なぜライブ動画は人を惹き付けるのか!心理的背景を知って施策に活かそう
日本国内でも「ライブ動画」が少しずつ普及してきました。若年層の間でのカジュアルなコミュニケーションとしてだけではなく、ビジネスの世界でもイベントやセミナー等の様子をFacebook LiveやYouTube Live等を使って配信するケースが増えています。
そこで今回は、近年特に注目されているコミュニケーション手段の1つ"ライブ動画"について、心理学的な視点から5つの価値をご紹介します。
有効なマーケティングを実現するためには、視聴者心理の理解が欠かせません。本記事を通じ、如何にライブ動画が人の心を惹き付け、満足感を与えられるのかを理解していただけるはずです。
本格的な普及が見込まれているライブ動画
世界的に見ても、ライブ動画配信は今後の大きなトレンドの1つと目されています。
米Ciscoの最新のレポートによるとライブ配信動画の流通量は、この先5年で15倍に増え、2021年には全世界の動画のトラフィックのうち13%をライブ配信動画が占めると予想されています。
画像引用元:Cisco: Live Video to Increase 15x to 13% of All Video Traffic By 2021|VideoNuze iQ
ライブ動画の盛り上がりを裏付けるように、国内でもライブ動画に関連する新サービスや広告が各社から次々と発表されています。
その一例として、今年2月にはFacebook Liveが、9月にはLINE LIVEが、それぞれライブ動画の途中に配信できるインストリーム型動画広告の導入を発表しました。広告を導入するということは、それだけライブ動画の視聴が増え、コンテンツに対するエンゲージメントも高いということがうかがえます。
また、直近ではインスタグラム ストーリーズにおいて、ライブ動画配信中にゲストを招待し、2人同時に表示できる機能が追加されています。
画像引用元:Instagram、ライブ動画にゲストを追加できる機能を導入|Facebook
心理学的に考えるライブ配信の価値
それではなぜ、ライブ動画の人気がこれほど高まっているのでしょうか。ここからはライブ配信が人々を惹き付ける、その心理的な背景を解説していきます。
1. 1度きりの特別感
例えば、スポーツの試合中継は、なぜ人々をテレビの前に呼び寄せることができるのでしょうか。それはライブ中継が、その瞬間に一度しか存在しえない特別なものだからです。試合の経過や結果をリアルタイムで見届けたい人は、番組を視聴するしかないのです。
米国では、Twitter社がNFLの試合のライブ配信権を高額で獲得していますが、それだけライブ中継には人々を惹き付ける力があるのです。
2. 何が起こるかわからないサスペンス感
ライブ動画はまた、何が起こるかわからないという一種のサスペンス的な要素を持っています。
読者の皆さんも経験があるのではないでしょうか。サスペンス系の映画を観たり本を読む時は比較的集中しやすく、そのストーリーの中に入り込んだ状態になります。これと同じで、サスペンスの要素を持つライブ動画は、録画・編集された動画よりも集中して視聴する傾向があると考えられます。
例えば、ごくありふれた日常的なシーンであっても、ライブ動画として配信することで一種の不安感が生まれ、ついつい引き込まれてしまうのです。
3. “FOMO”
米国を中心によく使われている「FOMO」というワードをご存じでしょうか。“Fear of Missing Out“の略で、「見逃してしまうこと、取り残されてしまうことに対する恐怖心」という意味で使われています。
人は、自分が何かおもしろいもの、大切なものを見逃していると認識した時に不安を覚えますが、スマートフォンやSNSの普及によって、このFOMOのような感情を経験する人が増えていると言われています。
ライブ動画は、このような人々のFOMOを抑える効果があると考えられます。例えば、ある人がイベントに参加できなくても、ライブ動画という形でそのイベントを視聴することで、その様子をリアルタイムで見届け、疑似体験することができます。あるいは、子どもの誕生会の様子などもライブ配信で共有することで、参加できなかった家族や友人のFOMOを軽減できるのです。
一方でライブ動画は、FOMOを引き起こし、ユーザーに行動を促すという使い方もできます。例をあげると、新商品のローンチや新作動画の公開などのイベントの予告としてライブ動画を配信し、その担当者や役者らが視聴者からの質問に答えたり、限定情報を提供するなどして期待感を高めておくことで、本イベントへの参加を促すこともできるでしょう。
4. ライブ動画だからこそ得られる小さな満足感
人間は生来、この世界を生き抜くために情報を探し求める性質を持っていると言われます。そして、スマートフォンの普及のおかげで、この情報に対する欲求がいつでもどこでも満たされるようになりました。ライブ動画は、この情報の獲得よりも一段階上の満足感を得やすいという強みがあります。
具体的には、ライブ動画では、視聴者はリアクションという形で自分の感情を表現できるほか、自分のコメントに対して配信者が反応を見せてくれれば、さらに特別な感情が生まれるでしょう。配信する側も、視聴者の反応をリアルタイムで受けることができるため、録画動画にはない達成感や満足感を得ることができます。リアルイベントとは異なり、人数に制限なく、世界中のどこからでも視聴してもらえる点も配信者にとっては大きな価値となり得ます。
これら小さな満足感の数々が、人々をライブ動画へと惹き付ける要因の1つとなっていると考えられるのです。
5. 舞台の裏側を“のぞき見”できるスリル
ライブ動画としてよく見られるコンテンツの1つに“舞台裏”の紹介があります。例えば、CM撮影現場やイベント控え室の様子、あるいは普段は公開していない工場内部のレポート等がこれに当たります。綿密に計画された“作られた”世界ではなく、その裏側やバックヤードを垣間見えるこれらコンテンツは、人が本能的に持っている好奇心を刺激することができます。
また、普段、表舞台で輝いている有名人たちの素の表情や台本ではない発言を目にすることで、親近感を覚えるといった効果もあるでしょう。
- セミナー
- セミナーとは、少人数を対象とする講習会のことです。講師からの一方的な説明だけで終わるのではなく、質疑応答が行われるなど講師と受講者のやり取りがある場合が多いようです。
- マーケティング
- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
- 広告
- 広告とは販売のための告知活動を指します。ただし、広告を掲載するための媒体、メッセージがあること、広告を出している広告主が明示されているなどの3要素を含む場合を指すことが多いようです。
- 広告
- 広告とは販売のための告知活動を指します。ただし、広告を掲載するための媒体、メッセージがあること、広告を出している広告主が明示されているなどの3要素を含む場合を指すことが多いようです。
- コンテンツ
- コンテンツ(content)とは、日本語に直訳すると「中身」のことです。インターネットでは、ホームページ内の文章や画像、動画や音声などを指します。ホームページがメディアとして重要視されている現在、その内容やクオリティは非常に重要だと言えるでしょう。 なお、かつてはCD-ROMなどのディスクメディアに記録する内容をコンテンツと呼んでいました。
- エンゲージメント
- エンゲージメントとは、企業や商品、ブランドなどに対してユーザーが「愛着を持っている」状態を指します。わかりやすく言えば、企業とユーザーの「つながりの強さ」を表す用語です。 以前は、人事や組織開発の分野で用いられることが多くありましたが、現在ではソーシャルメディアなどにおける「交流度を図る指標」として改めて注目されています。
- タグ
- タグとは、原義では「モノを分類するために付ける小さな札」のことです。英語の「tag」を意味するものであり、荷札、付箋といった意味を持っています。特にインターネットに関する用語としてのタグは、本文以外の情報を付与するときに用いられます。
- Twitterとは140文字以内の短文でコミュニケーションを取り合うコミュニティサービスです。そもそもTwitterとは、「小鳥のさえずり」を意味する単語ですが、同時に「ぺちゃくちゃと喋る」、「口数多く早口で話す」などの意味もあります。この意味のように、Twitterは利用者が思いついたことをたくさん話すことのできるサービスです。
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