コアとなるブランドの要素をデザインに反映する

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ブランディングを行う上で、そのブランドの価値や独自性を見出すことの重要性は、今までの記事の中でも繰り返しお伝えしてきました。しかし、どのようにこれらの価値や独自性を解釈し、コアとなるブランドの要素としてデザインへ反映すればよいのでしょうか。

ここで重要なのが、どのデザイナーを採用するかです。「結局デザイナー次第か」と思われる方もいらっしゃると思います。しかし、その通り「デザイナー次第」なのです。これまでに私も複数人のデザイナーと一緒にお仕事をする機会がありました。その経験から明らかになったことは、世の中には以下の2タイプのデザイナーが存在するということです。

[タイプ1]
クライアントから提供された概要を基に、デザインだけを提案してくるタイプ
[タイプ2]
クライアントから提供された概要を基に、ブランドに対する解釈を深め、そこからデザイン・コンセプトを導き出しデザインを提案するタイプ

ブランドを強化するという観点で考えると、理想的なのはタイプ2のデザイナーです。もちろんタイプ1のデザイナーを否定する訳ではありませんが、デザインだけの提案では、なぜそのデザインが自社のブランドにとって良いのかを判断をすることが、残念ながらできません。言い方を変えると、そのデザインは他社のブランドでも違和感なく使えてしまう可能性があるのです。

では、どのようにタイプ2のデザイナーかどうかを見極めれば良いでしょうか。正直これは非常に難しい問題です。ただ、デザイナーを選定する際は、必ず一度直接お会いすることをオススメします。そして、御社のブランドについてどのような印象(=抽象的な情報)を持っているか、その印象をデザインで表現するとした場合、どのようにデザインへ落とし込んでもらえるのかなどを質問することは、1つ判断基準として使えると思います。ここで「じっくり考えてみないと分からない」と回答される場合は、もしかしたらそのデザイナーはブランドの要素をデザインに反映することがあまり得意でない可能性があります。

まとめ

デザインは、そのブランドの個性を表現するための手段であるにも関わらず、今日の店頭では、他社が既に採用し消費者から受け入れられているデザインを転用するブランドが多く見受けられます。しかし実際にブランドを強化するためには、コアとなるブランドの要素を組み込んだデザインをありとあらゆるコンタクト・ポイントで繰り返し露出し、消費者の記憶に刷り込むことが大切です。

ただし、全てのデザイナーがブランドの要素をデザインに組み込むことを得意とする訳ではないため、デザイナーの選定は必ず直接会って行うことをオススメします。そして、実際にどのようにブランドが持つ抽象的な情報(=印象)を、具体的にデザインへと落とし込んでもらえるのかを質問してみてください。

このように簡易な判断基準を設け自社のブランディングに合ったデザイナーを選定することで、デザインをブランドの強化により活かせるでしょう。

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