会社員であれ、フリーランスであれ、多くの人はマルチタスクに働いています。同時並行するプロジェクトの進捗を頭だけで管理するには限界があり、ましてやチームメンバーの動きを完全に把握するのは至難の業。

そこで役立つのが、ビジネス管理ツール。最近では日本でも、プロジェクトの進捗を可視化するためのITツールを導入する企業が増加しています。

なかでも、近年グローバル市場で存在感を高めているのが「monday.com」
monday.comはイスラエルのスタートアップ企業で、2014年のローンチから右肩上がりで顧客を増やし、現在は世界145カ国、約30,000社にまで導入企業数が拡大しています(2018年8月時点)。

その中には、アディダス、AT&T、Samsung、Uber、WeWorkなどのナショナル企業も。

日本では、2018年5月に株式会社ギャプライズとパートナーシップを結び、本格的に日本企業へのサービス提供を開始しました。

今回は、monday.com社のHead of Partnerships & Business DevelopmentのAsaf Fradkin氏と、Partnerships ManagerのElina Papernaya氏が来日。それに合わせ、ferretが日本初となるmonday.com社へのインタビューを実施しました。

「monday.com」はどんなツール?

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ferret:
「monday.com」がどのようなサービスなのかを簡単に説明していただけますか?

Elina氏:
monday.comは、チームマネジメントやプロジェクト管理、コミュニケーション、生産性向上を助けるビジネス管理ツールです。一つのプロジェクトの中にも、さまざまなタスクがあります。

従来はタスクの指示出しや進捗確認をメールや口頭で行われていたものを、同じプラットフォーム上で行っていく。そうすることで、タスクの担当者や進捗などを可視化でき、マネージャはチームマネジメントをしやすく、個人は仕事の抜け漏れを防ぐことができます。

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ferret:
いくつかの競合サービスがある中で、monday.comの強みは何ですか?

Elina氏:
monday.comの特長は、ビジュアルとカスタマイズ性です。カラフルなデザインは仕事の進捗が一目で分かりやすいですし、カスタマイズするにも難しい操作は必要なく、ドラッグ&ドロップで済みます。

直感的に利用できる「分かりやすさ」がセールスポイントですね。ビジネス管理ツールは、ビジュアルとカスタマイズ性が反比例の関係になっていることが多いです。見やすいけれどもカスタマイズできない、カスタマイズできるけど見づらいといったように。どちらも持ち合わせているのがmonday.comの強みですね。

Asaf氏:
当社は従業員の50%以上がR&Dなので、開発には特に力を入れています。人材への投資を惜しまないことで、このビジュアルとカスタマイズ性を両立させているのです。

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ferret:
世界中に約30,000社のクライアントがいるとのことですが、業種に特徴はありますか?

Asaf氏:
ITビジネスツールというと、スタートアップやIT企業のものという印象があるかもしれませんが、monday.comの7割のクライアントは非IT企業なんです。直感的に使える点が、ソフトウェアに慣れていないユーザーにも受け入れられている理由だと考えています。

業種別でみるとマーケティング関連の方々からの問い合わせは非常に多いですが、本当にバラバラです。変わり種だと花屋さんの仕入れ管理や、教会の寄付金集めにも使っていただいているくらい。

カスタマイズ性が高いのでどんな業務や組織にも対応しやすく、人事担当者は応募者管理ツールのように使っていますし、フリーランスの人たちはクライアント別に受発注や進捗を記録していますね。

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Elina氏:
個人的にオススメの機能はタイマー。monday.com上にタイマー機能と時間を記入する箇所を設けることができるので、「この業務にどれくらいの時間がかかったか」という普段いい加減になっている部分さえ可視化できるのです。

「月曜日」は世界共通言語だった

ferret:
monday.com社はどのように立ち上がったのでしょうか?

Asaf氏:
設立当初の2012年頃は、社会にあらゆるITツールのカスタマイズ性が低く、少し使いにくいところがありました。効率性を上げるためのツールのはずなのに、ツールが私たちに合わせるのではなく、ユーザーである私たちがツールに合わせなければいけなかったのです。

それにどこの会社でも、誰が何をしているか分からない状態。コミュニケーションが上手な人にばかり仕事が多く行き渡ってしまう業務配分の非対称さがあちこちで起きていました。そこで立ち上がったのが私たちのサービス、当時は「dapulse」というサービス名で売り出していました。

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ferret:
2017年12月に「dapulse」から「monday」に社名変更をしていますが、どのような目的でしょうか?もともとのdapulseにどのような意味が込められていたかもお聞きしたいです。

Asaf氏:
まさにそれが社名変更を行った理由です。「dapulse」と聞いても、どんなサービスなのかがまるで浮かばないのです。一方、「月曜日」の概念は世界共通です。

週の始まりに受信ボックスに溜まったEメールをさばいていたら、それだけで1日が終わってしまう……。なんとなく憂鬱なイメージのある月曜日を、私たちのツールで快適に過ごしてもらいたいという想いが込められています。

それに、サービス内容と結びつきやすいことも理由の一つです。mondayは、1週間の始まりやプロジェクトの始まりを指し示す言葉なので、プロジェクトマネジメントやコミュニケーション、生産性向上に寄与するサービスであるイメージと結びつきやすい。

よりグローバルに展開していくことを考慮しても、分かりやすいサービス名であることは必須でした。

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ferret:
確かに「monday」は分かりやすいですが、一方でSEO的には大変だったのではないでしょうか?

Asaf氏:
私たちもそう思ったんです。SEOが最大の懸念点だったのですが、社名変更からたった2週間で検索トップに躍り出たんです。おそらくアメリカのようなクライアントの多い地域では、「monday」と検索して最もクリックされるのが私たちのサービスだったことから、急速に信頼が積みあがったのだと思います。魔法みたいでした(笑)。

ferret:
これまでmonday.comはどのように成長してきたのでしょう?

Asaf氏:
かなり順調です。2014年のローンチから、前年比約3倍の売上を毎年キープしています。2018年も7月時点ですでに前年の約2倍を売り上げているので、おそらく今年も前年比約3倍という結果になると見込んでいます。

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「monday.com」は、日本の組織文化とも親和性が高い

ferret:
なぜ日本への本格参入を決めたのですか?

Elina氏:日本のマーケットには可能性を感じていました。日本での販路を考えていたところに、株式会社ギャプライズと出会ったのです。日本のマーケティング事情を知っている同社と組むことは、弊社としてもメリットが大きいため、今回の業務提携に至りました。

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ferret:
世界から見ると、日本のマーケットは巨大とも言いづらい部分があると思うのですが、どんなところに可能性を感じたのでしょう?

Elina氏:
東京ってものすごい数の会社が密集しているじゃないですか。それに日本人は、テクノロジーが好きな人が多いように思っていて。新しい技術や考え方への適応能力も高い人たちなので、monday.comのカラフルなビジュアルとシンプルな操作性は、きっと好きになってもらえるはずだと考えました。

Asaf氏:
日本企業は世界と比較しても、組織構造や役割機能が整っているんですよね。だから、オーガナイズされた日本企業の文化にもフィットするだろうと。それから、日本人に限らないかもしれませんが「ビジュアルドリブン」な気質がありますよね。そこに、親和性の高さを感じました。初動も良いですし、日本でもきっと多くの人に使っていただけるだろうと信じています。

――ありがとうございました!

説明をお聞きしながら、monday.comのデモ画面を見せてもらいました。チームメンバーのタスクマネジメントやコミュニケーションはもちろん、Excel、Google Drive、Dropbox、Trelloなど、外部サービスとの連携もスムーズでした。

また、monday.comの使い方をシェアし合えるコミュニティもあり、カスタマイズ性の高さを活かしたアイデアをユーザー間で送り合うこともできます。今後、monday.comがどのように日本企業に浸透していくのかとても楽しみです。

Written & Interviewed by ニシブマリエ