今や誰もが知る大企業でも、現在行なっている事業と創業時の事業が異なっていることがあります。その理由は、時代に合わせて事業転換を行ったためです。

しかし、今まで続けてきた事業から別の事業に移行するのは大きなリスクを伴うもの。どうやって事業転換を成功させたのでしょうか?

今回は事業転換に成功した企業事例をご紹介します。

富士フィルム

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富士フィルムは1934年に設立されてから写真フィルムなどを製造し、1980年代に世界初のフルデジタルカメラを発表。しかしその後は他社もデジタルカメラの販売を開始し、富士フィルムの売上が減少していきました。

そこで目を付けたのが化粧品・医薬品事業です。実はフィルムの主原料はコラーゲンであり、フィルムの劣化を防ぐ抗酸化技術はアンチエイジングにも活用可能。フィルム開発で磨き上げた薬品技術も医薬品に活用できたのです。

既存事業と新規事業の親和性が高く、連続性もあったことが成功のカギとなりました。

参考:
沿革・歴史|富士フィルム

ローソン

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ローソンの看板がなぜ牛乳なのかをご存知でしょうか?ローソンの歴史は1939年アメリカの酪農家が作った「ミルクショップローソン」が始まりです。言わば街の牛乳屋さんで、新鮮で美味しいと評判でした。

経営が軌道に乗ったところで、事業拡大をするため牛乳以外の日用品も取り扱うことに。そして1959年に買収され、初めてコンビニの運営システムが取り入れられたのです。

トントン拍子に成功したように見えるローソンですが、原点となる牛乳や牛乳を使ったスイーツには常にこだわりがあります。その軸があったからこそ、熾烈なコンビニ競争の中で生き残り、多くの消費者に支持されてきたと言えるでしょう。

参考:
ローソンの歴史 - 沿革|ローソン公式サイト

任天堂

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任天堂といえば子供から大人まで幅広い世代を虜にしているゲームメーカー。現在は3DSやSwitchなどデジタルのゲーム機やソフトの開発・販売がコア事業になっていますが、創業当初は花札やトランプなどのカードゲーム会社でした。

1889年に花札の製造を開始。しかし1960年代にはカードゲーム産業が衰退し始め、窮地に立たされることになります。

そこでアナログの玩具から電動式の玩具を開発。そして当時はブルーオーシャンだったエレクトロニクス玩具に注力していきました。

1983年には家庭用ゲーム機「ファミリーコンピューター」を開発して、今では誰もが知る有名企業になったのです。

参考:会社情報:会社の沿革|任天堂