SaaSは日本語で「サービスとしてのソフトウェア」を表す言葉です。

簡単に説明すると、これまでパッケージで販売されていたソフトウェアを、クラウドサービスとして提供する形のことです。なお、パッケージソフトウェアと一口に言ってもさまざまなものがあります。

Microsoft Officeシリーズをはじめとするオフィスソフトウェアだけでなく、会計やCRMなど、必要に応じたものが販売・提供されています。これはSaaSも例外ではなく、提供サービスに合わせて実にさまざまなカテゴリーが存在します。

そこで今回は、「代表的なSaaS」というテーマで、各分野でシェアの多さや知名度の高さを基にサービスを選出しました。

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SaaSビジネスの重要指標とよくある疑問

SaaSビジネスの重要指標とよくある疑問

単なる用語集ではなく、よくある疑問への答えや、各指標を改善するためのポイントを、図解を交えてゼロからわかりやすく解説しています。

目次

  1. グループウェア
    1. Office365
    2. Desknet's NEO(デスクネッツ ネオ)
    3. G Suite
    4. サイボウズOffice10 / Garoon(ガルーン) / kintone(キントーン)
  2. 社内SNS
    1. Talknote(トークノート)
    2. airy(エアリー)
    3. Workplace by Facebook
  3. ビジネスチャット
    1. Slack
    2. LINEWORKS
    3. Chatwork
  4. ERP
    1. SAP Business One Cloud
    2. NetSuite
    3. GLOVIA OM
    4. Workday
  5. 会計ソフト
    1. freee
    2. MFクラウド会計
    3. 弥生会計オンライン
  6. CRM/SFA
    1. Salesforce(セールスフォース)
    2. eセールスマネージャー
    3. Knowledge Suite
  7. 名刺管理
    1. Sansan(サンサン)
    2. Eight
    3. CAMCARD BUSINESS
  8. プロジェクト管理
    1. Wrike
    2. Asana
    3. JIRA
    4. Trello
  9. まとめ

グループウェア

Office365

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Office365

iMicrosoftが提供するOffice365は、個人から法人まで、幅広いユーザーをカバーするSaaSです。

本サービスの一般的なイメージにはOfficeアプリ(Excel、PowerPointなど)がありますが、SharePoint Onlineを用いたグループウェアとしての機能も充実しています。組織内外で使用するポータルサイトが作成でき、ドキュメントの同時編集やファイル共有がオンライン上で実行できます。

なお、メールやカレンダーといった基本ツールについてはExchange Online、コミュニケーションツールとしてはSkype for BusinessやYammer、プロジェクト管理ツールのMicrosoft Teamsなど、Office365と接続可能なサービスが多数用意されている点も大きな魅力です。単にグループウェアとして導入するだけでなく、自社ニーズに合わせて機能の適用・追加が可能。

今回は便宜上「グループウェア」としましたが、オールインワンパッケージのサービスであると言えるでしょう。

Desknet's NEO(デスクネッツ ネオ)

国内最大級の導入実績を持つグループウェアです。オンプレミス版を合わせると、ユーザー数は300万人以上と言われており、顧客満足度調査でも高評価を得ています。

直感的で分かりやすいユーザーインターフェイスと豊富な標準機能が特徴です。

Desknet's NEO(デスクネッツ ネオ)

G Suite

Googleが提供するオールインワンパッケージ型のグループウェアです。メールやカレンダー、ファイル共有といった機能はもちろん、オンライン上で閲覧・編集できるオフィスソフトウェアも用意されています。

また、GmailやGoogleカレンダーは個人利用も多く、操作に対するハードルが低い点も魅力です。

G Suite

サイボウズOffice10 / Garoon(ガルーン) / kintone(キントーン)

サイボウズ社は、企業の規模や用途に応じて提供するグループウェアが異なります。

Office10は300名までの中小企業向け。Garoonは5,000人以上の規模でも利用可能なように設計されています。また、カスタマイズ性に優れたkintoneは、自社の業務に合わせたアプリケーションの作成が前提となるプラットフォームです。

いずれも国内での人気は高く、グループウェアとしての機能も必要十分と言えるでしょう。

サイボウズOffice10
Garoon(ガルーン)
kintone(キントーン)

社内SNS

Talknote(トークノート)

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Talknote(トークノート)

導入企業数の多さという意味で、社内SNSの代表格となるのがTalknoteです。利用企業は24,000社を超えていて、国内ではトップクラスのシェアを誇ります。

機能自体はいたってシンプルです。基本のコミュニケーションスタイルとして「グループ」「メッセージ」「タスク」が用意されています。一般ユーザーについては複雑なことはできません。その分、幅広いユーザーが使いこなせるのがポイントです。

そうした背景もあり、ITに慣れていないと考えられる飲食・サービス業に多くの顧客がいると言われています。ちなみに、スタンプが使える点も人気の理由のひとつです。

なお、管理者向けにはユーザーのアクセス時間や投稿量を見える化する「アクションリズム解析」や、就業状況や睡眠不足検知までもが分かる「オーバーワーク検知」といった管理機能も提供されます。

airy(エアリー)

「airy」は、人財育成のサポートを支援する機能が特徴です。
コミュニケーション機能はもちろん、アンケート機能やeラーニング実装といった機能が最安価プランから利用できます。

airy(エアリー)

Workplace by Facebook

世界最大のSNSであるFacebook提供の社内SNSです。使い勝手はほぼFacebookと同様であるため、使いこなしやすいのが特徴です。

また、ほかのSaaSとの連携にも優れている点は大きな魅力でしょう。

Workplace by Facebook

ビジネスチャット

Slack

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Slack

エンジニアを中心に世界中で人気のビジネスチャット「Slack」。
2017年11月に日本語版が公開されてから国内でもユーザー数を伸ばし、2018年には50万人(無料プランユーザー含む)を突破。国別で世界第二位の規模にまで成長しました。IT企業が活用している印象がありますが、全世界で見ると過半数の組織は非ITであるという統計もあるようです。

ここまで人気を得る理由は、Slackに用意された充実の機能と拡張性にあります。ビジネスチャットとしての基本機能はもちろん、組織やチームに合わせて細かな設定変更が可能です。

外部サービスとの連携も充実しているため、別のSaaSをすでに導入しているといった企業にもおすすめです。

LINEWORKS

LINEのビジネス版という位置づけのビジネスチャットです。
最大の利点は、すでに国内コミュニケーションインフラとも言うべきLINEの操作性をそのまま受け継いでいる点です。ITツールに不慣れなスタッフがいても安心して導入できるでしょう。

LINEWORKS

Chatwork

国産ビジネスチャットとして多くの企業に導入されているチャットワーク。シンプルで分かりやすいインターフェイスに加え、タスク機能や外部連携(API使用)が魅力です。

また、完全日本語対応な点は、Slackに比べてのアドバンテージと言えるでしょう。

Chatwork

ERP

SAP Business One Cloud

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SAP Business One Cloud

ERPにおける世界トップシェアを誇る「SAP Business One」は、代表的なオンプレミス型ERPです。
そのSaaS版と言うべきが、「SAP Business One Cloud」。基幹システムとして必要な機能を標準搭載しているのはもちろん、グローバル特化の意味で、42カ国の国別要件と27言語に対応している点は大きな強みです。

ターゲットとしているのは中小企業ですが、自治体や金融機関での導入事例もあり、セキュリティレベルの高さには定評があります。そのほか、クラウド基盤を24時間365日の体制でサポート。導入支援サービスも充実しています。

NetSuite

SaaS型ERPで急成長を遂げたNetSuite。その成長率は、2016年から3年連続で1位を記録しています。

ERPをベースに、CRMやeコマース機能も統合していて、ビジネスに必要なツールを一元管理できる点が大きなメリットです。

NetSuite

GLOVIA OM

Salesforce上にERPを構築することで、CRM・SFAとの連携を可能にしたソリューションです。

すでにSalesforceを導入していたり、ERPと合わせての導入を検討中の企業におすすめです。

GLOVIA OM

Workday

財務管理と人事管理にフォーカスしたERPです。

ヒューマンキャピタルマネジメントやプロフェッショナルサービスオートメーションといった、独自のリソース(人材)管理機能が強みです。

Workday

会計ソフト

freee

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freee

「ERPほどの規模は不要だが、会計システムについては導入したい」とお考えの中小企業および個人事業主におすすめなのがfreeeです。クラウド会計ソフトとしてのシェアNo.1を謳い、実際に競合となるMFクラウド会計を2018年の時点でリードしています。

特徴は徹底的な使いやすさにあります。会計処理の専門知識がないスタッフでもある程度簡単に仕訳作業が行えたり、クレジットカードやECショッピングの取引明細を取り込めたりといった点が好評です。

なお、会計ソフトとしての機能はもちろん、個人事業主の改行手続きや開業届作成までもサポート(会社設立freee)しています。コストパフォーマンスも高く、小規模事業者にも導入しやすいSaaSです。

MFクラウド会計

家計簿アプリで有名なマネーフォワードが、中小企業・個人事業主向けに提供しているのがMFクラウド会計です。
会計ソフトとしての利用だけでなく、「給与」「請求書」「経費精算」といった同シリーズのSaaSとスムーズに連携できる点が特徴です。

MFクラウド会計

弥生会計オンライン

パッケージソフトとして多くの中小企業に使われてきた弥生会計のSaaS版です。

会計部門のスタッフが弥生会計をはじめとする会計アプリに慣れ親しんでいる場合は、円滑なリプレイスが期待できます。

弥生会計オンライン

CRM/SFA

Salesforce(セールスフォース)

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Salesforce(セールスフォース)

SaaSの王者とも呼ばれるSalesforce。その理由は、世界に先駆けてSaaS(当時の呼称はASP)を提供した実績にあります。

Salesforceはその名のとおり、営業部隊の業務支援を中心としたサービスです。にもかかわらず抜群のカスタマイズ性があるため、開発次第では自社の基幹システムとして運用可能なところが魅力です。CRM/SFAは数あれど、ここまで自由度の高い設計ができるのは本サービスならではと言えるでしょう。

外部SaaSとの連携も非常に強く、Salesforce内にシステムを構築する仕組みのSaaSもあるほどです。

なお、中小企業向けに低価格から導入できるプランもあります。まずは導入をしてみて、その後必要に合わせてアップグレードしていく流れがおすすめです。

eセールスマネージャー

CRM/SFAとしての基本機能は抑えつつ、名刺管理機能を標準搭載している点が大きな特徴。
また、見た目がExcelに近いため、慣れているスタッフにとっては操作しやすい点もポイントです。
加えて、Salesforceも比べるとコストも抑えられます。

eセールスマネージャー

Knowledge Suite

Knowledge Suiteは、料金体系が「1企業当たり」となっている点に注目。ユーザー数にかかわらずコストが同じなので、費用を抑えたい企業におすすめです。

また、アプリケーションも多く、社内SNSやグループウェアが標準搭載されている点も特徴的です。

Knowledge Suite

名刺管理

Sansan(サンサン)

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Sansan(サンサン)

俳優の松重豊さんのCMでお馴染みの名刺管理ツール「Sansan」。クラウドサービスと言えばAIなどの技術面がフォーカスされがちですが、同SaaSは人力による名刺読み取り精度向上が行われています。

ユーザーがアップロードした画像をオペレータが確認・入力するというフローでデータ化がなされており、その精度は驚きの99%を誇ります。

さらに、日本語、英語、中国語、韓国語、ドイツ語、フランス語の6カ国語にも対応しているため、幅広い業種での活用が期待できます。なお、SalesforceやMicrosoft Dynamics CRMといったCRM/SFAとの連携も可能です。

Eight

Sansan株式会社が個人向けに提供する名刺管理ツールです。Sansan同様、人力によるデータ入力が行われており、精度については折り紙付きです。

個人事業主や中小企業にとって導入しやすいSaaS型名刺管理ツールと言えるでしょう。

Eight

CAMCARD BUSINESS

OCRによるスピーディーな名刺データ化が特徴の名刺管理ツールです。加えて、名刺情報の共有や外部サービスとの連携にも優れています。

また、比較的低料金であるため、名刺管理ツールをはじめて導入する場合などにもおすすめです。

CAMCARD BUSINESS

プロジェクト管理

Wrike

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Wrike

Wrikeは、近年注目のプロジェクト管理ツールです。Google、amazon、Adobe、PayPalといった大企業に採用されている点から、完成度の高さが伺えます。

料金プランが複数用意されており、個人から大企業まで幅広く利用可能です。とくにビジネスプラン以上で使用できるタイムトラッキング機能の評価が高く、Wrike内データと細かく紐付けされている点がポイントでしょう。

そのほか、入力欄を自由に設定できるカスタムフィールドや、テンプレート作成機能であるリクエストフォームも魅力のひとつです。

Asana

Asanaは見た目が美しく、操作性も分かりやすい点が人気の理由です。外部連携も豊富で、プロジェクト管理ツールとしては申し分ありません。

また、プロジェクト・タスクごとに用意されたチャットも特徴的です。

Asana

JIRA

ソフトウェア開発(とくにアジャイル)チームに人気のプロジェクト管理ツールです。

ただし、カスタマイズ性が非常に高いため、用途に合わせた設定が行えればさまざまな業種での利用も可能です。

JIRA

Trello

Trelloは、カンバン式のプロジェクト管理ツール代表とも言えるサービスです。機能自体はシンプルですが、設定次第で外部SaaSやツールとの強力な連携も可能です。

料金も安く、導入のしやすさも魅力と言えるでしょう。

Trello

まとめ

今回は、各カテゴリーの代表的なSaaSについて紹介しました。

SaaSは知名度やシェアの高さだけが選定の基準にはなりえません。大切なのは、自社の業務やニーズにそのSaaSがマッチするかどうかです。また、各SaaSや現在のシステムとの連携なども、要件に挙がるでしょう。

まずは自社に何が足りておらず、どんなSaaSが必要なのかを見直し、そのうえで必要な機能等をリストアップしていくことから始めてください。

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SaaSビジネスの重要指標とよくある疑問

単なる用語集ではなく、よくある疑問への答えや、各指標を改善するためのポイントを、図解を交えてゼロからわかりやすく解説しています。