3つの要素の中心点をコンセプトとして表現する

あくまで例として取り上げているので仮定で各項目を割り振っていますが、フレームワーク化する方法として上記の例のように分類する事ができると考えます。

これに加えて、今までに紹介して来たポジショニング戦略の話を加えることによってより具体的に自社、もしくは自分自身の提供するべきサービスを分解して考える事ができるようになります。

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ポイントとなるのは図の中心点となる3つの要素が重なる部分を明確にする事です。この3つの要素が重なって始めてコンセプト自体が社会に受け入れられるようになります。

考え方として、いかにこの3つの要素を組み合わせて、どこが中心点になり得るかを的確に捉えて、その点をコンセプトとして表現していく事が求められます。

特にMustやCanという要素は時代や、社会の変化によって状況が大きく異なります。例えば、インターネットが誕生して初期の頃は基本的なプログラミングの作業ができればCanの部分で大きなアドバンテージを得る事ができたのではないかと思います。

しかし、フリーソフトの誕生や同じ、もしくはそれ以上のエンジニアの人の数が増えていけばいくほど、自分達ができたこと(Can)の価値というのが相対的に小さくなっていきます。

Mustに関しても同様で、自身と同じ価値を提供できるプレイヤーが増えれば増えるほど、社会からの自分達ができることへのニーズは減っていき、それに伴ってさらに競争が激しくなります。

WillとCanだけでなく、自分が目指す「Will」も必要

このようにWill、Can、Mustというのは常に固定された状態ではなく、常に変化し続けていく状態として理解をする必要があります。

良い側面として、競争が生まれることによって、サービスの質や価値が全体として上がっていく事が挙げられますが、マーケットによっては少数のプレイヤーしか生き残れないような厳しい状況になっていく可能性も大いに考えられます。

そのため、常に全体のMustを意識しながら、合わせて自身、または自社のポジショニングを理解し、それに合わせたCanを提供できるような環境作りを行なっていく必要があります。

その中で忘れてはならないのが、Willの存在です。

特に自分でプロジェクトを起こす際にMustとCanだけでは上手く回らなくなる事もあります。自分達のやりたい事(Will)が上手く全体の要求にフィットしているという事が大切だからです。

市場を分析して、ポジショニングを考え、適切にブランドコンセプトを作り上げていく事は大切なのです。

それだけでなく、そのプロジェクト自体を自分達が何故やりたいのか、なぜ自分達ではなければいけないのかを考えていく事も大切と言えるでしょう。

まとめ

今回はWill、Can、Mustを用いたコンセプトメイキングに関して紹介しました。

戦略を作っていく上で方法論を語ることは重要なのですが、それ以上にWillの部分である「なぜそれをやりたいのか、やるべきなのか」を実際に言語化していくことが大切です。

この話は“マーケティングの基本書”で触れられる事は多くは無いでしょう。しかし、実際に戦略を実行する上では非常に重要な観点です。

是非コンセプトメイキングに関して考える際に、何故それをやるべきなのかを一度考えてもらえると嬉しいです。