3Cの最後は、自社戦略の「C」を表します。ソーシャルメディアの場合は自社という位置付けではなく、自分自身のポジションに関して分析を行っていきます。

自身のポジショニングの場合は、ただ分析を行うだけではなく、今までの顧客分析・競合分析の結果をもとに、独自のブランドを作り上げていく作業も必要になります。

闇雲に情報を発信し続けるのではなく、戦略的に対象が必要としている情報を提供する事で独自のブランドを作り上げる事が可能です。今までの作業は自分自身のポジションを作っていく上でのリサーチで、その結果をもとに戦略を実行していく事が重要です。

今回は、実際に戦略を実施していく上でのポイントも紹介しながら、自身のポジショニング戦略に関して細かく解説していきます。

参考:
3C分析とは〜マーケティングの基礎を覚えて競合と市場を分析しよう|ferret
  

自身のポジション分析とは何か?

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ポジション分析を一言で表すと、私は「顧客分析と競合分析で得た情報をもとに、自分自身の独自のポジションに辿り着く事」だと表現しています。

具体的には、ターゲットとする顧客を理解し、ターゲット顧客へアプローチしている競合も理解する事です。仮に、それができれば顧客に必要な情報を競合とは違う方法、もしくは発信する情報の質・量を変えて、独自の方法でアプローチすることができるようになります。

ここで重要なのは、「自分自身のポジションニングを自分自身だけで作ってしまう事がないようにする事」にほかなりません。少し難しい話ですが、自分のポジションは競合や顧客があって成立します。そのため、顧客分析 → 競合分析と来て、初めて自分自身のブランドに関する検討を行う事が可能になります。

この順序を間違えてブランド戦略を考えてしまうと、「ただ自分の発信したいものを発信するだけ」になってしまい、簡単に競合企業から真似されたり、顧客がすぐに離れていくなど、ブランド構築が非常に難しくなるので注意が必要です。
  

自身のポジション分析が必要な理由

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前述の「ソーシャルメディアでの自身のポジション分析とは何か?」での少し触れた内容ですが、顧客分析、競合分析で得た情報をもとに戦略を作っていく上で "自身のポジショニング戦略" は非常に重要になります。そして、分析結果を活用する事で独自のブランドを構築するステップを踏み出す事ができるようになります。

ブランド戦略でコンセプトメイキングは非常に重要な役割の1つですが、何故そのコンセプトを選び、そのコンセプトが自分であるべき理由は何かを説明する事がブランドを発信していく上では欠かせない要素となります。

そのため。ポジション分析をとおしたコンセプトメイキングを上手く設定できるかどうかによって、自身のブランド価値も大きく変化してくる事になるのです。このコンセプトメイキングという考え方は、ソーシャルメディアだけではなく、ブランディング戦略でも非常に重要な役割を持つのでぜひ覚えておいてください。

参考:
コンセプト|ferret マーケティング用語辞典

ちなみに、ここで1つ例を紹介します。

外資系企業のナイキではクリエイティブを担うポジションとして "コンセプトディレクター" を設置し、ブランド全体のデザインを行っています。特にデジタルとブランドが切り離せない時代になりつつある中で、今までのビジネスモデルとは異なったコンセプトメイキング方法が求められるようになって来ています。

自身のブランドコンセプトにとどまらず、ビジネスの世界でも今後重要なポジションとして必要とされていく分野です。

参考:
ナイキ(グローバルの採用ページ)
  

ソーシャルメディアでの自身のポジション戦略

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ここからは、実際にどのような部分に気を付けてポジショニング戦略を実施していくか、に関して見ていきます。

・プロフィール
・発信コンテンツ

今回は特にこの2つのポイントに絞って紹介します。プロフィールと発信情報があまりにも異なっているとブランドとして浸透しないので、その点は気を付ける必要があります。
  

プロフィール

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ここで例として取り上げた写真は、私のTwitterアカウントのプロフィールと投稿内容の一部です。注目して欲しいのはプロフィール欄に記載している内容と、投稿している内容との整合性に関してです。

プロフィール欄には「Blockchain Community Manager」と記載し、投稿内容にはハッシュタグで「#Blockchain」、記事タイトルにも「Blockchain」という文字が入っています。これは「Blockchainという技術に関する最新情報を発信しているアカウント」である事をフォロワーやユーザーに理解してもらうために行っています。

さらに、「Blockchain」というキーワードは現在ユーザーが検索する割合の多いホットワードなので、特定のキーワードやハッシュタグで検索する人の数がほかのキーワードと比較しても多くを占めています。そのため「Blockchain」に関する情報を発信するアカウントというポジションを上手く獲得する事で、通常の発信よりもユーザーに届く可能性が格段に高くなります。かつ、競合も非常に少ない分野のため情報を求めてくる人たちが特定のアカウントに集まるようになります。

そのため、私個人のアカウントに多数の人たちからアクセスがあり、発信する内容にインバウンドでリクエストが来るようになるのです。
  

発信コンテンツ

先ほどツイート内容をご紹介しましたが、発信内容はユーザーのトレンドに合わせて随時変化させていく必要があります。そして、ただ情報を発信するのではなく、ハッシュタグのようなユーザーが検索するであろう予測を立て、先回りして発信することが重要です。

インバウンドマーケティングでは、コンテンツを対象ユーザーに合わせた形で発信する事がとても重要です。ソーシャルメディアでの情報の発信もインバウンドマーケティングの理論に基づき、発信内容を対象に合わせて変化させて頂く事が必要になります。

参考:
インバウンドマーケティング|ferret マーケティング用語辞典
  

まとめ

自身のポジショニング戦略の重要なポイントとしては、今までの分析結果をもとに最適なポジションを1つひとつ作り上げていくという視点です。デジタルマーケティングもプログラミングのように1つひとつの手順を積み重ねていく事によってブランドができ上がっていきます。

よくマーケティングは感性だと言われる事もあるかもしれませんが、コンセプトメイキングの箇所で話をしたように、どちらかというと技術的な側面が非常に強いというが私の見解です。

プログラミングのような技術としてデジタルマーケティング、ブランディングを習得する事ができれば誰でも応用が可能で、最終的には初期のコンセプトメインキングが成功を大きく左右する事になります。

今回ブランドに関して紹介したのは、デジタルマーケティングを難しいものと捉えず、誰でも方法論を理解すればオリジナルのコンセプトに応用できるという事を学んで欲しいという想いからです。ぜひ紹介した内容を参考に取り組んで見てください。