校正・校閲のポイント

前述したとおり、校正・校閲のためのツールは多数あります。ただ、ツールだけでは全ての間違いを発見することはできません。
ツールの利用に重ねて、人の目も加えた二重チェックを行うことをオススメします。

自分で校正・校閲を行う場合は、以下のステップを踏みましょう。

【1】執筆後、確認までタイムラグをつくる
【2】データは紙にプリントアウト
【3】項目ごとにチェックする
【4】文章を音読してみる
【5】他の人に二重チェックをしてもらう

【1】執筆後、チェックまでタイムラグをつくる

自分が執筆した文章をチェックする際は、時間を置いてから行うと効果的です。執筆直後は記憶が新しいままなので、チェックをしても執筆時と同じ見落としをしてしまう可能性があります。

夜完成したらチェックは朝にする、他の業務を挟んでからチェックに入るなど、文章を寝かせてから作業に入ることで、客観的な視点で見直しやすくなります。

【2】データは紙にプリントアウトする

パソコンで文章を執筆した場合は、紙にプリントアウトしてからチェックすることをオススメします。
パソコンのディスプレイと紙面では、見え方も変わります。特にパソコン上でスクロールしながらのチェックは、文字が追いづらく間違いを見落してしまう可能性が高くなります。

【3】項目ごとにチェックする

チェックする際は、一度の読みで全ての項目をチェックするのではなく、項目ごとにチェックを進めます
掲載メディアのレギュレーション(決まりごと)を満たしているかを確認した後、「データ」「漢字」「人名・地名」など、項目ごとにチェックしましょう。

内容に気を取られすぎない

誤字・脱字をチェックする校正段階では、文章の意味や内容を読み取り過ぎないよう気をつけましょう。
内容を理解しながら読み進めると、誤字や変換ミスがあっても勝手に頭の中で推察してしまい、見落としてしまうことがあります。

校正は、文章ではなく文字を追うイメージでチェックし、内容が読みやすいかどうかは校閲段階で確認するようにしましょう。

【4】文章を音読してみる

黙読でチェックを進めると、知らず知らずのうちに読むスピードを上げてしまい、間違いを見落としてしまう可能性が高まります。

そこで、声に出して読み上げてみることをオススメします。音読することで1文字1文字を確認できるほか、文章のリズムも感じ取れます。読者がテンポよく読み進められるような文章になっているかも確認してみましょう。

【5】他の人に二重チェックをしてもらう

最後に、別の人に二重チェックをしてもらいましょう。自分でどんなに慎重にチェックしたとしても、100%確実に間違いを発見できるとは言い切れません。

読み合わせ校正

他の人に協力してもらう校正作業として「読み合わせ校正」があります。校正者は2人1組になり、1人が原稿を読み上げて、もう1人は聞きながら原稿を見て間違いがないか確認します。

校正記号

原稿をプリントアウトして紙で校正・校閲を行う場合は、「校正記号」を用います。書き方は統一されているため、覚えておくと他社とのやり取りでも活用できて便利です。今回は利用頻度の高い記号をピックアップしました。

【1】文字の修正・削除・追加
【2】文字の入れ替え
【3】改行
【4】アルファベットの大文字・小文字の変更