近年、テクノロジーの進化やデバイスの変化などが起こっています。

“営業”という領域においても同様で、訪問を行うことなくテレビ会議で打ち合わせを完結できるなど、営業スタイルも年々変化しています。

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社内に散在する各種データの統合(クレンジング・名寄せ)を可能にし、CRM/SFAやMA、名刺管理ツールとの連携で営業活動を最大限にバックアップする画期的サービスをチェック。

一方で、「なぜ訪問して説明してくれないの?」「対面で話を聞かないと契約しない」と感じるクライアントがいるのも事実です。

今回はスマートフォンSFA(以下、スマホSFA)として1,200社の実績がある「cyzen」を提供するレッドフォックス株式会社監修のもと、代表取締役社長の別所 宏恭 氏(以下:別所 氏)に働き方と営業組織の将来像について伺いました。

AI時代の営業とは

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ferret:
AIの成長や、マーケティングオートメーションなどのツールの台頭で、営業員や訪問の必要性が下がっていると言われていますが、どうでしょうか?

別所 氏:
営業に限らずAI時代に残るのは、「人にして欲しい仕事、人でなければ出来ない仕事、人がした方が効率的な仕事」の3つです。

それ以外の仕事は可能な物、投資対効果の高い物からAI化されます。でも今に始まった話ではなくシステムによる効率化は何十年も前から行われてきました。

違いはシステムを作る前に最適な設計が必要でしたが、AIによりデータが溜まる事で最適化されて行くので応用範囲が飛躍的に広がる事でしょう。

そもそも今でもネットを使った履歴は徹底的に分析されて広告配信されているので、その延長線上でより近く、より早く情報を集めにきているだけです。

ferret:
これが営業と関係があるのでしょうか?

別所 氏:
営業の仕事は顧客ニーズを見つけて、ニーズをウォンツに変える事です。お客様が自分で気が付く前にニーズを見つけて提案する事で需要を創造するのが、一番強い営業ですよね。

AIスピーカーは誰よりも早くウォンツを見つけ、多くのニーズも見つけ出して提案する事が
できます。Amazonが販売している商品を扱っている営業にとっては脅威ですね。

ferret:
では今後、営業はどうすれば良いのでしょうか?

別所 氏:
まず巨大資本と競争するのは止めた方が良いです。すでに勝負はついています。私達は基本に返り、自分たちの絶対的な強みに集中するべきではないでしょうか。

人間の強みは会話力です。

「どんな話題をするのか、何を質問するのか、どんなリアクションをするのか?」会話を盛り上げつつ、お客様に喋ってもらうニーズを聞き出していく。少し職人技ですが、これこそが営業で一番重要な事です。

もちろん言葉にならない表情や喋り方から本音か否かを見極めたり、言葉の意味を嗅ぎ取ったりすることで情報の正確性も変わります。メールや電話でも聞き出せない、そんな情報を訪問して会話して聞き出す為にこそ営業は存在しています。

AIやネットが進化した時代に訪問する意味はそれしかありません。 

1.顧客が気が付いていないニーズを見つけ出す
2.ニーズをウォンツに変える手法を生み出す

ferret:
そう考えると逆にAI時代に最後まで残る仕事は、営業かもしれないということですね。

別所 氏:
例えば、関西のお客さまは必ず値引きを要求して来ると言われています。実は私も関西人なのですが「まけて!」なんて言いません。

でも期待されるので百貨店とかでシャレで言ってみたりします。そんな時にシャレで返されると笑って話が終わるのですが、真面目に「無理です」って言われると、つい頑張っちゃいますね(笑)

最後は値切って買いますけど、本当は疲れるのでやりたく無いんです。そんな関西人気質を知っているので私は「まけて!」と言われたら笑って「体で返します」って言います。

本当に私がコンサルタントとして行ったら時間単価はその方が高いので割りに合わないですけど、大体そこで笑ってもらって話は終わります。

これもお客様の表情をみて、どこまで本音なのかを見極めなくてはいけません。
「お客様が値引きを要求しています」なんて上司に報告するのは馬鹿な営業、買う気が有るのか、買えるのか、値引きの変わりに何を貰うのか。

営業は本当に楽しい仕事ですよ。

ferret:
営業は頭脳労働ということですね。

別所 氏:
それにプラスして、観察力ですね。

喋りながら、観察し情報を集める。そのオフィスに出入りしている他の会社の人、社員の服装や持ち物の値段。オフィスの椅子や机の値段、内装の値段、家賃の値段。 

最近はGoogleのストリートビューでビルの外観が見えるので行かなくて色々と分かりますけど、実際に行って同じビルの他のテナントを見ると分かる事も多いですよ。

事前に決算書などを読んで仮説を立てておくと、色々見えてきます。
売上は幾らで、従業員は何人、一人当たり給与は幾ら、なんて事の仮説を立ててから訪問すると楽しいですよね。

当たったとか想定外とか色々発見が有って本当に楽しいですよね。

SFAは不要

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ferret:
御社はSFAを販売していますよね?

別所 氏:
cyzenは、SFAでもCRMでもありません。SFAとしては機能的に10%ぐらいしかカバーしていませんし、逆に営業以外の業務でも使えます。

そもそもSFA生み出した会社の嘘に騙されているだけです。

ferret:
嘘ですか?

別所 氏:
私も以前は何も考えずに誰かの嘘の片棒を担いだ事があります。

例えば、DWHってのが20年以上前に流行りました。
ウォールマートが購買データを分析したら「紙おむつを買うお客様はビールをケースで買って行く率が高い」事を発見し2つを横に並べたら売上が倍増したとか。そんな伝説を元にDWHの導入を手助けしていました。

これは元々POSデータが有ったからできた話です。
また、POSは元々はレジ業務をバーコードリーダーで誰でも1時間も説明を受ければできる様にする為に導入したら、バーコードを読んだ時点で何が何個売れたか分かり「店頭在庫が無くなったから倉庫から出して」「この商品は凄く売れているので倍注文しなきゃ」なんてことが分かる様になった。 

しかしそれは、現場業務をデジタルで効率化した副産物です。CRMは元々はコールセンターのCTIで、お客様からの電話を誰でもパソコンの画面を読むだけで対応できるようにした。

すると顧客の状況がデジタルで残る様になったので分析し、より戦略的で能動的な販促ができる様にしたのがCRMです。SFAの問題は、営業現場をデジタルで効率化していないだけでなく、現場の正確なデータが取れていないのに分析だけを提供していることです。

バーコードリーダーを導入せずに、神業でレジを打っている人に、何が何個売れたか横のパソコンに打ち込めと言っているのと同じです。SFAは営業の生産性が下がるだけのゴミです。

ferret:
かなり辛口な意見ですね。

別所 氏:
もちろんデータが溜まれば分析は必要です。ですが分析ツールは色々あるので、私達がやる必要はないと思っています。

それよりも私達は、営業現場を如何にデジタルで効率化するか、そして報告の為ではなく自分が売上を増やす為に行っている行為から営業の状況を把握する事は実現できます。

AIが普及するとさらに高い精度で分析できる様になる筈です。

マネージャーは不要

ferret:
営業部のマネージャーに関して、どうお考えでしょうか?

別所 氏:
マネージャーの仕事が管理なら不要です。現状は、上層部への報告の為に情報を集めて整理しているだけのマネージャーが多いですね。

その為に報告書を書かせるのが仕事になっているマネージャーは多いと思います。上場企業では特に、四半期の予実を合わせる為に早く正確に数字をまとめて上げる事が、管理職に求められていますからね。

ferret:
大切な仕事ですよね。

別所 氏:
でも私達はマネージャーを無くせると信じています。
マネージャーの仕事は主に以下です。

-上司への報告の為に現場営業マンに報告書を書かせ、まとめて報告する
-部下の精神的ケア、やる気の向上
-顧客情報から状況を判断する
-戦術を生み出す、戦術を選び作戦を立てる

 
現場をデジタルで効率化し、報告書を書かせる仕事から開放して、マネージャーには状況分析と戦術創造、作戦立案に集中してもらうことが重要だと考えています。

でもそうなると今のマネージャーは1/10に減るかもしれませんね。

ferret:
本来マネジャーの仕事ってそういうことですよね。

別所 氏:
そうなんですよ。スマートフォンの機能をフルに活用したアプリで「現場」支援し続ける、それが私達の使命です。

情報システム部が会社の成長の足を引っ張る

別所 氏:
最近は情報システム部が無い会社も多くなっています。その理由として、情報システム部が会社の成長の足を引っ張るからです。

30〜40年前にだれもキーボードが打てなくて、キーパンチをする為の部署が必要で電算室ができました。さらに使いにくいシステムを使う仕事になり、社内で独自のシステムを作り始めてプログラマーを雇い始めて電算室が情報システム部と名前が変わりました。 

ferret:
ではなぜ、情報システム部が成長の阻害要因なのでしょうか?

別所 氏:
システムを作ったから雇用がうまれたのですが、雇用を守る為にシステムを作り始めてしまったからです。

ある銀行2つが合併して、機能が優れた方のシステムを残して片方を停止し、停止された方のシステム子会社は売却されました。

違う2行では最新で機能が優れたシステムを止めて、古い方を残しましたが、理由は力が強い方の銀行のシステム部の雇用を守った為です。

3行が合併した案件では3つとも強引に残して連携する様にしたので開発に莫大なお金が掛かり、維持費は下がらず意味の無い合併に成りました。それは、3つの情報システム部を残すためです。

銀行だけでなく多くの企業で情報システム部の雇用を守る為にシステムが作られてます。

ferret:
それだと、業績は下がりますよね?

別所 氏:
その後の業績は想像通りです。
一般の企業でもそうですが、情報システム部は自分たちが居なければ困るフルスクラッチのシステムを作りたがります。

また、付き合いの有るシステム会社に発注したがります。会社の発展業績よりも自分の存在理由、自分の雇用を守る事を本能的に行います、人間ですから。

さらに営業の人達は売上を増やす、チャンスを攻めるのが基本ですが、情報システム部はリスクを最大限避ける選定をします。

こんなリスクがありますとか、こんな事故がありました、とか言って。 

事実は、「自分の仕事が増えない様に、でも自分が頼られる、問題が起きたときの言い訳ができる」そんな選定を行います。見た事ないですか?機能一覧に○とか△×をつけたマトリックスで、○が多いからこれにしなさいと。

ferret:
家電を買う時のイメージに近いですね(笑)

別所 氏:
そうですね、私も家電を買うときは時々やりますし(笑)
ちなみに我が家では「迷ったら格好いい方を買え」が合い言葉です。

結局、「何がある無い・どんな欠点がある無い」ではなくて、他には無い強烈な魅力が有る事が重要です。  

ferret:
なんで「迷ったら格好いい方を買え」なのでしょうか?

別所 氏:
使いにくくても、使わなくても格好良かったらオブジェとしての価値が有るでしょ。絵とか彫刻とか花を飾るのと同じです。だいぶ話がそれてますね。

話を戻しますと、そもそもエンジニアで情報システム部に行きたがる人は居ません。必要なのはCIOです。企業の情報システムを作る人達ではなく、企業の情報システム活用の戦略を立てる人です。

そして何よりも営業部や経営企画など、売上増や成長にコミットしている人達が自分で選び自分使いこなすのが一番です。

ferret:
それがcyzenということでしょうか?

別所 氏:
と言いたいところですが、まだまだ難しいところもありますし、機能的には全く足りていません。
しかし毎月改善しており、よりよいサービスにしていこうと考えています。

今までの話をまとめますと我々cyzenは、3つの"NO"を掲げています。

  1. NO PC
  2. NO Manager
  3. NO 情報システム部

AI時代の営業を支える営業支援システムとしてcyzenは、営業マンが1日に何度も立ち上げたくなるサービスを目指しています。

具体的に我々のライバルは、セールスフォースではなく、「ポケモンGO」や「メルカリ」だと開発チームには言っています。移動中の電車の中や歩いている途中でスマホをのぞき込むと、これらのサービスをやっているサラリーマンの方は多いですから。まずは、cyzenを何度も立ち上げてもらって、売上向上にもっと貢献したいですね。

そして、営業マンにとって今後より大切な仕事となる顧客のニーズをウォンツに変えるための、クリエイティビティを引き出すツールに「cyzen」はなりたい。

例えば、面倒な日報業務を軽くし、覚えなくてはならない情報もスマホに収め、現場の「働くをもっと、楽しく」を実現すれば、営業マンの思考も柔軟になってまさに人間でしかできない仕事・・・「創造力の高い仕事」ができると信じています。

現場が嬉しい、運用担当が嬉しい、経営者が嬉しいツール。導入企業1,200社を超えるスマホSFA「cyzen」

月々1人800円~利用できる、スマホSFA「cyzen」

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参考:cyzen

cyzenとは、直感的な操作性・必要情報を即時表示させる仕様・スピード業務報告など、外出先の営業マンの利便性を考えた、現場の営業マン向けスマホSFAです。月々1人あたり800円(税込 or 税抜)からの利用できます。

「cyzen」がつくりだす、スマートなワークライフ。
「cyzen」は、営業の成約率10~50%アップに役立ちます。

機能は大きく以下の5つです。

1.アプリの地図上でお客様を見ることができる

顧客情報がSFAアプリの地図上に表示されるため、簡単に素早く検索できます。

今までの、エクセル管理の顧客情報を地図に置き換えて訪問するという面倒な”手間”から解放されます。

2.行動を見える化

GPS機能とスタッフのステータス管理機能があるため、誰が何処で何のアクションをしたか行動を見える化することができます。

このことで、安心して直行直帰型業務に切り替え可能です。

3.報告業務がカンタン

営業マンは業務報告を行うためだけに帰社する必要はなく、出先からスマホアプリで即時報告ができます。

4.営業マンのスケジュール進捗も楽々確認

スマホから「打ち合わせ中・作業中・移動中」などのステータスを記録することができますから、「直行直帰」も楽々です。

また、Googleカレンダーとの連携も可能です。

5.訪問先ルート検索ができる

現在地から顧客までの訪問ルートを表示することができるので、移動時間にパッと確認可能です。

まとめ 

テクノロジーやデバイスの進化によって、営業組織をより簡略化できると考えている人は多いのではないでしょうか。

それに加え、別所氏は「マネジャーが行っている殆どの仕事は不要になる」と語ったように、ただ管理をするのではなく、現状分析や戦術創造をすることが重要と感じている人も多いでしょう。

「より営業マンの成果をあげる仕組みを作りたい」、「現場主導で成果をあげる組織を作りたい」、「営業マンの訪問件数と売り上げをすぐに上げたい」と考えている方は、cyzenを検討してみてはいかがでしょうか。