業務を効率化するツールRPA・AI・botの違いとは?
業界・業種を問わず、慢性的な人材不足は広く叫ばれており、もはや社会現象ともいえるほど。そんな今、業務を効率化するためのロボットツールであるRPAやAI、botは必須ツールと言えるでしょう。
しかし、それぞれ得意ジャンルや作業内容には違いがあります。
この記事では、RPA、AI、botの違いを詳しく説明します。
RPA / AI / botの違い
RPA・AI・botには、どのような違いがあるのでしょうか。表を交えながら紹介します。
【RPA】
主な目的 | データ入力や作業の効率化・人件費の削減をはじめ、人手不足の解消 |
---|---|
期待できる機能 | 作業内容やルールをインプットし、そのプログラム通り正確に作業を行う |
効果 | 指示通り正確に作業をすることで、ヒューマンエラーを防止。的確なデータ入力を行うことができる。今まで単純作業に従事していた人材を、他の仕事に割り当てられることで、仕事の効率化が期待できる |
システム導入企業や例 | 三菱UFJ銀行・リクルートコミュニケーションズ・日本生命・オリックスなど |
RPA(Robotic Process Automation)は、事務作業・データ入力などの単純作業や、在庫管理・発注などによく利用されています。初期設定ではコマンドに沿って一定のルールや作業を覚えさせることで運用でき、プログラミングなどの専門知識がなくても導入できるのが特徴です。業界や会社の規模を問わず、世界でも多く導入されているロボットです。
メリットとしては、
- 指示されたとおりに働くため、ミスがない
- 人件費の1/10~1/3で導入でき、単純作業に関しては人間より精度が高い
- 人間が行うべき単純作業が減り、その分他の業務にリソースを使える
といった点が挙げられます。
RPAは、「人間の単純作業を代行するシステム」とイメージするとわかりやすいでしょう。
▼RPAについてもっと詳しく知りたい方はこちら▼
RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)とは? 基礎知識やメリット・デメリットを解説
【AI】
主な目的 | 大規模なデータを元に、ニーズに合った最適な提案をする |
---|---|
期待できる機能 | 大量のデータを元に人工知能が最適な提案を分析・判断。タスクを実行するたびにシステムが学習を繰り返し、判断の精度を上げていく |
効果 | インプットされたデータだけでなく学習能力を活用することで、最適な作業を選択し実行する。そのため、人間よりも効率よくタスクを実行できる。また、人工知能の成長により、未来を見据えた提案などもできるようになる |
システム導入企業や例 | 各転職サイトの適職診断・Google「Google Home」・Amazon 「Amazon Eco」など |
AI(Artificial Intelligence)とは、人工知能のことです。人間の知的な判断を真似するようプログラムされており、状況に応じた判断力に優れているのが特徴です。RPAのようにあらかじめロボットにルールを覚えさせるのではなく、膨大な量の情報から自分であらゆる状況を判断し、タスクを実行します。
また、学習能力が非常に優れているため、人間と同じように知識の増加や・能力の発達が見込めます。AIの導入例として、転職サイトの適職診断・THEOなどの投資方式の事前タイプ判断などをイメージするとわかりやすいでしょう。
- ビッグデータを駆使して常に最適な判断や提案をしてくれる
- 100%に近い正確さがあり、生産性が高い
- 市場の変化やニーズをいち早く察知できる
- データの分析や収集に優れているため、現状の把握や改善能力が高い
といったメリットが挙げられます。AIはその場の状況だけでなく、実行後の将来性を見据えて、的確な判断・分析・提案をしてくれるツールなのです。
【bot】
主な目的 | 情報収集や、よくある問い合わせに答えるなど、あらかじめプログラムされたタスクを繰り返し行うこと |
---|---|
期待できる機能 | 市場データや検索エンジンにおける検索数・ヒット数などをスピーディーに情報収集。想定される顧客からの問い合わせにリアルタイムで回答する |
効果 | 膨大なデータを毎日欠かさず収集できる。SEO対策にも効果的。顧客対応における人件費・労働力を大幅に削減できる。顧客が知りたい情報・要望に対し、迅速な対応が可能 |
システム導入企業や例 | ヤマト運輸荷物問い合わせbot・ライフネット生命「ラネットくん」・Apple「Siri」など |
bot(robot)は、システムエンジニアが行ったプログラミングに基づき、決められた作業を繰り返し行うのが特徴のロボットです。検索エンジンのクローラーや、ECサイトにおける価格調査なども、botを利用しています。企業では、コールセンターの問い合わせなどの人件費削減や対応効率のアップを狙い、チャットボットを導入する企業が多い傾向にあります。
AIのような学習能力はなく、指定したプログラムでしか作動しないため、botは同じ作業をひたすら繰り返します。
botの主なメリットとしては、
- チャットボットを利用すれば、問い合わせ窓口の人件費削減に繋がる
- コールセンターよりも手軽で利用率が高く、顧客と接点を持てる
- 大量な種類やジャンルのデータを収集することで、マーケティング効果を期待できる
などが挙げられます。
botには人工知能はありませんが、チャットボットのように対人対応が可能です。また、セールスをしなくても顧客ニーズや情報を収集できるため、企業と顧客のパイプ役にもなります。社内にプログラムをしっかりできる人材がいれば、マーケティングツールとして有効活用できるでしょう。
RPAはどんなときに使うべき?
RPA・ AI・botは、人件費の削減や人員不足の解消だけでなく、ビジネスシーンにおいても高い能力を発揮するツールです。そして、その中でも特に注目されているシステムがRPAなのです。RPAの導入で期待できる、主な業務内容や効果をみてみましょう。
業務内容 | RPAによる対応例 | 効果 |
---|---|---|
財務・経理 | ・請求書の処理 ・財務レポートの作成 ・会計システムの売上伝票作成 ・給料明細の作成 |
数字・データにおけるヒューマンエラーの現象。月末や年度末に行っていた作業がなくなり、仕事効率をアップさせることができる。正確なデータを収集でき確認も楽になることで、社内データの正確性の向上も期待できる。 |
人事 | ・従業員の勤怠管理やシフトの作成 ・有給休暇や長期休暇などの申請処理や管理 ・従業員情報の入力や更新 ・人事考課の管理 |
数字・データにおけるヒューマンエラーの現象。月末や年度末に行っていた作業がなくなり、仕事効率をアップさせることができる。正確なデータを収集でき確認も楽になることで、社内データの正確性の向上も期待できる。 |
IT | ・アカウントやメールアドレスの新規作成 ・ソフトウェアのインストールや更新 ・PC機材のセットアップ ・システム情報のバックアップ |
更新やセットアップの自動化により、常にアップデートされた最新バージョンのソフトが利用できる。 |
営業 | ・名刺のスキャンや登録管理 ・顧客情報の管理や分析、対象顧客へのセールス ・類似商品のチェックや分析、商品情報のアップデート |
顧客情報を正確に管理し、購入意欲のある商品データを分析することで、そのときのニーズにあった商品をセールスできる。見込み顧客を分析し、セールス対策をすることで、さらなる利益アップにつなげられる。 |
RPAを導入すれば、業種・業界を問わず、使い方次第で高い効果が期待できます。業務効率のアップはもちろん、顧客情報の収集やデータの分析を踏まえ、状況に即したビジネス展開がしやすくなります。
また、人事業務の勤怠時刻・労働時間管理などに導入することで労働状況を把握しやすくなり、従業員がより快適で効率よく働けるよう、働き方を見直すきっかけにもなります。
RPAの導入なら、従業員の増員と違い採用業務や引き継ぎもなく、新人教育をする必要もありません。最初にルールさえ設定すれば、例えばベテランスタッフ10人で行っていた作業を、RPAと新人スタッフ1人に任せることもできるのです。
経理や人事以外にも、業界に特化したRPA導入例があります。
業界 | RPAによる対応例 |
---|---|
金融 | 各種審査や・新規口座開設などのデータ処理 |
保険 | 新規顧客作成・更新・請求処理をはじめとしたデータ処理 |
ヘルスケア | 患者情報のデータ処理やレポート作成 |
通販 | コールセンターの事案処理や商品データの照合、在庫管理や顧客データの管理 |
RPAは特定の業界だけではなく、幅広い業界において高い能力を発揮するツールといえるでしょう。
おすすめのRPA
WinActor
導入企業:日本紙パルプ商事株式会社、株式会社coenなど
【特徴】
・国産RPAツール。7つのNTT特許技術を利用して開発された
・NTTグループ社内で実際に利用し、日本企業に合うように改善を重ねたシステム
・PC実行型で、1台分から導入できる
「WinActor」は、2010年にNTTによって開発されたRPAです。様々な業界において、約2,600社の企業に導入されています。NTTの特許技術を利用し、GUI上での操作フロー作成・編集機能を採用しています。
NTT社内で実際に利用することで利便性をチェックし、IT系が得意でない人材でもシナリオを開発・改修できるように開発されています。日本企業の働き方に合わせたツールとなっており、使いやすさに定評があります。
BizRobo!
導入企業:トリンプ・インターナショナル・ジャパン株式会社、日本キャタピラー合同会社など
【特徴】
・国内NO.1のRPA導入実績をもち、大手企業採用率も高い
・Web上の大規模データ処理に強い
・複数のロボットを同時に使用でき、作業の大幅な効率化が期待できる
「 BizRobo!」は、大企業から中小企業まで、あらゆる業界で導入されているRPAです。特別な知識や技術を持たなくても、誰でも開発が可能なインターフェースを使用。また、複数のロボットを同時に使用できるため、業務拡大時にも対応できます。
端末環境に依存せずに安定性を高めるため、バックグラウンド稼働を採用。デスクトップアプリケーション・Webアプリケーションのどちらからでも利用でき、利便性が高いツールです。
【Blue Prism】
導入企業:三菱商事株式会社、株式会社ディー・エヌ・エーなど
【特徴】
・海外でも多くの会社に利用され、2017年に日本法人が活動を本格化
・高度なセキュリティ管理が得意
・インテリジェントオートメーションを採用
「Blue prism」は、国内だけでなく海外の企業でも多く導入されているRPAです。「RPA」という言葉を使い始めたのも、Blue Prismが最初だと言われています。権利管理などのセキュリティ面に優れた能力を発揮するため、医療現場や金融業界など、いわゆる「規制産業」と呼ばれる業界でも多く導入されています。
また、クラウドパッケージの変更にも問題なく対応。ロボット専用のブラウザは必要なく、一般的なWebブラウザで稼働できるため、使いやすさにも定評があるツールです。
まとめ
業務を効率化する代表的なロボットツールは、RPA・AI・botの3種類と言われています。
RPA:データ入力作業や管理など、プログラムされた作業を正確に行える
AI:人工知能を駆使して、データ分析や状況に応じて適切な判断・提案をする
bot:Webデータの収集やチャット対応など、決められた単純作業を行う
同じロボットでも、対応する目的・効果・作業内容にあ大きな違いがあります。どれを導入しても作業の効率化は期待できますが、その中でも特にRPAは効果の高いツールとして注目されています。RPAは、どのツールも日本企業の特性に合わせたシステム開発や、アップデートを繰り返しており、そういった点も魅力の1つと言えるでしょう。
将来を見据えたビジネス展開に必要なデータ収集や管理、従業員の働き方改革のためにも、人を雇うよりローコストで導入できるRPAを利用してみましょう。
- Googleとは、世界最大の検索エンジンであるGoogleを展開する米国の企業です。1998年に創業され急激に成長しました。その検索エンジンであるGoogleは、現在日本でも展開していて、日本のYahoo!Japanにも検索結果のデータを提供するなど、検索市場において圧倒的な地位を築いています。
- ビッグデータ
- ビッグデータとは、一般に、インターネットの普及とITの進化によって生まれた、事業に役立つ知見を導くためのデータのことを指します。「データの多量性」だけでなく、「多様性」があるデータを指します。
- 検索エンジン
- 検索エンジンとは、インターネット上に無数に存在するホームページのデータを集め、ユーザーにそれらを探しやすくしてくれるサービスのことです。「検索サイト」とも呼ばれます。代表的な検索エンジンとしては、Yahoo! JAPANやGoogleなどがあります。また、大手検索エンジンは、スマートフォン向けのアプリも提供しており、これらは「検索アプリ」と呼ばれています。
- SEO
- SEO(Search Engine Optimization)とは、GoogleやYahoo!などのサーチエンジン(検索エンジン)で、特定キーワードで検索が実行されたとき、ホームページが表示される順位を上げるためのさまざまな施策のことです。
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- クローラー
- クローラーとは、検索エンジンへのインデックス作業のために、インターネット上に存在する様々なページの情報を集めデータベースに登録するプログラムのことです。クローラーが動くことをクローリングといいます。クローラーがページを巡回する際、ページに埋め込まれているリンクを辿って、ページ構造やキーワードなどに関する情報を収集します。
- マーケティング
- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
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- アカウントとは、コンピューターやある会員システムなどサービスを使うときに、その人を認識する最低必要な情報として、パスワードと対をなして使う、任意で決めるつづりです。ユーザー、ID、などとも言います。
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