Webサイトのデザインは、閲覧者の商品やサービスに関するイメージに影響するものです。
デザインには様々な手法があり、それぞれに狙いがあります。
作り手が何をどのように閲覧者に伝えたいかによって選択するべきデザインも異なるものです。
今回は、近年のデザイントレンドとして人気の高いミニマルデザインをご紹介します。
伝わるWebサイトづくりの一助になれば幸いです。

ミニマルデザインとは

ミニマルデザインとは、構成する要素をできる限り少なくしたデザインです。
すっきりとしたシンプルなデザインテイストは、邪魔になる要素が少ないことから、メッセージ性を強く打ち出せるメリットがあります。
デザインを作成する際、何でも目立たせたいという考えでは、結局何も目立たないという状況に陥る恐れがあるのです。
伝えたいことを明確に伝えるためには、ユーザーを惑わせる要素をできるだけ排除することが有効です。

ミニマルデザインの定義

ミニマルデザインに厳密な定義があるわけではありませんが、余計な装飾をせず無駄を省いたシンプルな中にメッセージ性が強く打ち出されたものであることが条件と言えるでしょう。
そもそも「ミニマル(minimal)」という言葉は日本語で「必要最低限」や「可能な限り少ない」といった意味になります。
ここで大切なのは、ミニマルが何でも無くすという意味ではなく、最低限にするということです。
ミニマリズムとも呼ばれるこのデザインは、にぎやかよりは簡素な感じがするかもしれません。
ただし、そのシンプルな中に、メッセージが備わっていれば、完成されたミニマルデザインであることでしょう。

ミニマルデザインのルール

ミニマルデザインを作成する場合に守りたいルールをピックアップします。
厳密なルールが存在するわけではありませんので、ミニマルデザインを作成する上で抑えておきたいポイントと捉えてください。

無駄を省く

ミニマルデザインにおいて最も重要な要素です。
無駄な要素を構成せず極めてシンプルでなければいけません。
つまり、デザイン上に存在する要素は、すべて必要である理由が明確ということなのです。
画像や枠などの装飾はもちろんテキストも余計なものは省きます。
意味のある情報のみを残すとイメージし、配置する理由がないものをデザイン上から消去しましょう。

余白を効果的に使う

無駄を省くと自然に多くなるのが余白です。
ミニマルデザインは空間の使い方が美しさをつくるのがポイントでもあります。
やたらと音符の多い音楽より休符の多い音楽にこそ芸術性を感じることもあるでしょう。
余白が生み出す視覚的な芸術性はミニマルデザインに美しさを感じる要因の一つです。
実際に、余白の多いデザインほど、メッセージが明確になり認識がしやすいというメリットもあります。

色使いを最小限にする

デザインに使用する色を少なくすることが大切です。
これはシンプルに見える要素でありながら、色のアクセントがつきやすくメッセージを強くみせるサポートになります。
また、コントラストがはっきりしていると、より明確に伝えるべき要素を打ち出すことができるでしょう。

読みやすくインパクトのあるフォントを選ぶ

すっきりとした無駄のないデザインである以上、フォントはとても目立ちます。
デザイン全体の印象にも大きく影響するほど、フォント選択は重要なのです。
そのため、文字が大きく認識しやすい上にインパクトが十分にあるものを選ばなければいけません。
すっきりとした美しさも兼ね備えると、よりミニマルデザインらしさが出るはずです。

メッセージを明確にする

ミニマルデザインは、シンプルな中に強さのあるデザインです。
見る人に何を伝えたいかが明確でなければいけません。
言いたいことをたくさん語り過ぎるほど、本来伝えたいことが届かないということは、コミュニケーションの上にもよくあるものです。
本当に伝えたいことを第一に明示できるようにしなければいけません。

ミニマルデザインで作られたサイト5例

それでは、ミニマルデザインの事例をチェックしてみましょう。
目にしたことがあるWebサイトがあるのではないでしょうか。
それほど、ミニマルデザインは身近な存在でもあるのです。

apple

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画像引用:apple オフィシャルWebサイト
ミニマルデザインの例として挙げられるケースがとても多いのがapple社です。
シンプルで無駄な装飾がなく、優れたプロダクトデザインとメッセージ性が伝わります。
新商品が誕生しても、このミニマルなコンテンツデザインには常にジャストフィットする印象があるのです。
世代や性別などの偏りもなくストレートな訴求力を持っています。

星のや

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画像引用:星のや オフィシャルWebサイト
トップページはシンプルな構成の中、写真の美しさが魅せるテイスト感です。
各旅館のページは空白を贅沢に活かし、写真とメッセージを明確に伝えている印象です。
すっきりとした印象の中、フォントや写真による高級感が効いているデザインと言えるでしょう。

MUJI HOUSE VISION

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画像引用:MUJI HOUSE VISION オフィシャルWebサイト
無印良品の家の暮らしの作り方に関するページです。
白い空白を活かしてメッセージやイメージを効果的に伝えています。
無印良品のシンプルなブランドイメージを保持しつつ、伝える力を持ったミニマルデザインの良い例です。

KAMARQ

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画像引用:KAMARQ オフィシャルWebサイト
KAMARQは、めずらしいサブスクリプション型の家具ブランドです。
家具のイメージとともに、月額利用料で家具を利用できるというユニークな仕組みを明示しなければいけません。
そのため、ミニマルデザインが有効なWebサイトと言えるでしょう。
コンセプトなどを伝えるメッセージから共感を得るため、シンプルなテキストメッセージが多いのも印象的です。

STUDIO

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画像引用:STUDIO オフィシャルWebサイト
STUDIOはWebサイトのデザインから公開までをコーディング技術を必要とせずに誰でも行えるサービスです。
デザインができるサービスを伝えるデザインであるために、無駄を削ぎ落としたミニマルデザインが有効に働いています。
画面イメージとインパクトの強い見出しフォントの使い方が印象的であり、サービスの機能性が好印象に伝わります。

まとめ

ミニマルデザインを完成させても、コンバージョンが増えるとは限りません。
Webサイトの目的がコンバージョンではなくブランディングだったとしても、デザインの完成はスタートでしかありません。
制作したデザインが意図した通りにユーザーに認識をしてもらえているのか検証することが大切なのです。
近年のWebデザインは、PCのみではなくスマートフォンなどのモバイルデバイスによる閲覧にも配慮するので、ミニマルデザインにおいてもシンプルなだけに制限が多く、ちょっとした工夫が難しい場面もあるでしょう。
ミニマルデザインは様々な要素を排除することでスマートな世界観を作り上げられるものの、ユーザビリティとのバランスが難しいものです。
こういった課題も仮説と検証の繰り返しを経て、完成されたWebデザインになりますので、常に前進の姿勢を忘れずトライしましょう。

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