DMPを利用するメリット

「顧客に関するあらゆるデータを一元管理できる」ことが、DMPの大きなメリットです。

別々に管理していたデータを統合することで、複数の場所からデータを探し出す手間が省けます。
外部データもあわせて管理できるため、効率的なデータ運用が可能です。

また、蓄積されている顧客データを踏まえて、「ターゲットとなる顧客像を明確にできる」こともメリットの一つです。
顧客像を明確にすることで、ユーザーファーストなマーケティング戦略を練ることができます。

その他、大量のデータから顧客の行動やアクション履歴、興味関心などを分析し、顧客一人ひとりに応じたアプローチを実施することで「マーケティング施策効果の最大化」が可能です。

DMPの活用事例

DMPを活用し効果を出した事例を以下で紹介します。

【株式会社日本旅】
DMPに蓄積されたユーザーの購買履歴や行動履歴などをもとに、クーポン表示対象とするユーザーや表示タイミング、訴求内容を改善。これにより、クーポンのクリックが最大15倍、旅行の契約まで至ったCVRが3倍に。

【株式会社資生堂】
DMPが保有するデータをもとにユーザーを「購買履歴がない」「サイト訪問履歴がある」「非ターゲティング」にグルーピング。
そこからさらに細かくセグメント分けを行い 広告配信。
結果、「購買履歴のない会員」はCVRが5倍、「サイト訪問履歴のある非会員」はCVR3倍に増加。
  • 【株式会社ビズリーチ】*
    Yahoo! DMPを使い、検索や行動履歴などのデータと自社保有のデータから、優良会員の見込みがあるユーザーの特徴を抽出。
    抽出した顧客層に広告を配信したところ、スカウトメールの受信率は1.4倍、受信数は2.4倍に上昇。

DMPを利用するデメリット

One to Oneの広告配信に役立つDMPは、一方でデメリットもあります。

オープンDMPの場合、外部データであるためデータの質を見極める必要があります。
提供されるデータは拡張方法などが非公開であることから、精度の判断が難しいのが現状です。

プライベートDMPは、オープンDMPと比べて導入や運用にかかるコストが高く、比較的大企業向けのDMPと言えるでしょう。
また、作成できるセグメント量が多い分、時間を費やしてしまったり、自社データと上手く紐付けすることが難しかったりと、運用面での難易度がネックとなります。

DMPの運用方法

DMPの運用は、大きく3段階に分けられます。

  1. データ収集
    ユーザー動向やオーディエンスデータなどのパブリックデータ、サイトのアクセス履歴や購買行動など様々なデータを収集します。
    オンライン上のデータだけでなく、実店舗におけるユーザー行動記録などオフラインデータも収集可能です。
    また、外部データを取り入れるときには「Cookie(※)」を利用します。

  2. データ分析
    収集したデータはDMPに保管され、名寄せ(同じユーザーだが異なるIDの場合に2つのIDを紐付ける)してデータを一元管理します。
    名寄せしたデータをもとに、セグメントを行いデータ分析に活用します。

  3. データ利用
    分析したデータは、マーケティング施策に取り入れます。
    データの収集・分析だけでなく、広告メルマガ配信などができるDMPもあり、外部のマーケティングツールと連携することでより効率的なマーケティングが可能です。

(※)…Webサイトを訪れたユーザー(ブラウザ)に割り振られるID。ユーザーがサイトに何回アクセスし、どのページを閲覧しているのか把握できる。