが一体になっており、別途テキストエディタを開く必要がないのが特徴です。そして、再生/停止/巻き戻し/早送りのショートカットの割当も任意のキーに配置できます。

また、CasualTranscriberが優れているのは、音声ファイルだけでなくYouTube動画も利用できる点です。共有が許可されている動画に限られますが、対応ファイル形式が幅広いのは強みと言えるでしょう。

対応OS:Mac OS X 10.9 Mavericks 以降がインストールされた Mac (Yosemite 対応)

3. ハヤえもん

tapetyping_-_3.jpg

ハヤえもん

インタビューやイベント取材などの録音は、ICレコーダーを使わずiPhoneを使っているという方も多いのではないでしょうか。それなら、iPhoneに録音したデータをPCに移動させず、すぐにテープ起こしができる「ハヤえもん」というアプリがオススメです。

ハヤえもんは、テープ起こし専用のアプリではないのですがiPhoneだけで完結し、音声の再生スピードを直感的に調整できるのが特徴です。また、イコライザー(音域)もPCソフト並に細かく設定できます。

そして、特定の箇所だけを何度も繰り返し聞くことができるABループ機能も搭載しているため、聴き逃しを未然に防ぐこともできるのも便利です。

対応OS:iOS8.0以降のiPhone、iPad、iPod touch

4. Google ドキュメント 音声入力

tapetypinggoogle_-_1.jpg

Google ドキュメント

テープ起こしの際、タイピングスピードに自信がなければ、「Google ドキュメント」の音声入力機能がオススメです。音声を聞きながら、それを同時に自分自身で発声することでリアルタイムに入力していくことができます。

音声再生プレーヤーが必要ですが、タイピングせずテープ起こしできるのは非常に便利です。認識精度も高く、はっきりと発声すれば文章として成立するので実用面も問題ありません。

また、Googleドキュメントはブラウザで動作するため、OSを選ばないのでWindows、Mac問わず使えます。アプリ版としてiPhone、Androidにも対応しているので、使い勝手が非常に良いサービスです。

テープ起こしを正確に行うための4つのポイント

テープ起こしを正確に行うためのポイントを4つまとめたので参考にしてみてください。

1. タイピングに合わせて再生スピードを設定する

テープ起こしを正確に効率よく行うために大切なのが、再生スピードの調整です。音声の喋るスピードとタイピングスピードが一致するペースに合わせます。

ペースを合わせることで、文章の途中で停止したり巻き戻す必要がなくなり、一定のペースでタイピングし続けることができるでしょう。その為に、上記で紹介した音声再生ソフトを活用してみてください。

2. 用語が難しい場合は1文ごとに音声を停止させる

タイピングスピードが音声に追いつかないときや、専門用語が多いときなど、テープ起こしが難解な場合、思い切って1文ごとに音声を停止させてみましょう。

あえて細々と停止させることで、正確に入力できるようになります。単語を確実に拾っていくことで聞き返す必要がなくなり、結果的にスピーディに終わらせることができるでしょう。

3. 最新の言葉に強い日本語入力を使用する(ATOK・Google日本語入力)

素早く入力できても漢字や名詞を誤って入力してしまうとストレスになります。そこでオススメしたいのが、ATOKまたはGoogle日本語入力を利用することです。

ATOKは有料ソフトですが、文脈に合わせて変換してくれるので変換間違いを減らすことができます。Google日本語入力は無料で利用可能で、最新の専門用語や英単語への変換に強いためATOKに劣らない使いやすさを発揮しています。

ATOK
Google 日本語入力

4. 専門用語や固有名詞などは最後に調べる

専門用語や聞きなれない固有名詞をテープ起こしする際、都度調べてしまうと時間がかかってしまいます。

そのため、一度聞いて意味を理解できない単語は聞こえた音をメモしておく程度に留め、先に進んでしまいましょう。

そして、テープ起こしが完成した際に、文脈から単語の意味を調べて文章を整えるのが効率的に進めるコツです。

まとめ

テープ起こしは、聞いた音声を文字にするという非常にシンプルな作業ですが、意外と難しく面倒です。

しかし、効率的に作業を進められるサービスも増えていますし、コツをつかむだけで格段に快適にテープ起こしができるようになります。

外注に頼らず自分でテープ起こしをしなければならなくなったときの参考にしてみてください。