約2万通りの未来シナリオから生まれた2つの観点

都市集中シナリオ

技術革新を先導する企業が都市に集中し、自然と人口も都市に流れていきます。地方は労働人口を失い、やがて過疎化し衰退します。個人の格差が拡大し、幸福感が低下します。出生率の低下も深刻化しますが、政府の財政は回復します。

地方分散シナリオ

地方へ人口が分散し、格差は縮小します。出生率も回復し、幸福感も増加します。一方で、地方分散により政府財政の逼迫や環境悪化なども懸念されるため、このシナリオには細心の注意と配慮が必要です。

持続可能な未来に向けた政策提言

8〜10年後までにシナリオの選択を

日立京大ラボは、8年から10年後に*「都市集中シナリオ」「地方分散シナリオ」*の分岐点が発生すると述べています。それ以降、2つのシナリオの分岐が起こることはありません。

持続可能な地方分散シナリオの実現

持続可能性の観点では、「地方分散シナリオ」が望ましいとされています。しかし、地方分散シナリオを実現するには、労働生産性の改善、環境に配慮した再生可能エネルギーの普及、地方の公共交通機関の整備など課題が山積しています。

17〜20年後までの継続した政策実行

地方分散シナリオは、前述したとおり持続不能となるリスクも抱えています。そのため、財政・雇用・環境・地方活性といった政策を継続的に実行する必要があります。
地域での経済循環を促し、日本中のどこでも暮らしやすく働きやすい環境を整えることが、これからの政府の重要なミッションとなるでしょう。

まとめ

京都大学が提言した未来政策の重要なポイントは、地方の活性化です。前述したとおり、地方の活性化は今様々な企業が積極的に取り組んでいる課題のひとつです。

参考:
地方創生で長門市と山銀など3者 温泉街再生へ、投資促進図る/山口|毎日新聞

現地の方々の意識や意欲も高い課題のため、自社に貢献できる分野を見つかられれば、協力して新しい価値を提供できるかもしれません。

地方の活性化以外でも、それによって起こりうる社会や暮らしの変化にまで視野を広げ、自社の価値をもう一度考えてみてはいかがでしょうか。