日本のアプリ業界で最も成長の著しいセグメントは女性層?
日本は、App Storeにおけるアプリユーザーの消費額が世界で3番目に大きいアプリ大国です。スマートフォンを持っている人であれば男女問わず利用している印象があるアプリですが、2018年10月に実施したモバイルマーケティングの調査によると、*日本アプリ市場を拡大させているのは女性ユーザーであることを示唆する調査結果が明らかになりました。*この背景にはいったい何があるのでしょうか。
この記事では、2018年の日本のモバイルアプリ市場の特徴の1つだった、女性のアプリユーザーの動向についてお話しします。日本のアプリマーケティング担当者だけではなく、市場への参入を検討している海外のマーケター にも、日本の成長セグメントである女性ユーザー層について検討するきっかけになればと思います。
女性こそがアプリ市場の成長セグメント
2018年10月にAdjustがLiftoffと共同で行った「日本のモバイルマーケティングに関する調査」によると、日本の女性層に対する広告コスト(ユーザー獲得コスト)が男性を大きく下回っていることがわかりました。
・インストール(女性のコストは 4.82 ドル、一方男性は 5.48 ドル)
・登録(女性のコストは 6.37 ドル、一方男性は 8.86 ドル)
・アプリ内課金(女性のコストは 140.29 ドル、一方男性は 219.49 ドル)
・サブスクリプション(女性のコストは 74.55 ドル、一方男性は 193.45 ドル)
さらに、女性ユーザーは国内の全アプリインストールの 66.9%を占めており、男性ユーザーの2倍以上でした。
ゲームは、もはや男性だけのものではない
近年「ゲームで遊んでいるのは男性だけ」という先入観を覆す調査結果が、複数発表されています。
2017年のGoogle PlayおよびNew Zooレポートによると、日本のモバイルゲーマーのおよそ半数を女性が占めていました。さらに女性は、男性ゲーマーよりもプレイ回数が高い傾向にあることがわかりました。Liftoffの自社調査でも、女性のゲーマーは男性ユーザーよりも遙かにエンゲージメント率が高く、アプリ内課金率も79%高いことがわかっています。
さらに、2018年3月に発表された電通の「情報メディア白書 2018」によると、30代の女性が1日にゲームを開く回数は5回に対し、男性は4回と女性の方が多く、また60代の女性か1日にゲームを開く回数の平均は5回で、同じ世代の男性の約3倍にも達しています。
最近では、女性のゲームユーザーを意識したアプリが多く開発され、この市場に積極的に参入し始めています。 日本女性のモバイルゲーマー数は、米国よりも遙かに大きな伸びを示しています。ゲームカテゴリーに関しては、 恋愛シミュレーションや乙女ゲーム、そしてパズルや育成ジャンルに見られる、シンプルで簡単に続けられるデザイン性の高いゲームが人気です。
海外のゲーム開発者にとって、日本のモバイルゲーム業界は魅力的だと言えるのではないでしょうか。ダイナミックで伸びしろが大きい市場で、自社アプリのコンセプトとユーザーのニーズがマッチすれば、ビジネスの成長と新規ユ ーザーの獲得の余地が十分に残されています。
「オトナ女性」に集まる注目
女性の消費力の高さは、今年10月に東京で開催された「アドテック東京」でも注目を集めました。
パネルディスカッション「オトナ女性の購買心理、2019年のトレンドを探る」に登壇したエアークローゼットの天沼氏、Wondershakeの伊藤氏、ラクサスの児玉氏は、購買力が高い30代と40代の「オトナ女性」をターゲ ットにしたアプリ事業を展開しています。
エアークローゼットは月額制のファッションレンタルサービス、ラクサスはブランド物のバックのレンタル、 Wondershakeは女性にファッションや美容に関する情報を提供するニュースフィード「LOCARI」を運営してい ます。
エアクローゼットの天沼氏は、「このようなアプリが成功しているのは、毎日が忙しいために、ゆっくりショッピングをしたり家事をこなすための時間と心の余裕がない女性が増えている日本社会の背景が、サービスにマッチしている」と語りました。
また、ものを買って満足を得るのではなく、有名デザイナーの商品を使ったり身に着けたりする体験自体に価値を見出す女性が増え、それがエアークローゼットやラクサスを成功に導いている要因ではないかと分析していまし た。
アプリの用途は様々ですが、ライフスタイルの多様化か進む現代において、オトナ女性が自分のための時間を取り戻すためのツールとして、今後も人気を集めると予想されます。
女性のアプリユーザーにどうアプローチするか
日本で市場を拡大したいと考えるモバイルマーケターは、女性アプリユーザーを集客する上で検討しておきたいポイントがいくつかあります。
自社アプリはが女性の特定のニーズを満たすアプリになっているか確認する
女性ユーザーの関心にマッチしたビューティやファッション系のアプリは、それだけでマーケティング施策も行いやすい利点があります。しかし男女問わずデザインされたアプリの場合は、女性の視点から見直しすることが大切です。
女性をターゲットにしたユーザー獲得キャンペーンを施策する
「アプリのどんなポイントを中心にプ ロモーションしたいのか」や「女性層にどうアピールするのか」について、A/Bテストなどを行って、さまざまなクリエイティブを試し、ユーザーを惹きつけるメッセージを見つけましょう。
アプリのアピール度を高める方法として、SNS要素を取り入れる
電通の調査によると、20代の女性がソーシャルメディアを開く回数は1日に17回、メッセージングアプリは1日に13回 (男性はそれぞれ10回、9回)であるなど、女性のソーシャルアプリの利用が拡大しています。
例えばEコマースアプリの場合は、購入内容やほしい物リストを他のユーザーと共有できる機能を追加するなど検討するとよいかもしれません。健康やフィットネスアプリなら、ユーザーが身近なグループを超えて人と繋がることができるような「メッセージボード」機能を提供することも考えられます。
ソーシャルアプリとしての機能を追加することで、ユーザーがアプリに戻って内容を確認する頻度を向上させ、ブランドに対する親近感を構築することに繋がるでしょう。
まとめ
日本のアプリ市場を拡大させているのは、女性ユーザー層であることが明らかになりました。
エンゲージメントが高く、ユーザー獲得コストが男性層より大きく下回る女性アプリユーザーに対して、自社ではどのようなアプローチができるのか検討してみましょう。
アプリ市場についてさらに知る
日本のアプリ業界で最も成長の著しいセグメントは女性層?
この記事では、2018 年の日本のモバイルアプリ市場の特徴の1つだった、女性のアプリユーザーの動向についてお話します。日本のアプリマーケティング担当者だけではなく、市場への参入を検討している海外のマーケターにも、日本の成長セグメントである女性ユーザー層について検討するきっかけになればと思います。
- アプリ
- アプリとは、アプリケーション・ソフトの略で、もとはパソコンの(エクセル・ワード等)作業に必要なソフトウェア全般を指す言葉でした。 スマートフォンの普及により、スマートフォン上に表示されているアイコン(メール・ゲーム・カレンダー等)のことをアプリと呼ぶことが主流になりました。
- マーケティング
- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
- 広告
- 広告とは販売のための告知活動を指します。ただし、広告を掲載するための媒体、メッセージがあること、広告を出している広告主が明示されているなどの3要素を含む場合を指すことが多いようです。
- A/Bテスト
- ホームページを作るときや何か商品を売りたいときに掲載する写真、あるいはデザインで迷ったときに、不規則ででたらめな順番でホームページや画像のデザインを変えて表示し、利用者がどちらをより多くクリックしたのか、より多く購入につながったのか、ということを試験できる技術やサービスまたは行為自体をA/Bテストといいます。
- アプリ
- アプリとは、アプリケーション・ソフトの略で、もとはパソコンの(エクセル・ワード等)作業に必要なソフトウェア全般を指す言葉でした。 スマートフォンの普及により、スマートフォン上に表示されているアイコン(メール・ゲーム・カレンダー等)のことをアプリと呼ぶことが主流になりました。
- エンゲージメント
- エンゲージメントとは、企業や商品、ブランドなどに対してユーザーが「愛着を持っている」状態を指します。わかりやすく言えば、企業とユーザーの「つながりの強さ」を表す用語です。 以前は、人事や組織開発の分野で用いられることが多くありましたが、現在ではソーシャルメディアなどにおける「交流度を図る指標」として改めて注目されています。
- アプリ
- アプリとは、アプリケーション・ソフトの略で、もとはパソコンの(エクセル・ワード等)作業に必要なソフトウェア全般を指す言葉でした。 スマートフォンの普及により、スマートフォン上に表示されているアイコン(メール・ゲーム・カレンダー等)のことをアプリと呼ぶことが主流になりました。
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