ITの進化を背景にマーケティングにも新たな手法がどんどん増えています。そんな中、注目されている技術の一つ、ARをご存知でしょうか。

株式会社TesTeeが行なった調査では、「AR(拡張現実)という言葉を知っていますか?」という問いに対し10代は32.9%、20代前半は29.3%という結果でした。スマートフォンを通してITを日常的に使いこなしている若い年齢層においても約3割の認知であり、まだまだこれからの技術ではありますが、実際には観光をはじめとした様々な分野で活用されているのです。

*企業のプロモーションにおいても、ARはリアルな伝達力を高さを利点に新たなアプローチとして導入されています。*今回は注目のARについて紹介します。

参考:
株式会社TesTee「VR/ARに関する調査」

目次

  1. ARとは
  2. ARを活用している代表的なサービス
  3. 地域活性・観光
  4. ファッション関連
  5. 商品パッケージ
  6. ARが活用されている製品
  7. PokemonGO
    1. スマートグラス
  8. ARコンテンツを制作するためのソフト・サービスなど
    1. COCOAR
    2. ARToolKit
    3. ARKit2(Apple)
    4. ARラボ
    5. @AR Station
  9. まとめ

ARとは

ARとは「Augmented Reality」の略語で、拡張現実とも言われています。現実の映像にデジタルデータを重ねて目の前の世界を拡張するものです。ARを使うことで、商品やサービスの特性をよりリアルに消費者に伝え、購買意欲を高められます。

サービス紹介以外でも、観光をはじめとする様々な分野で技術が役立っており、アイディア次第で多くのことに応用できる期待度の高い技術です。

ARを活用している代表的なサービス

ARは、私たちにとって身近なところで活用されています。数あるARの導入事例の一部ではありますが、以下に紹介します。

1.地域活性・観光

祭りや花火大会などイベントのPRに使う配布物にARを利用し、PR動画を表示されるなどの工夫がされています。

ガイドマップにARを設定することで、観光ルートの中のおすすめスポットの案内も可能です。外国人向けに観光ガイドを多言語で行うなど、幅広い人々の役に立つ便利なソリューションが魅力的です。

2.ファッション関連

Webサイトでチェックした洋服や靴の試着もARを利用すると、リアルにイメージできます。

靴の試着の場合は、スマートフォンをかざすだけで試着してみたい靴を履いた自分の足が映し出せます。化粧品ブランドのRMKが提供する「ユーカムメイク」というARサービスは、選択したアイテムを使った自分の顔をリアルタイムに表示でき、メイクアップの前後を確認できるのです。ARらしさが溢れ、ユーザーの利便性を高めた素晴らしい例と言えるでしょう。

3.商品パッケージ

商品パッケージにARを仕込むことで、エンターテイメント溢れる企画を実現できます。パッケージにスマートフォンをかざすと動画コンテンツを表示するといったものなど様々な企画をARが演出します。食品パッケージから調理方法の提案することも可能です。

また、オリジナルフォトフレームの表示などアイディアを駆使した面白い企画も多くあります。2015年の話ですが、「チョコボール」のキャラクター、キョロちゃんを重力を感じながら動かせるというARも話題を集めました。

ARが活用されている製品

ARを商品に利用することで、ユーザーに他では得られない価値を感じてもらえます。以下に紹介する製品は、多くの人が知っているでしょう。ARならでは世界観が商品の魅力をさらに高めている良い例です。

1.PokemonGO

PokemonGO
画像引用:PokemonGOホームページより

スマートフォンゲームの「PokemonGO(ポケモンGO)」は熱中するユーザーが多く、色々と話題になったスマートフォンアプリです。人気アニメのポケモンに登場するキャラクターの捕獲やバトルなどを楽しめます。

このゲームはARを使うことで、ポケモンのキャラクターを現実の世界に連れてきたように感じられるのです。自分の目の前にポケモンを表示し、スマートフォンで撮影できる機能は、ポケモン好きの方以外でもハマるのではないでしょうか。ゲームの世界観を現実にする、ARを活用したエンターテイメントの極みとも言えます。

2.スマートグラス

スマートグラス
引用:CHEMIONホームページより

Google Glassという名前を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。いわゆるスマートグラスと呼ばれるもので、GPSなどのセンサーやカメラなど搭載しています。ARを使って、実際に見えている視界に様々な情報を重ねることで、素早い情報の利用や理解で作業効率のアップなどが期待できます。

スマートグラスの元祖とも言えるGoogle Glass以外にも、スマートグラス自体は色々なメーカーから発売されています。Chemionのようなファッション性の高いものもあり、スマートグラスを通じてARの利用も増えそうです。

ARコンテンツを制作するためのソフト・サービスなど

ARの制作は大変なものと思う方は多いかもしれませんが、手軽にできるソフトやサービスがあるため、思いのほか活用の敷居は低いのです。

自社に専門の知識がなくてもARを導入できるサービスを紹介します。

1.COCOAR

COCOAR
COCOAR

COCOARは、クラウド型のARサービスであり、安価な利用料で簡単にARを作成できます。11万本以上のAR作成実績で培ったノウハウを活用し、手軽かつ効果的に利用できるツールとして開発されました。マーケティングに有効な機能を多数搭載している点も成果を求める企業にぴったりと言えるのではないでしょうか。

2.ARToolKit

ARToolKit
ARToolKit

ARToolKitは、世界で強い支持を受けているAR開発ツールです。画像認識タイプのARを手軽に作成できます。ARToolKiはオープンソースであり、無料で利用できるのが最大のメリットです。Windows、Mac、iOSAndroidなどの多くのOSに対応している柔軟性も魅力でしょう。

3.ARKit2(Apple)

ARKit2
ARKit2

AppleのARKit2は、手軽にARを作成できるアプリです。複数のユーザーがARを同じタイミングでARを利用できます。また、時間が経ってから同じ状態から利用を再開できるといったことも可能です。臨場感のあるARをスムーズにユーザーに提供できます。

4.ARラボ

ARラボ
ARラボ

ARラボは、オリジナルのARを制限なく作成できるサービスです。容量を気にすることなく、作成できるのでストレスがありません。ARマーカーとARオブジェクトという2つがわかれば、他に知識が必要となることはなく、誰にでも簡単に操作できます。

管理画面で登録処理ができれば、すぐに利用を開始できるので急いでいるプロモーションなどで活躍します。

5.@AR Station

@AR Station
@AR Station

パソコンにシステムをインストールすることなく、クラウドにARメディアを手軽に登録できるサービスです。登録したARは、スマートフォンアプリの@AR Playerで視聴できます。

月額980円という安価で利用できる点も魅力です。クラウドにアップしたARメディアは何度でも変更できます。

まとめ

ARは企画次第で心に響くコンテンツを提供できる技術です。楽しいもの、便利なものなど、ユーザーのニーズを満たすものは色々と思い浮かぶでしょう。例えば、取り扱い説明書に動画があるとわかりやすい部分があるとすれば、ARで動画コンテンツに導くと親切なユーザーサポートと言えるのではないでしょうか。

また、近年増えている試着関連のARは実に優れたアイディアです。ファッション関連の通販が一般化したとはいえ、試着をせずに購入することを心配に感じる人も多いでしょう。試着イメージを確認し、ユーザーの不安を解消すると、企業にとっても売上拡大が期待できます。このように、ARの活用はあらたな売上アップの手段としても有効なのです。

今回紹介したAR制作のソフトやサービスをご覧いただければ、決してハードルが高いものとは思わないでしょう。ARはまだこれからという方はぜひ試してみてはいかがでしょうか。