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エン・ジャパンが企業を対象に行った「過重労働」に関するアンケートによると、過去1年間において過労死ラインとされる月間80時間以上の残業を行なった社員がいる企業は40%あったと言います。過重労働防止に取り組む企業は全体の74%であり、まだすべての企業が過重労働を問題視し対策を行なっているとは言えない状況です。

参考:
エン・ジャパン株式会社「過重労働」に関するアンケート調査

社員の過重労働を防ぐため、企業では労務管理が行われます。社員の勤怠状況を管理し過剰な労働を行なっていないか注意します。労務管理をしっかり行なっている会社でも、過重労働が発生しないとは限りません。労務管理の体制によって十分な管理ができない可能性があります。労働において発生する問題は、企業の将来に関わる大きな問題に発展してしまう恐れがあるため注意が必要です。

今回は労務管理の問題になりそうなこと、気をつけるべきことをピックアップし紹介します。

目次

  1. 労務管理で問題となること
  2. 労務管理の問題は会社の将来に影響する?
  3. 労務管理の問題を抑制すると得られる効果
  4. まとめ

労務管理で問題となること

労務管理で問題となること

労務管理は従業員と企業の信頼関係に強く影響する大切な業務です。不要なトラブルを避け、従業員が業務に邁進できるように管理しなければいけません。労務管理の代表的な業務をピックアップし問題になりそうなことを記述します。

労働契約のトラブルになりそうなポイントに注意する

労働契約は入社時に社員との労働条件を定める大切な契約です。企業と社員の双方合意で契約が成立しますが、内容が曖昧なまま契約してしまうと後に問題が発生する恐れがあります。手当・昇給・退職金、賞与など報酬に関わる部分や、有給休暇、休職などの休暇取得に関わる部分には特に注意が必要です。インセンティブの計算も具体的な算出方法や締め日、支払日も明確にするべきです。

支払う旨だけでは人によって解釈が異なる可能性があります。また、転勤、異動、転籍、出向なども誤解が生じると大変です。出向の場合は事前に労働契約により本人の承諾を得る必要があるため、気をつけなければいけません。

就業規則の変更は従業員に不利益にならないように注意する

就業規則は、労働基準法第89条により、常に10名以上の労働者がいる場合に作成しなければいけません。作成して終わりではなく、労働基準監督署長への申し出が必要です。

就業規則を変更する場合も企業が勝手に変更できるわけではなく、労働者の合意が必要です。変更内容が従業員にとって不利な内容である場合、法律的に認められない可能性が高いため気をつけなければいけません。

就業規則の変更は、従業員の理解を促すことが大切です。万が一トラブルになり、裁判が発生してしまった場合、無効とされてしまう場合もあります。

煩雑さからミスが生じやすい社会保険の手続きに注意する

労務管理の業務の中でも社会保険の手続きは煩雑であり、気をつけなければいけないことが多数あります。

従業員を採用し入社する際、必要な手続きであるため、企業運営において欠かせない業務の一つでもあります。新卒採用を行なっている会社は、時期を集中して社会保険の手続きが発生します。必要書類を作成し年金事務所などの該当窓口に期限を守って提出しなければいけません。

健康保険の手続きにおいては、扶養家族がいる場合には健康保険被扶養者届も作成するなど従業員により異なる対応も必要です。社会保険の手続きにおいて、問題が発生しそうなことの一つに煩雑な業務から生じるミスが挙げられます。時間の負荷も大きくかかるため労務管理システムを導入するなどの対策は講じるべきでしょう。

勤怠管理は問題になりやすいのため正確な記録が大切

勤怠管理は従業員の出勤および退勤の時間、残業時間や休暇取得など労働時間を管理することです。過剰労働を行なっていないか等、従業員の労働状況の把握に役立ちます。

勤怠管理システムといったITツールにより正確な勤怠管理を行なっている場合は問題ありませんが、勤怠時刻を従業員ごとに手書きで勤務表に記入する場合や、出張などで外出時には勤怠時間を後で自己申告する場合は正確さに欠けます。不正確になりそうな勤怠管理は問題発生の原因になる恐れがあり避けたいところです。

給与計算はミスを避けるためツール利用の検討が大切

給与計算は、従業員の勤怠データや労働契約の内容に基づいて給与を支給するため、従業員ごとに異なるものです。労働基準法や税に関する知識も必要になり、知識と正確さが必要とされる業務です。

法改正が発生すると、改正内容に準じた対応が必要となるため注意点が増えてしまいます。給与を支給された従業員が計算ミスに気づかず長期的に間違えた給与計算を継続してしまう等、後に従業員との間で問題になってしまうミスもあるため注意が必要です。

給与計算時のマンパワー問題の解消のためアウトソーシングや労務管理システムを導入するのも問題防止の一つです。

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職場環境による問題が発生しないように労働状態を常時把握する

従業員が業務において十分なパフォーマンスを発揮できるかは職場環境による影響も多くあります。労働環境に問題を抱えていると本来の能力を発揮するどころか、精神面および健康面のそれぞれにおいてバランスを崩し、満足に業務継続できなくなります。

ワークライフバランスを保つためにも、残業時間が適切であるか、勤怠に乱れがないかといった労働状況を把握し、離職予防をしなければいけません。有給休暇を取りやすい社内ルールづくりを検討するのも改善手法の一つです。

勤怠状況に関しては勤怠管理システムで把握できますが、パワハラなどによる職場環境の問題は、すぐに気づけるように相談体制を構築するといった手段を講じる必要があります。

労務管理の問題は会社の将来に影響する?

労務管理の問題は会社の将来に影響する?

労務管理は企業の核とも言える従業員と強く関係しているため、労務管理に問題が生じると、労働力である従業員が会社から離れて行ってしまいます。

それだけではなく、ブラック企業などと言われてしまう可能性もあり、会社の印象に大きく影響する恐れがあります。入社志願者が減少してしまい、会社の未来を創る有能な従業員を採用できなくなってしまうといったマイナスな影響を懸念します。そのため、従業員と会社の関係は、常に誠実である必要があります。

労務管理を正しく行えない原因の一つは、仕組みができていないことです。事業場の管理者の独断でイレギュラーを作ってしまうと、正確な労務管理とは程遠い管理状態になります。管理者により不当な残業を強いている場合もあるかもしれませんし、残業が正しく記録されていないなど、属人的な管理体制が当然のように行われるのは危険です。

トラブル発生の心配がない労務管理体制を構築するための手段として、労務管理システムの利用など各種サービスの導入を検討し、仕組みづくりを行うのも一つの手段でしょう。

労務管理の問題を抑制すると得られる効果

労務管理において問題が発生しないように、日常的に取り組むことで得られる成果は数多くあります。労務管理の品質を保つのは大変ですが、その分のメリットも大きいため、代表的な効果を確認しましょう。

社員のモチベーションアップが期待できる

労務管理が徹底していることで、社員は安心して働けるようになります。会社と従業員の信頼関係が強まると、社員は自らの仕事に集中でき、目標達成を目指して精力的に取り組めるようになります。

会社の評判が良くなる

職場環境が良いと従業員を経由して、働きやすい会社であるという情報が広がりやすくなります。入社志願者の増加が期待でき、自社にとって有益な人材を採用できるチャンスに恵まれやすくなります。

モラルのある職場になる

労務環境が整うとモラルのある職場となり雰囲気も良くなります。誠実な会社づくりの根底には社員の姿勢も大切です。モラルの職場づくりは社風にも良い影響があるでしょう。

労務管理の担当者が働きやすくなる

労務管理が効率的に行える環境を構築すると労務担当の業務負担が軽減し、より正確な業務遂行はもちろん、新たな気づきができ、さらなる改善が期待できます。バックオフィスの体制強化は会社を内側から強くする有効な手段です。

まとめ

多岐にわたる業務がある労務管理は、担当する部門としても対応に追われる大変な役割です。従業員の人数が多い会社にとっては、アナログな対応は現実的ではなく、労務管理システムといった専門性の高いITツールの活用が現実的な問題解決につながるでしょう。

労務管理の仕事はシステム利用だけで、完璧にカバーできるわけではありません。知識と経験を持ち、日々の獲得したノウハウのもと、人間が判断しなければいけないことが多数あります。職場環境の改善においても、システムだけですべての問題を把握し適切に判断できるわけではなく、判断の材料を得ると考えるのが妥当です。最終的には人間による問題解決が必要になります。

今回ピックアップした以上に労務管理における問題および気をつけるべきことはたくさんあります。社会保険の手続きといった労務管理システムを使うことで作成と提出が圧倒的に楽になることは、労務管理システムを積極的に利用するのが得策でしょう。

労務管理における問題の発生は、従業員と会社の関係を悪化させてしまうだけではなく、会社のイメージダウンにつながりブランド力の低下、そして企業競争力の低下にまで発展してしまう可能性があります。労働分野は訴訟になるなど、問題が長期化するケースもあるため、労務管理には余裕を持ち、常に効率的に業務を進めるのが得策と言えるのではないでしょうか。

多くの職場で適切な労務管理を継続でき、従業員のエネルギーを最大限に活かした事業推進ができれば幸いです。

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