コンビニやスーパーでよく見かけるブラックサンダーが、どうして大ヒット商品になったのかご存知でしょうか?

今回はブラックサンダーから学べるマーケティングのポイントをご紹介します。
販売休止にもなったブラックサンダーが、1億個以上を売り上げる商品になった背景にはマーケティングがあります。
自社でも活用できるポイントがないか確認しながら学んでいきましょう。

有楽製菓株式会社の概要

ブラックサンダーを販売しているのは、昭和30年に創業した有楽製菓株式会社です。「夢のある安くておいしいお菓子を創造する企業を目指します」という経営理念を掲げ、ブラックサンダーをはじめとするお菓子を製造・販売しています。

有楽製菓株式会社の従業員数は約300人で、1,000人を超える大手製菓会社と比べても決して大人数とは言えないでしょう。

また、安くておいしいお菓子を創造するという経営理念に基づき、材料費に最大限予算を使うため広告宣伝費は抑えられています。限られてた広告予算で大ヒット商品に成長しているブラックサンダーのマーケティング施策には、参考にできるポイントがあります。

参照:
有楽製菓(株) | 新卒採用・会社概要 | マイナビ2018
https://job.mynavi.jp/18/pc/search/corp79225/outline.html

ブラックサンダーに学ぶマーケティング戦略のポイント

豊富な商品ラインナップで消費者を飽きさせない

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有楽製菓は、ブラックサンダーに関連した商品を合わせて下記の商品を提供しています。

・ナッツラル
・グラノーラサンダー
・ビッグサンダーココナッツ
・柿の種サンダー
・ブラックサンダーダークマター
・ブラックサンダー
・ブラックサンダーゴールド
・ブラックサンダーミニバー
・メロ〜ンなブラックサンダー
・ピンクなブラックサンダー
・白いブラックほろほろクッキー
・白いブラックサンダー
・東京サンダー
・豊橋ブラックサンダーミニバー
・チョコケーキ
・まるごとはーす牛乳

ブラックサンダーだけではなく、グラノーラサンダーなどブラックサンダーに関連した商品を数多く取り揃えて、消費者を飽きさせない工夫がされています。また、白いブラックサンダーという意外性のあるネーミングも、消費者を惹きつけるポイントです。

インフルエンサーで認知度を上げる

ブラックサンダーが全国的に有名になったきっかけには、生協の白石さんと体操選手の内村航平選手の2人のインフルエンサーの存在があります。

生協の白石さんこと白石昌則氏は東京農工大学生協に勤めていた生協職員で、利用者アンケートカードの書かれた質問に対して、ユニークな回答が話題となりました。
2006年頃からブラックサンダーが大学生協で取り扱われるようになり、生協の白石さんに取り上げられたことで注目されました。

さらに、2008年の北京オリンピックで体操の内村航平選手がブラックサンダー好きであることが報道されました。この結果、2008年に約4500万個だった年間販売個数は、2009年には約一億個以上となりました。

インフルエンサーという言葉がまだ今ほど一般的ではない時期に、インフルエンサーをうまく活用した事例と言えるでしょう。

参照:
「ブラックサンダー」―発売から10年、風向きが変わった|飲食品でヒット商品をつくる|J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]
超絶人気で関連商品続々--「ブラックサンダー」、なんでそんなに売れるの? | マイナビニュース

商品のパッケージにも細部までこだわる

1994年に発売が開始されたブラックサンダーは、これまでに2度リニューアルされています。第1弾のリニューアルでは、「おいしさイナズマ級!」という商品コピーが追加され、第2弾のリニューアルでは、ブラックサンダーのアルファベット表記がカタカナ表記に変更されました。販売店舗で棚の下段に置かれても消費者の目につきやすいようにという工夫がされています。
パケ買いという言葉もあるように、商品の機能や価格だけではなくパッケージも購入するかどうかを左右するものの一つです。

参照:
紆余曲折 ブラックサンダーのシンデレラ!?ストーリー | AdverTimes(アドタイ)

商品イメージをもとに、施策を考える

ブラックサンダーのブランドイメージであるユーモアや面白さをもとに、バレンタインに義理チョコマシーンを設置するというイベントを実施しました。
イベント前からメディアで取り上げられ、イベント後にはSNSで拡散される効果を生みました。また、消費者の声を直接聞くために現場の社員がイベントに出向いています。
自社の商品イメージをしっかり理解する、イメージにもとづいた施策を実施する、イベントで消費者とコンタクトをとる点は、参考にしたいポイントです。

参照:
「一目で義理とわかるチョコ」。初めての広告が世に出るまで(前編) | AdverTimes(アドタイ)
「一目で義理とわかるチョコ」。初めての広告が世に出るまで(後編) | AdverTimes(アドタイ)