自社のブランドを強化するために

先ほど紹介した6つの要素を自社のブランドを強化するために使用するには、一体どうしたらいいでしょう。以下は、Interbrand社の提唱する6つの要素を、みなさんのブランドに当てはめて考えられるよう質問文に置き換えたものです。

自社のブランドを想像しながら、それぞれの質問に答えてみてください。

1.Authenticity(本物)
→ 他社にはない技術や特徴は何か。そして、その技術や特徴は、どのような消費者の期待に応えることができるか。

2.Relevance(つながり)
→  1であげた技術や特徴は、特定の年代、性別、エリアの消費者のみが持つニーズや願望を満たすのではなく、ありとあらゆる消費者のニーズや願望をどう満たすことができるか。

3.Differenciation(差別化)
→  コミュニケーション・メッセージや商品・サービスを通じて、消費者はどんなブランドの「独自性」を経験することができるか。

4.Consistency(一貫性)
→ デザイン、カラー、シェイプなど、全てのタッチポイントにおいて一貫性があるか。

5.Presence(存在感)
→ さまざまな場所で目にされる仕掛けを持ち、且つ常に話題性を持っているか。

6.Engagement(エンゲージメント)
→ その商品またはサービスを日常的に使用している姿を消費者に想像させることができるか。

私のブランド・コンサルタントとしての経験から言えることは、これらの質問に答えることは、簡単なように見えて非常に難しいということです。それは、成功しているブランドの持つ強みや特徴を、自分たちのブランドが市場で評価されている強みや特徴と勘違いしてしまうことがあるからです。

忘れないでください。その強みや特徴は他社のものあり、自社の強みではありません。つまり、ブランドにとって最も重要なのは「独自性」であり、それはありとあらゆるタッチポイントで表現されている必要があるのです。

次回は「独自性」を見つけるうえで重要な役割を果たす、消費者調査についてお話しします。

ブランド強化のためには独自性を見出す必要がある

強いブランドは、ブランドの持つ強みや特徴を十分に理解し、それらを商品の形や色、パッケージ、そして店舗の雰囲気など、ありとあらゆるタッチポイントを通じて一貫性を持って発信しています。

また、限定したターゲットイメージを与えず、そのブランドに触れた全ての消費者が、自分自身が購入・使用しているイメージを抱けるよう考えられています。自社のブランドを強化したい場合は、成功しているブランドを真似るのではなく、米国Interbrand社が提唱する対外的にブランドを強化する6つの要素について検討し、自社の「独自性」を見出す必要があります。