ファッション通販サイト 「ZOZOTOWN」を運営する株式会社スタートトゥデイが2018年10月1日、株式会社ZOZO(以下ZOZO)へ社名変更しました。

同社は今回の社名変更で、さらなるブランド強化を目指しています。それでは社名変更とブランディングには、どのような関係があるのでしょうか。

今回は、社名変更がブランディングもたらす影響について解説します。

参考:
社名変更のお知らせ

「スタートトゥデイ」から「ZOZO」へ

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引用:株式会社ZOZO | ZOZO, Inc.

2018年10月1日、株式会社スタートトゥデイは株式会社ZOZOへ社名変更したと発表しました。

ECサイト名にも使われている「ZOZO」という言葉には、新しい価値を生み出す、想像(Imagination)と創造(Creation)の行き交いという意味が込められています。

社名変更と同時にコーポレートロゴもプライベートブランド「ZOZO」のロゴとなり、新たな社名・ロゴでの認識づけをしています。

さらなるグローバル展開を見据えた社名変更

同社の調査によると「ZOZOTOWN」の認知度は93.1%であったのに対し、「スタートトゥデイ」の認知度は19.6%であり、サービス名に対して企業名の認知度が大きく下回っています。

社名を認知度の高いサービス名に変更することで、より企業としての認知度を高めるとともに、日本最大級のファッションECサイトである「ZOZOTOWN」のもつブランドイメージを企業イメージにも浸透させようとしているのでしょう。

参考:
株式会社スタートトゥデイ、「株式会社ZOZO」へ - 株式会社ZOZO

ブランディング手法としての社名変更

それでは、社名の変更はブランディングにおいてはどのような意味をもたらすのでしょうか。

社名変更のメリットとデメリットとして以下の点が挙げられます。

社名変更のメリット

1.認知度の向上

「普段利用している商品やサービスの名前は覚えていても、それを提供している企業名は知らない」ということはよくあるでしょう。

社名を提供サービス名や商品名にすることで、その商品やサービスのもつブランドイメージを社名に利用できます。

2.新規層への認知度の向上

企業規模が大きい会社の社名変更は、ニュースとして報じられることが多いです。

そうなれば社名そのものが提供サービスとともに大きく取り上げられ、高い宣伝効果が期待できます。

3.新規市場の開拓

新たな市場やターゲットの開拓に対しても、社名変更は大きなメリットをもたらします。

社名変更をするとこれまでのイメージを刷新し、新たな企業ブランドで事業展開ができるでしょう。

特に、これまでの社名で狙っていた市場をさらに広げていく際には有効です。

社名変更のデメリット

1.コストがかかる

社名変更にあたっては多額のコストがかかります。

内訳としては広告や看板、名刺などの変更だけでなく、これまでのシステムなどを含めた大規模な改修が必要とされるため、多額の費用が必要となる場合があります。

2.顧客への影響

社名変更によって、これまでの社名に対して抱いていたイメージが変わってしまい、既存顧客に影響をもたらす場合もあります。

また、社名が変更されることによって認知度が落ちてしまう可能性も否定できません。社名変更の際にはきちんと顧客に対して周知させる必要があるといえるでしょう。

過去の社名変更事例

「ZOZO」以外にも、有名企業が会社名を変更した事例はあります。

ブランド名を社名に変更した企業事例をいくつか紹介します。

SUBARUのケース

SUBARUは2017年4月1日より、社名を「富士重工業株式会社」から「株式会社SUBARU」に変更しました。

この社名変更により、社名とブランド名の統一し、現在取り組んでいる“スバルブランドを磨く”ことをさらに加速させ、スバルを自動車と航空宇宙事業における魅力あるグローバルブランドとして成長させていくと発表しています。

参考:
「株式会社SUBARU」への社名変更が正式決定

パナソニックのケース

パナソニックは2008年10月1日付で社名を「松下電器産業株式会社」から「パナソニック株式会社」に変更しました。

この社名変更・ブランド統一は、真のグローバル企業を目指す決意の表明であるとし、中期計画「GP3計画」(Global Progress,Global Profit,Global Panasonic)の必達、更に「グローバルエクセレンス」への飛躍を目指すと発表しています。

参考:
松下電器産業株式会社が「パナソニック株式会社」に社名を変更

グローバルで通用するZOZOを目指して

今回の社名変更は、計画をしているグローバル展開に向けて、ZOZOTOWNのもつブランド力を利用して新たな市場を開拓してくための1つの手段だと言えます。

今後、グローバルで通用する「ZOZO」ブランドがどのように育って行くのかに注目です。