国内のMAU1,600万人を突破したInstagram(インスタグラム)は、月間広告出稿も100万社を超える程、広告主にとっても無視することのできないプラットフォームになっています。

その中で私たちマーケターが注目してやまないのが、マイクロインフルエンサーと呼ばれるインスタグラマーの存在です。

多くのフォロワーの共感をよぶ彼女たちが、今何を考え、どのようにインスタグラムという世界の中でアイデンティティを確立しているか、そして私たちがマーケティング活動の中でどのように彼女たちと共存していくべきか考えていきます。

今回は、当社でネットワークしているインフルエンサー、tomomi_0421(よしはしともみ)さんにインタビューをしました。
  

彼女の投稿を見てまず注目するのは"独特のピンクの世界観"

. ??コーディネート?? . 今季はデニムいっぱい買った〜? #snidel のデニムパンツは編み上げ部分がお気に入り?? . みーきさん( @mizukikonuma )が あたしが着てるのを見てそのデニム欲しくなった! っていってくれてその場で ぽちっと同じデニム買物してくれたの嬉しかった??? みーきさんとのお揃い増えてく?うれしい♡♡ . トップスは #lillilly の シャーリングワンピースをトップスとして着たよ? そして久々のツインテール????笑 . #ootd #fashion #style #outfit #pink #denim #topshop #maisondereefur #hairstyle #harajuku #bubbles #sparkbybubbles #photospot #pinkspot #コーディネート #ファッション #ヘアー #ツインテール #デニム #リーファー #リルリリー #スナイデル #ピンク #原宿 #ピンクスポット #フォトスポット

tomomiさん(@tomomi_0421)がシェアした投稿 -

写真加工アプリとして大流行したインスタグラムは、当初はアプリに内蔵されている複数のフィルターを使って写真を加工するものでした。

レトロな写真や少しノスタルジックさを感じさせる味のある写真がタイムラインに並び、雑誌に変わる個人アルバムのように「如何に綺麗な写真を見せるか」に重きが置かれていました。

※画像はインスタグラム流行当初の投稿内容

それが現在では、若い女性を中心に「写真を見せる」アプリから「自分を彩る」アプリへと変化してきています。それは、コラージュ機能を持った加工アプリが出現し、彼女たちのオリジナルの新しい世界をインスタグラム内で創れることを知ったことに端を発します。

「インスタグラムに内蔵されている加工フィルターは絶対に使わない」と話すtomomi_0421さんのアカウントは、ピンクに統一された世界観が広がっており、試行錯誤の末、自身のファッションやキャラクターに合っているかどうかを念頭に3つ先の投稿内容まで考えながら世界観を創っていると言います。

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統一された世界観で投稿を続けていると、"コメント"や"いいね"をしてくれるフォロワーに共通した傾向が見えてきており、「コメントをくれるフォロワーのページを見てみると、自分が投稿した場所と同じ場所で、同じポーズで写真を撮影しインスタグラムに投稿してくれているんです!」

そう言って嬉しそうに話す彼女のアカウントは、好きなものや感性が似ている、世界観へ共感するフォロワーのエンゲージメントの高まりを生んでいることがわかります。
  

写真は1日400枚以上!目的はインスタグラムにアップするため

また、何でもない日常の1シーンを、インスタグラムを通じて非日常のものとして切り取ることで、多くのフォロワーの「自分も真似したい」という欲求を刺激しているため、彼女が投稿した内容を真似た画像が巷に溢れることも少なくありません。

#浴衣ディズニー #双子ディズニー #双子コーデ  
#おしゃピク

上記の2つの投稿のように、トレンドハッシュタグの人気投稿に入った投稿は、インプレッション数やリーチ数が大幅に伸び、フォロワー数を超えるリーチを獲得できる傾向にあります。

このシーンを撮るために0から準備してピクニックの空間を創り出したり、ディズニーランドにも "#双子コーデ" として、浴衣を着て出かける彼女は、1日400枚〜500枚の写真撮影は当たり前で、目的は「インスタグラムにアップするため」といいます。

そしてその投稿は「インスタ女子」と呼ばれる彼女たちのフォロワーに広がり、フォロワーが真似をしたり広がりを生んでいくのです。
  

  

まとめ

これまでの効果の測り方は、フォロワーリーチやエンゲージメント率とどうしても定量的な側面で評価をしがちなインフルエンサープロモーションですが、今後は彼女たちの世界観の創り方、フォロワーのデモグラだけでなく興味関心など、より深いインサイト情報がプロモーションの成否を分けることになります。

コスメ案件で、たとえ10万人フォロワーがいるインフルエンサーを起用しても、男性フォロワーが7割である場合、単純に10万のリーチにはなりません。ただ、5万人のフォロワー数だとしてその人の世界観に共感し、似た趣味を持つフォロワーが多ければ多い程、エンゲージメントも高まり、ハッシュタグの人気投稿にも出現し結果的に実リーチ数が10万を超えるということもあります。

これからのインフルエンサーマーケティングは、フォロワー数だけではなく、より正確なインサイト情報を把握できるリレーションシップマネジメントが非常に重要になってきます。