不慮の事故や災害などで、インターネット接続ができなくなると、安否の確認や緊急の連絡などが取りづらくなってしまうことがあります。
しかし、インターネット接続ができない場所であっても、ネット接続なしでユーザーとの連絡を可能にするアプリが、2014年頃から話題になり、着々とユーザー数を増やしています。
それが、「Firechat」です。

Firechatは、インターネット接続なしで(つまりオフラインで)端末間のメッセージ交換を可能にします
エンドツーエンド暗号化通信を行なっているので、メッセージを傍受される心配もなく、安全にデータ通信を行うことができます。

今回は、ネット接続なしでチャットができる「FIrechat」について、その魅力や簡単な使い方をご紹介します。

オフラインでもメッセージのやりとりが可能になるFirechat

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スクリーンショット:2017年10月

Firechatは、カリフォルニア州サンフランシスコに拠点を置くオープンガーデン社によってリリースされた、iOSAndroid向けのインスタントメッセージングアプリです。

他のアプリと大きく異なる点は、「メッシュネットワーク」と呼ばれる、70メートル(200フィート)以内にある端末同士を数珠繋ぎ的にネットワークを作り出す方式で、インターネット接続を利用せずにメッセージを送信することができる点です。

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スクリーンショット:2017年10月

送信者と受信者が70メートルの圏外の場合でも、他の第三者ユーザーがFirechatをインストールしていれば、そのユーザーのネット接続やモバイルデータ通信を利用してメッセージを届けることができます。

つまり、送信者と同じメッシュネットワーク圏内に1人でもユーザーがいれば、メッセージのバトンを持って別のネットワークにワープし、そのバトンを他の誰かに渡す、という作業を繰り返すことで、最終的に受信者までメッセージを届けることができるのです。

ユーザーが急速に広まっている背景には、デモや災害時にネットワークが遮断されても、Firechatで通信を続けることができるからです。
実際に、2014年のイラク政府によるインターネット規制や同年の香港の反政府デモ、2015年のマレーシアで発生した反汚職デモなどで使われたという報道がきっかけで、Firechatが多くの人々に知られるようになりました。

もちろんインターネットの電波が届かないような場所で友達と連絡を取り合うために利用したり、自然災害の発生時に通信インフラが不安定になった時に緊急連絡用として利用したりすることができます。
2015年4月に発生したインド北西部カシミール地方を襲った大洪水や、同年8月にエクアドルにあるコトパクシ山が噴火した際にも、Firechatが広く使われました。

メッセージの送受信のスピードも問題ないようです。
オープンガーデンによれば、都市の5%の人々がFirechatをインストールしておけば、メッセージは10分以内に送受信を完了するようです。
地下鉄やライブハウスなど、インターネット通信が途切れてしまうところでもメッセージを送ることができます。