動画制作の際に、切っても切り離せないのがBGM。
皆さんも、知らぬ間にCMソングを口ずさんだり、BGMが気になってCMを見てしまったりした経験があるのではないでしょうか。

音を使ったマーケティングは「サウンドマーケティング」と呼ばれ、BGMの有無で大きな差が出ると言われています。BGMの効果は以下の通りです。

動画以外の音を意識しないようにして、動画の世界に集中させる効果
明るさや暗さ、豪華さ、悲しさなどイメージを変化させる効果
感動や悲しみ、喜び、リラックスなど人の感情を動かす効果

また、スマートフォンの普及もサウンドマーケティングが重要視される要因の1つとなりました。
今まで受動的に視聴されていたテレビも、今ではスマートフォンを片手に「ながら」で見られる時代。スマートフォンで視聴されるWeb動画も、スキップボタンを押して、視聴されないことも多いでしょう。そんな環境で、CMに意識を傾けるきっかけとして音楽はとても注目されているのです。

今回は聞き覚えのある音やメロディを活用したサウンドマーケティングを行なっているCMを2つご紹介します。

CM視聴時以外での想起も期待できるau三太郎シリーズ

1つ目は、TVCMでも大人気のau三太郎シリーズ「着信音」編。

おなじみのiPhoneの着信音に合わせ教室の半分の人が踊りだすというCMで、iPhoneの機種代金が最大半額になることを訴求しています。

au三太郎シリーズは好感度がとても高いこともありますが、聞き覚えのあるこのBGMが流れてくることでCMを視聴させる効果を狙っています。また、CMが流れたタイミングだけではなく実際に誰かの着信音を耳にしたときにも、このCMを想起させることが可能です。

ブランドメッセージを替え歌で伝えるWONDAのCM

2つ目は、缶コーヒー「WONDA」のCM。名曲「リンダ リンダ」のメロディに合わせた替え歌を披露しています。

誰もが聞き覚えのあるメロディにワンダの掲げるメッセージである「人生楽しんだモン勝ちだ!」になぞらえた歌詞を乗せ、著名人を起用してキャンペーンのPRを行いました。

今紹介した2つの商品のような携帯キャリアや缶コーヒーのマーケットは、各社ごとの差別化が年々困難になってきているマーケットです。iPhoneであればau以外にNTTドコモやSoftBankも同一商品を扱っており、缶コーヒーは既に300種以上販売されており価格もほぼ統一されているのです。

そのため、機能性や味・価格などの他に、一貫したメッセージ性やストーリーを持たせることで商品やブランド自体を好きになってもらうという新たな戦略を実施しています。そういったメッセージ性を聞き覚えのある音やメロディと一緒に届けることで、より一層のブランディング効果が期待できます。

一方で、聞き覚えのあるメロディではなくオリジナルソングを活用したCMも話題となりました。

オリジナルソングで視聴者との距離を近づけた 重ねドルチェのWebCM

こちらは、雪印メグミルクが公開した「重ねドルチェ」というスイーツのWebCM。合コンのテクニックを「重ねる」と、4層のスイーツの「重ねる」を掛けており、動画に使われている音楽はCM用に書き下ろされたオリジナルソングです。

特徴的なのは、オリジナルソングに合わせてダンスを披露している点。このダンスを「#踊ってみた」と題した動画を視聴者がSNSに投稿し、拡散することにより、重ねドルチェの認知度を向上させました。同じようにオリジナルソングとダンスを活用したCMには、大塚製薬の「ポカリガチダンスFES」なども挙げられます。

こういったオリジナルソングを活用したCMは他社との差別化につながるだけでなく、SNS投稿や拡散にハードルを感じないミレニアル世代が自然と情報を広げてくれることで、従来のCMよりも一層視聴者にとって身近な存在となりブランド自体に好感を抱かせることが可能です。

今後期待されるのは五感に働きかけるマーケティング

2018年にJ:COMが実施したミレニアル世代のテレビ視聴・スマホ利用実態に関する調査では、約7割のミレニアル世代が「何かをしながらテレビを観る」と回答しています。冒頭でも「ながら視聴」の増加によりサウンドマーケティングに注目が集まっているとご紹介いたしましたが、これまで最重要視されていた視覚に訴えかける施策だけではなく、聴覚や触覚・嗅覚など五感に働きかけるマーケティング手法が今後ますます注目を集めていくでしょう。

参考:
[ミレニアル世代のテレビ視聴・スマホ利用実態に関する調査]
(https://newsreleases.jcom.co.jp/file/80960_print.pdf):blank