商品やサービスを企画する際は、ユーザーのニーズや市場規模などのデータを把握した上、自社のターゲットに合わせて内容を考えることが重要です。

この記事では、商品企画の基本的な進め方や、商品企画に役立つデータ分析の方法データをもとに商品企画を行った事例について解説します。新たな商品の企画やリニューアルなどに携わる方は、ぜひ参考にしてください。

目次

  1. 商品企画の基本的な進め方
  2. 商品企画に役立つデータ分析の方法
  3. データ分析をもとに商品企画を行った事例
  4. データをもとに新たな商品やサービスを企画しよう

▼データに基づく商品企画の詳細はこちら

【商品企画担当向け】Web行動データを活用した商品企画・開発手法

【商品企画担当向け】Web行動データを活用した商品企画・開発手法

商品のアイデアや市場規模の把握、戦略立案などについて解説します

商品企画の基本的な進め方

まずは、商品企画のアイデア探しから、企画資料を作成するまでの基本的な進め方をみていきましょう。ここでは、株式会社ヴァリューズの資料で紹介されている4つのステップに沿って、商品企画の流れを解説します。

  • STEP1. アイデア探索
  • STEP2. 市場規模把握
  • STEP3. 戦略立案
  • STEP4. 企画資料作成

商品企画の進め方

出典:【商品企画担当向け】Web行動データを活用した商品企画・開発手法

STEP1. アイデア探索

最初のステップでは、商品企画のアイデアを見つけるために、消費者の間でどのようなニーズが高まっているかをリサーチします。

アイデア探索の方法として、現在流行している商品の分析が効果的です。最近売れている商品やサービスについてリサーチすると、まだ自社が気付いていないアイデアを見つけられる可能性があります。

また、商品としては出回っていないものの、ユーザーの間で高まっているニーズを調査することも、アイデア探索の方法の1つです。

STEP2. 市場規模把握

商品企画のアイデアが見つかったら、次のステップとして市場規模について把握しましょう。市場規模を調べることで、どの程度の売上や収益が見込めそうかを把握できます。

比較的簡単に取り組める方法として、検索エンジンキーワードが検索されているボリュームを調べることがおすすめです。

例えば「オートミール」の新商品を企画する際は、オートミールに関連するキーワードが月間に何回ほど検索されているかを調べると、市場規模を把握できます。キーワードの検索ボリュームは、「Googleキーワードプランナー」などのツールで調べることが可能です。

市場規模に関するデータの例

出典:【商品企画担当向け】Web行動データを活用した商品企画・開発手法

また、より高機能な分析ツールを使うと、対象のキーワードで検索したユーザーの数だけでなく、年齢層性別などのデータも調査できます。

STEP3. 戦略立案

次に、3つ目の戦略立案のステップとして、誰に対してどのような商品を販売するかという戦略を考えましょう。ユーザーが検索している組み合わせキーワードなどを分析し、自社が優先的に狙っていくターゲットを選定します。

例えば、「オートミール」に関心がある人については、「ダイエット目的」や「グルテンフリーの食品を探している」、「忙しい朝に簡単に食べられるものを探している」といった細かなニーズがあるかもしれません。これらの中で、どのニーズを満たす商品を作るかを考えることが重要です。

また、すでに競合の商品が存在する場合は、他社のターゲット設定商品の強みなどを把握した上で、自社が狙うポジションを決めましょう。

STEP4. 企画資料作成

最後のステップは、商品企画の内容を分かりやすく伝えるための資料を作成することです。
企画書に載せるべき情報には、「企画の背景」や「目的」、「ターゲット」などがあります。また、市場や競合に関する調査データや、商品の詳細なども必要な情報です。

企画書作成のイメージ

出典:【商品企画担当向け】Web行動データを活用した商品企画・開発手法

表やグラフを使って根拠となるデータを示すと、説得力が高まります。また、1つのページで伝えたいことを1つに絞ることも、分かりやすい企画資料を作るために重要です。さらに、使用するフォント文字サイズ配色なども適切に選びましょう。

商品企画に役立つデータ分析の方法

商品企画のアイデアを考える際には、様々なデータを集める必要があります。商品企画に役立つデータ分析の主な方法は次の通りです。

  • 過去の販売データの分析
  • インタビュー・アンケート調査
  • ソーシャルリスニング
  • Web行動データの分析

過去の販売データの分析

これまでに自社で販売した商品に関するデータを分析すると、新商品のアイデアが得られる場合があります。

例えば、ある属性のユーザーが特定の組み合わせで商品を買っているといったデータが分かれば、それらのユーザーを対象にした新たなパッケージ商品を企画することが可能です。

インタビュー・アンケート調査

ユーザーに対するインタビューやアンケート調査を実施すると、ユーザーが抱えている課題ニーズが把握できます。また、情報収集でよく利用している媒体なども、インタビューやアンケートで把握できる情報です。

ただし、対象となるユーザー数が少なすぎると、調査結果に偏りが生じてしまうリスクがあります。そのため、十分な数のユーザーを対象にリサーチを行うことや、リサーチの対象者を適切に選ぶことなどが重要です。

ソーシャルリスニング

ソーシャルリスニングとは、SNSユーザーによって投稿された情報をもとにリサーチを行う手法です。特定の商品やサービスに対する評判、ユーザーが抱えている悩みなどを分析したい場合に、ソーシャルリスニングが向いています。

SNSはユーザーからの意見がリアルタイムに投稿されているため、最新のトレンドを把握しやすいことがソーシャルリスニングの特徴です。ただし、SNSの種類によってユーザー属性が異なるため、自社が狙うターゲット層が利用しているSNSで情報を集める必要があります。

Web行動データの分析

Web上の行動に関するデータを分析できるツールを使うと、ユーザーの属性ニーズ市場のトレンドなどをより詳しく把握できます。

例えば、検索キーワードに関する調査データによると、「ダイエット」と組み合わせて検索されるキーワードとして、コロナ禍以前は「運動」などが多く見られていました。一方、コロナ禍以後は「オートミール」といった、ダイエット向けの食品に関するキーワードが多くなっています。

Web行動データの例

出典:【商品企画担当向け】Web行動データを活用した商品企画・開発手法

このように、Web上の行動に関するデータを分析すると、トレンドの変化を知ることが可能です。

データ分析をもとに商品企画を行った事例

最後に、株式会社ヴァリューズの資料で紹介されている事例から、データ分析をもとに企画を行った事例を2つピックアップして紹介します。

  • Web販売の注力にあたって旅行商品をリニューアル
  • ターゲットのニーズに合わせてECの新商品を企画

Web販売の注力にあたって旅行商品をリニューアル

一人旅をしたい方向けの旅行商品を扱っている企業では、実店舗からWebへの販売に注力していくために、商品のリニューアルに取り組みました。

Web上で「一人旅」と検索しているユーザーについて調査したところ、実店舗のユーザー属性とは異なっていることが分かりました。実店舗では40代から60代の女性が多かったことに対して、「一人旅」の検索ユーザーには20代から30代の男性も多く見られます。

ユーザーのデータをもとに商品を企画

出典:【商品企画担当向け】Web行動データを活用した商品企画・開発手法

このデータをもとに、旅行に行きたい若年層を対象とした新たな商品をWeb向けに企画しました。

ターゲットのニーズに合わせてECの新商品を企画

洗剤などを販売するECサイトでは、検索キーワードに関する情報をもとに、商品の企画を行っています。

肌荒れ」というキーワードを検索しているユーザーについて調べたところ、子どものいる女性のユーザーが多く含まれることが分かりました。そこで、子どもの肌荒れに悩んでいる女性を対象として、肌に優しい「スキンケア発想の洗濯用せっけん」という新商品を企画しています。

これらの事例のように、データを分析すると新たな商品やサービスのヒントを得ることが可能です。

データをもとに新たな商品やサービスを企画しよう

ユーザーのニーズや市場規模などのデータは、商品・サービスの企画を考える際に役立ちます。データ分析を行った上で商品企画に取り組むと、自社のターゲットが抱えている課題に合わせて、適切なアイデアを出しやすくなります。今回紹介したポイントを参考に、商品のアイデア探しや戦略立案、企画書の作成などに取り組みましょう。

下記の資料では、より詳しい商品企画の進め方データ分析に役立つツールなどが解説されています。データ分析をもとに新商品やサービスの企画を考えたい方は、ぜひ参考にしてください。

▼データに基づく商品企画の詳細はこちら

【商品企画担当向け】Web行動データを活用した商品企画・開発手法

【商品企画担当向け】Web行動データを活用した商品企画・開発手法

商品のアイデアや市場規模の把握、戦略立案などについて解説します