国境を超えたネットショッピングを「越境EC」と言います。日本製の商品や海外需要のある商品を取り扱っているネットショップ担当者であれば、出店を検討している方もいるのではないでしょうか。

海外のユーザーに向けて出店することから、わからないことも多く不安を感じることもあるでしょう。そこで今回、越境ECに参入する上で事前に確認しておきたい「決済手段」「配送」「言語」「集客」のポイントをまとめました。

また、日本語での出店・出品が可能なモール型ショッピングサービスも4種まとめましたので、参考にしてみてください。

越境ECとは?

「越境EC」とは、海外ユーザー向けのネットショップのことです。主に中国や欧米のユーザーに向けて、日本の伝統や文化が伝わる商品や、品質の高い日本製の商品を販売するのが一般的です。

経済産業省が発表する平成28年度の越境電子商取引の市場規模の報告書によると、中国の消費者による日本、アメリカの事業者からの越境EC購入額は約2.2兆円(前年比32.6%増)です。

そして、アメリカの消費者による、日本、中国の事業者からの越境EC購入額は約1兆円(前年比15.2%増)です。

市場規模は近年増えている傾向にあり、越境ECは非常に盛り上がっています。

参考:
平成28年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)PDF

越境ECに参入する際に確認しておきたい4つのポイント

「越境EC」は、日本国内だけで完結するネットショップ運営と異なり、外国人の顧客と取引を行います。

参入するにあたり、確認しておきたい重要なポイントを4つまとめたのでご紹介します。

1.海外向けの決済方法への対応

越境ECへ参入するにあたり、まず確認しなければならないのが国ごとに異なる「決済方法」です。世界中で利用されている決済サービス「PayPal」に対応する必要があります。

また、中国向けのネットショップを運営するのであれば、クレジットカード「銀聯カード(UnionPay)」やオンライン決済サービス「Alipay(支付宝)」に対応しておくといった対応が必要です。

2.海外向けの配送サービスへの対応

販売した商品を顧客に届けるために、海外向けの配送サービスを確認しておきましょう。日本郵政(EMS:国際スピード郵便)・ヤマト運輸(国際宅急便)・佐川急便(飛脚国際宅配便)と主要3社が海外への配送に対応しています。

それぞれ対応している国や配送料金、対応重量など異なりますので、販売する商品にあわせて検討してみてください。

3.商品ページ作成・カスタマーサポートなど「言語」への対応

海外ユーザー向けに販売する国にあわせた「言語」へ対応する必要があります。英語で対応できる場合も多いですが、中国などアジア圏での販売が中心であれば簡体・繁体に対応しているのが理想です。

また、商品ページテキストだけでなくカスタマーサポートを行うときも、現地の言葉で対応することで無用なトラブルを避けられるでしょう。

4.出品する商品の選定やトレンドへの対応

販売する国でどういった商品がトレンドなのかを見極めて販売することが重要です。日本国内でのネットショップ運営に通じますが、需要の無い商品を並べても売れません。

例えば、中国では化粧品やベビー用品など安定した人気があり、品質の高いものを求めて日本の商品を購入する傾向があります。

このように、販売先の国の消費者の傾向を分析し、見込みのある商品を販売することがポイントです。その際、輸出禁止もしくは許可が必要等、制限がある商品ではないかの確認を必ず行いましょう。

参考:
平成28年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)PDF